守護者の証が僕を導く…!
幼い時に見た作品というのは、ふとした時に急に見たくなるものです。
約1年前に『イナズマイレブン』FF編の感想を書きましたが、そのような”昔好きだったやつの再ブーム”は自分の中で頻繁に起こります。
で、今回その再ブームの対象となったのがアニメ『甲虫王者ムシキング 森の民の伝説』。『ムシキング』については最早語る必要がない気がしますが、簡単に説明すると、15年くらい前に流行った、手持ちのカブトムシ・クワガタムシを”じゃんけん”にて戦わせるアーケードゲームです。今思えば運要素の非常に強く、なんであそこまで熱中したのかなって思ってしまいますね。カブトムシ・クワガタムシが子供の憧れのものの一つだから、というのが理由だと思います。周囲の友達の殆どがやっていた程流行っていた記憶があります。男子は『ムシキング』か『恐竜キング』、女子は『オシャレ魔女 ラブandベリー』にハマっていましたよね。同世代のあるあると思ってるんですが、どうでしょうか。
その『ムシキング』のアニメ、『甲虫王者ムシキング 森の民の伝説』。
近くにTSUTAYA等のレンタルビデオ屋がなく、配信ではU-NEXTのみだったので、”見返したい!”と思ってすぐ、31日間の無料トライアルに申し込みました。dアニメストアやプライムビデオに無かったのは予想外でしたね。特にdアニメストアに無かったのはショックです。アニメ専門じゃないんかい!(無茶苦茶)
さてそんな訳で、ウッキウキで約15年ぶりに視聴したアニメムシキング。
この記事を書いている段階では、まだ6話を見終わった段階(全52話)なのですが、ここで思った事を取り敢えずダラダラ書こうと思います。
先ず、見返す前に覚えている事っていったら
・何かサーカス団(?)の仲間がいる
・ちっちゃいカブトムシがいる
・敵味方問わず意外とキャラが死ぬ
というものでした。
流石に放送開始が05年の作品ですからね。断片的な記憶しか残っていません。なので、初見でも無く、かと言って何週もしている訳でもない。そんな不思議な感覚で見る事となりました。個人的には『龍騎』や『555』、『ブレイド』等を見返した時と同じような感じですね。もうそんな感覚で視聴出来る作品も少なくなっているなぁと少し寂しい気持ちになったりならなかったり…
閑話休題。話をムシキングに戻します。
取り敢えず6話まで見た感想としては、「良くこんな作品をちっちゃい時は楽しみに見ていたなぁ」というものでした。え?何故かって?それは話が難しく、そして暗い雰囲気というか、基本重い空気が物語を包んでいるからです。
子供向けアニメの1話にて、父親の死亡の示唆と、母親の花化(実質仮死)とかよく思いつくよなぁ
— エフライ (@k_efrai) 2020年2月27日
そんな中で、チビキングとのやり取りは癒し
正にツイートした、こんな感じ。
父親が実際にどうだったのかは記憶が曖昧でちゃんと覚えていないのですが、生きているにしても死んでいるにしても盛り上がる展開になりそうなので、今後が楽しみです。ただ、子供向け作品で攻めるなぁとは思いました。『龍騎』や『555』といい、自分の幼児期は凄い作品に囲まれていたんだな、と感じましたね。
シリアス一辺倒にならない事に一役を買ってる、癒し枠のチビキングと合流したのが1話ラスト。頼れるサーカス団と出会ったのが2話でした。こんなに早かったっけ?と早くも記憶との齟齬が生まれてきたのには焦りました。まぁ物語的には普通なんですけどね、旅に出て直ぐ仲間と出会うって。
そして迎えた第3話「魂の行方」。明らかに大人数のサーカス団加入に、幼い自分の記憶。そしてサブタイトルから嫌な予感がしたんですよね。
まさかここでサーカス団の2人、プゥとデーが退場するとは驚きでした。大してキャラに対する思い入れが無い中迎える死というのは、下手すれば物語上の死をチープなものにしてしまう恐れがあるのですが、彼ら2人のポポに対する思いを強く描いた事で死のインパクトがより重厚なものになったと思います。何せ十何年経っても「大丈夫、大丈夫♪」や「オレ、デー」というセリフと共に覚えていましたからね、この退場シーン。この自分が証拠です。余程当時の自分にとってショッキングなイベントだったんだなぁとしみじみ感じます。
第3話にして物語上の生命の倫理観というか価値観というか、そういうものを説明した作品というと、今丁度外伝をやっている『魔法少女まどかマギカ』が頭をよぎりますよね。パクリだなんだと言うつもりは全くないですが、視聴者にショックを与えるという意味では、こういう展開が子供向け大人向け問わず効果的なんだなと感じました。
3話にして人間(厳密には違うけど)の死を示したならと、第4話ではウスバカゲロウを用い、虫の死を表現するお話を入れる構成には脱帽ものです。これが逆だったらこの世界の死を上手く視聴者に印象を残せませんもんね。良く考えられているなぁとひたすら感心するばかりです。
ウスバカゲロウは成虫で数時間しか生きられないだの、ミツバチは集まって熱を出し、それ(蜂球)によって外敵を倒す(2話)だのといった虫に関するマメ知識はここから得たんだったなと懐かしむと同時に、生命の儚さを感じましたね。それがこの作品の伝えたいものの1つというのは分かるんですけど、如何せん心に来る…
そんな辛い生命のお話は続きます。第5話、第6話では虫と人間の共生について描かれました。
自分たちの生活を守る為、とアゲハの卵や蛹を破壊する村の人達がいたのです。このお話にて幹部となるグリムが初登場するのですが、蛹を焼き払われる時の彼の叫びはグサグサ心に来ました…。第3話からのシリアスは止まるところを知りません。流石吉田玲子脚本。残念ながら幹部化したグリムですが、彼は虫を大切にする青年ですからね。自分たちの都合で何の罪もないアゲハが殺されるのを見て幹部化というのは、一方的に責められません。
多分コレはネタバレになるんですけど、グリムのアクティオンゾウカブトを見た時、とある戦闘がフラッシュバックしたんですよね…。一応ここでは伏せておきますが、先を見る気力が少し失われた。とだけ言っておきます。
今視聴が終わっているのはここまで。
まだ金髪の少年ソーマや女幹部チョークが出てきていませんが、既に内容が濃く、大変楽しく、そして胸を傷つけられながら視聴しています。もしこれを読んで『ムシキング 森の民の伝説』の事や当時の事を少しでも思い出していただけたなら幸いです。ここまで来たら分かると思いますが、本当に面白いですよ!ムシキング!
甲虫のバトルはアーケードをやっていた当時を思い出させますし、内容もシリアスで面白いし、と文句の付け所が今のところ見当たりません。ネブ博士、ブラック博士によるミニコーナーも健在で懐かしさ全開でしたね。皆さんも『甲虫王者ムシキング 森の民の伝説』、見ませんか??
☆全話見ました