エフライの感想記

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感想《2018 F1 第16戦 ロシアGP》無慈悲にザンユー無線。ドンマイボッタス

鈴鹿前最後のレースとなったロシアGP。

前回のシンガポールで40pts差となり、チャンピオン獲得に優勝が絶対条件のフェラーリ、ベッテルがハミルトン相手にどのようなレースをするかという点に注目が集まったレースだった。

 

しかし、結果はメルセデスの圧勝。

予選、決勝共に1-2フィニッシュを飾り、フェラーリに付け入る隙を与えなかった完全勝利だった。

 

「完全勝利」というと聞こえは良いが、メルセデスには物議を醸す出来事があった。

それは、ライバルフェラーリお得意のチームオーダだ。古く(?)は02年のオーストリアGPから議論の発端となり、10年のドイツGPと色々あったアレである。

 

予選でPPを獲ったボッタスはスタートを決め、快調にレースを進めていた。

しかし、レース中盤、チームオーダー(通称:ザンユー無線)が発動しハミルトンとポジションをスワップ。残り数周のところでボッタスは「ポジションはどうするのか」と尋ねるも無慈悲にステイポジションの命令。

結局ザンユー無線で入れ替わったハミルトン-ボッタスの順の1-2でゴールした。という事の顛末だ。

 

興行云々は置いといて、チームスポーツとして考えれば正しい決断だった事は過去のレースを見れば分かる。

最近で言えば、ドイツGPでフェラーリが戦略が違うライコネンにザンユー無線を出すのに5周以上かかった事でベッテルはタイムを失った(最終的にベッテルはリタイアしたが)。

 

その他、今回のレースでもフォースインディアがマグヌッセンを抜くために一旦ペレスを前にしたが、結局抜けずオコン-ペレスのオーダーでゴールした。

 

 

F1…というかモタスポではザンユーは良くある事で必要か否かの議論をするのは正直今更感があるし、個人的にはアリだと思う。

 

しかし、今回のボッタスにはザンユーを出すのは少し…というかだいぶ可哀想だと思った。

というのも、今年のボッタスはアゼルバイジャン等勝てるレースで悉くトラブルに見舞われたからだ。その為、今回こそは無事に勝ってほしいという気持ちがあった。

 

もしハミルトンとベッテルの差があまり無く、ロシアが千載一遇の優勝のチャンスだったなら譲るのも分かるが、レース前でハミルトンはベッテルに対して40ptsのリード。

ちょっとやそっとでは逆転しないリードを築いていた。

 

レース後の真顔のボッタスを見るに、レース前の打ち合わせでザンユーが出ると聞かされていなかったのだろうか、納得している様子は全く感じなかった。

それはハミルトンにも通じたのか、ボッタスを慰め、表彰台やインタビューで大人しくしていたのが印象に残っている。

 

後述するが、ベッテルにも色々な事があったため笑顔が少なく、結果としてお通夜状態の表彰台となってしまった。折角の表彰台なのに残念。プーチンが「あっ…(察し)」となったのが悲しい。インタビュアーのディレスタも大変だっただろうな…

 

 

これ以上、メルセデスに突っ込んだら暗いレースになってしまいそうだが、もう一つ考える必要があるものがある。それは、予選の「ルノーQ2走らない戦略」である。

ペナルティのあやでレッドブルとガスリーはQ2アタックする意味がなかった。その為、Q2落ちになるのは2台だけとなり、熾烈なトップ10争いが見られると思った。

しかし、なんとルノーが走行せず、なんとQ2敗退組が全てノータイムという珍事態になってしまった。この結果、ルノーは11位,12位スタートが確定し、更にタイヤ自由選択という最高のハンデを背負って決勝に臨めた。

 

結果として、ルノーのタイヤの持ちが良くなく、戦略は失敗に終わったが、もしこれでルノーがW入賞でもしてしまったら次の鈴鹿からこのような戦略が多発する恐れがある。

エリミネーション式予選は黒歴史だが、また新しい対策を考える必要が出てきただろう。

 

 

 

 

暗い話題が続いたが、明るい話題というとルクレールのBクラス優勝、レッドブルの追い上げの2つが挙げられる。

シーズン序盤のクルクルルクレールはもう存在せず、フェラーリに移籍する力量を十二分に示しただろう。

 

エンジンペナルティにより後方スタートとなったレッドブルは見事な追い上げを見せ、5-6フィニッシュ。

特にフェルスタッペンはタイヤの関係もあるが、ラップリードを記録する等、素晴らしいレースをした。次の鈴鹿でどのような活躍を見せてくれるのか本当に楽しみだ。

 

 

 

我らがトロロッソはまさかのWリタイア。

BBW(ブレーキバイワイヤ:ブレーキシステム)の不調によるリタイアと見られているが、両車とも5周足らずでスピンしたのは不可解だ。

ホンダのスペック3の信頼性もあるが、車体側の最適化という鈴鹿に向けて新たな宿題が生まれてしまった。

 

 

チャンピオン争いするはずのフェラーリはFP3からヘンテコ作戦を決行。

ベッテル、ライコネン共にフィニッシュ寸前に車を出すつもりがまさかのタイムアップ。

寸前だったベッテルはまだマシだが(勿論それでも酷い)、ピットボックスから出るタイミングだったライコネンはもう言うことがない。

 

ベッテルがトラフィック無いところに出してと言った後、思いっきりトラフィックの中に出したシンガポールの予選から何も成長していない。

50pts差となった事でタイトル獲得に限りなく赤に近い黄色信号なベッテル。

これから何とか盛り返して、タイトル争いを盛り上げて欲しい。

 

 

 

次は鈴鹿、日本GP。

個人的に初現地参戦するので今からとてもワクワクしています!!