毎年3月に公開している劇場版ウルトラマン。新型コロナにより、この時期まで公開がズラされました。夏公開の仮面ライダーと戦隊の映画が秋以降になっているのを考えるとなんとも不思議な感じがしますね。『ドラえもん』も今の時期ですから季節感覚が狂う狂う。
元々ピリカ役の役者さんが降板するという事で、物語開始前からバタバタしていた『タイガ』。最後を飾る映画もコロナの影響を受けるという不運さ。それでもこうやってキチンと始まり、そして終わりを迎えたのは嬉しいものです。『タイガ』のTVシリーズの感想はまたの機会に書くとして、今回は映画に話題を絞って書いていきます。
今回の映画は『ニュージェネ クライマックス』と題付けられており、『タイガ』の後日談だけでなく『ギンガ』以降のウルトラマンが勢揃いする、お祭り映画の要素を持ち合わせていました。
自分は『オーブ』からウルトラマンの世界に入った新参者なので、そこまで積み重ねがある訳ではありませんが、ヒーローがガヤではなくキッチリ本人出演で勢揃いする展開は燃えました。前作のウルトラマンが映画に出てくるのは恒例でしたが、こうやってニュージェネ組が本編で全員揃うのは多分初めてですよね。滅茶苦茶嬉しかったです。
このままだとレジェンド組について長々語りそうなので、一先ず『タイガ』について綴りますね笑。
TV本編最終回でタイガ達は帰らなかったので、お別れしない流れなのかな?と思っていました。が、これまでの例に漏れずタイガ達はヒロユキ達の元を去りました。
しかし、悲壮感は一切なく、離れていても仲間というのが強く感じられて良かったです。社長さんが社員カード(?)を作っていたのも嬉しいポイント。「ヒロユキ=ウルトラマン」だけの理解かな?と勝手に思っていたので「社長さん……!!!」と申し訳なく思いました笑。ホマレ先輩の情に熱い部分も見れてgood。
『R/B』の劇場版に登場し、べリアルに次ぐ敵ウルトラマンのポジションに就いたトレギア。愉快犯としてロッソやタイガ達を苦しめた彼ですが、今回の映画で一区切りがつきました。
自分は彼の事を、初登場から絆とか光といったプラスイメージのものを嫌ったキャラと捉えていました。しかし、実際はそうではなく、色々な面で親友タロウと対になる存在でした。自身もタロウのようになりたかったもののなれなかった。これまで彼が行った事は極悪非道そのものですが、何処か儚い、哀愁漂うキャラだという事実が明らかとなりました。
ラストバトルで、最期に「タロウ…」と呟いたシーンは何とも言えない気持ちなりました。勧善懲悪ではない、何処かモヤモヤするこの感じが何処か心地良い。今作品は、全体的に王道のヒーローものですが、トレギア要素だけ見ればとてもしっとりしているお話でした。
そんなトレギアの、ある種決着をつけるため、タロウの戦闘が色々見る事が出来ました。最新のCGを用い大画面で活躍するタロウには不思議な感じがしますね笑。闇落ちしたり、ラスボスの攻撃を1人で受けきったりと様々な活躍を見せてくれたタロウ。本編での活躍はほぼ皆無でしたが、映画ではタイガの父親という設定を基に大暴れしてくれました。本家のウルトラダイナマイトを見る事が出来て嬉しかったです。息子も見よう見まねで行っていましたしね。
それにしても、ヒロユキから3人が独立するとなると、今後レイガへの変身はどうなるんでしょうか。個人的に映画限定フォームがその映画のみならず、その後の展開でも最強フォームとして扱われるのがニュージェネの良いところだと思っているので、今後が気になります…
そしてレジェンド組。
『X』以前は名前だけ知っているレベルでしたが、逆に言うと『オーブ』以降は全て見ているので、各ウルトラマンが登場するファン興奮の流れはある程度味わえました。
ガイがラムネを飲んでいたり、リクがドンシャインを普及させようと躍起になっていたり、湊兄弟の緩さだったりと"そのままの彼ら"が見られて高揚感を得ました。
1番興奮したのは、煙の中から最強フォーム達が現れたシーンですね!
あまり戦闘シーンはありませんでしたが、その中で"強い"描写が溢れていたと思います。やっぱり映画限定フォームがちゃんと使われているのは良いですね。仮面ライダーではTVシリーズの最終フォームが最強フォーム扱いになり、映画に出てきたフォームは滅多に日の目を浴びませんから。
個人的に、湊兄弟がそのシーンで「ルーブになる?」と相談している中、アサヒが降臨し、クルーブになるというコミカルなやり取りも好きですね。『R/B』らしさ全開で。(当たり前ですが)ゲスト感溢れる他の先輩方と比べ、『R/B』ワールドを形成していた湊兄弟にはある意味感服です。最後のすき焼き云々のワチャワチャとか好き。もっとやって笑。
後、タロウと戦うことに悩むタイガ並びにヒロユキに自身の経験を交えて背中を押したリクの活躍も好きなシーンです。序盤にタイガが「べリアル因子がある」とリクを敵視していたのは笑いどころですかね。言われてみれば、互いのウルトラマンが人間姿を見る機会はあんまりなさそう。
大地は科学者要素を、ガイさんは風来坊要素を全面に出していましたね。逆に『ギンガ』の2人はスケジュールの都合か、出番が少なかった印象。
纏めると、オールスターとして申し分ない展開だったと思います。『オーブ』以降しか見ていない自分でここまで興奮しましたからね。『ギンガ』や『X』をちゃんと見てもう一度この作品を見たいです。
という訳で劇場版『タイガ』の感想でした。
短い尺の中で『タイガ』の締めとニュージェネオールスターの両立を高レベルで成し遂げていたのは素直に凄いと思います。ですが、全体的にカットされているような感じがあったので、もう少し尺があれば…と欲張ってしまいます笑。DC版が見たい…笑
それにしても「クライマックス」と副題についてますし、これでニュージェネ関連は一旦落ち着くのでしょうか。現在放送中の『Z』に『オーブ』のジャグラス・ジャグラーとかジードのリクが出ていますし、このまま「『クライマックス』?知らないね~」と続きそうな感じがしますけど笑。
そうそう。今思うと、ゼロやべリアル(偽だけど)が本編に出たのはニュージェネではないけど充電期間を埋めた功績としての扱いだったように思えます。これは考えすぎですかね。
まぁ兎に角。
不可抗力とはいえ公開まで待たされた分、無駄に上がっていたハードルの遥か上を越えてきた作品のように思えます。新参者ですが、ウルトラマン、やっぱり好きだなぁと感じましたね。
さて、『Z』はこれからどのようなお話を見せてくれるのでしょうか。1ウルトラマンシリーズファンとしてとても楽しみです。