エフライの感想記

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感想《名探偵 ピカチュウ》見た目のインパクト以上に完成度の高い、実写版ポケモン映画!

ポケモンファンとして否が応でも気になっていた実写版ポケモンこと、『名探偵 ピカチュウ』。記念すべき(?)令和一発目の映画として鑑賞してきました。

予告等で散々話題になったおっさん声のピカチュウや無性に気持ち悪く感じるポケモン達と鑑賞前は「一体どんな作品になるんだ…」と不安7割、好奇心3割といった気持ちで映画館に向かいました。こうやって気になって劇場に足を運んでいる時点で広告の思い通りだなぁと分かってはいますが気にしません。だって気になるものは気になりますからね。

 

 

そんなこの作品でストーリーより気になっていたのは「どのシリーズまでのポケモンが出るか」ということ。予告動画から多分カントーポケモンがメインだろうなぁと思っていましたが、ジョウト地方のポケモンは出るのか。世代であるシンオウは。最新のアローラは。といった無駄かもしれない疑問が浮かんでいました。

というのも、原点に立ち戻った映画『キミにきめた!』でポッチャマ達が出たことになんとなくやるせない気持ちを持ったからです。原点回帰なら出すポケモンは初期だけにしとけよ!と大人気もなく思っていたので、今回は一体どうなるのか…という怖さがありました。

 

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結論から言うと、「初期どころか全世代のポケモンが出た!しかも、違和感のない世界観だった!!」という感想を持ちました。今回の舞台(特にライムシティ)がどういう場所にあるかは明らかになりませんでしたが、様々な世代のポケモンがいても違和感のない世界に作り上げられていましたね。変に原点回帰とかするよりこっちの方が断然良いです。

この時点で、既に評価が高いのに、ポケモン達が上手いこと配置されていることでより一層この作品が好きになりました。電線が通っているところにデンチュラ。如何にもアウトローな音楽が流れていそうなところにドゴーム。交通整理にカイリキー。消防活動にゼニガメ。と如何にも「この場面ならこのポケモンでしょ」というところを突いてくるのが本当に良かったです。その他、ハワード(お爺ちゃん元社長)の部屋にディアルガ・パルキア・アルセウスの創造神トリオがいたというのもポイントが高いです。

 

また、ミュウツーまでのナビゲート役をフシギダネが担っていたのも個人的には好きなところ。この役割は別に誰でも良いのに、わざわざフシギダネにしたのは全国図鑑No.1の肩を持たせたと考えるのは深読みしすぎですかね。

 

それと、ミュウツーがただの悪役ではないという扱いも良かったです。

ミュウツーというと、どうしても『ミュウツーの逆襲』が頭をよぎってしまいます。この『ミュウツーの逆襲』では、望まない生を与えた人類に激しい怒りを持ちながらも話せば分かってくれるという好人物(人物?)として描かれていましたが、今作でも似たような性格で登場しましたね。自分を逃がしてくれた主人公の父とピカチュウには礼儀を尽くす。人気ポケモンであるが故、扱いが難しいキャラだと思いますが巧い事"格"を保ったミュウツーを描写したな、と思いました。

 

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そういえば、内容に触れてませんでしたね。

いつもは人間とポケモンの絆をフィーチャーすることが多い『ポケットモンスター』という作品で、その絆物語を親子に昇華させたのは盲点だったので驚きました。主人公サイドも敵サイドも親子関係で問題があって前者は上手いこと解決。後者は決裂して重大なことが起こるというある意味お決まりの展開でしたが、そこに辿り着くまでのプロセスが良かったですね。

先ず、ピカチュウとの絆を築いて、次はヒロインとの絆。そして最後に父親という構成。しかもその父親の精神は最初に絆を築いたピカチュウだった。という事は1ミリも予想していなかったので良い意味で裏切られましたね。何故か言葉が通じる。しかもおっさん声。というこの作品最大のインパクトが物語の答えだなんて、この制作陣は大胆な事をするな、と思います。本当、見事に騙されましたね。てっきりいつもは「ピカピカ」言っているだけで実はこう思っているんだよと思わせといての、このどんでん返しには脱帽です。

 

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確かに「名探偵」と銘打ってる割に最後はポケモンバトルによる力勝負だったり、序盤に出てきた友達とはどうなったの?といった疑問は残りましたが、そんな細かい事を気にさせない程のパワーがありました。ポケモンの配置の他にEDのメインテーマに合わせて流れる漫画風の日本語によるクレジット等、いたるところ制作陣のポケモン愛が溢れてくる作品で実写映画の本気を見た気がします。

 

図らずもこの夏の映画では再びミュウツーにスポットが当たりますし、今年はミュウツーイヤーですね。子供向けのリメイク映画というと『ドラえもん』の「新・のび太の~」シリーズが頭をよぎりますね。こちらは現代向けなのか、所謂「怖い表現・要素」を排除する傾向がありますが、『ポケモン』は一体どういう風に名作『ミュウツーの逆襲』を調理し直すのか、気になるところです。再び見直して公開に備えたいと思います。

 

 

 

★ピカブイの感想記事

 

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