エフライの感想記

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きっと忘れない。藤川球児選手について

先日、阪神タイガースの藤川球児選手が今季限りの引退を発表しました。いつか来るとは分かっていましたが、いざ発表されるとやはりとても寂しいです。今回はそんな藤川選手に対する思い出と言いますか、なんかそういうものを綴っていこうと思います。

 

藤川球児 ストレートという名の魔球 (ヨシモトブックス)

 

 

 

自分は大阪生まれ大阪育ちという生粋の大阪民なので、夕方6時になると、3チャン(サンテレビ)にチャンネルを合わせ、阪神戦を見る事が小さい頃からの習慣でした。そんな中、真っ直ぐ一本勝負でクルックル打者を三振に取っている藤川選手の姿は、幼少期の自分の憧れでしたね。ウィリアムス選手、藤川選手、久保田選手の3人のトリオ、JFKは勝ちを確信させる謎の力がありました。彼らをゲームで使い、真っ直ぐを連投するもCPUに簡単に打ち返される事に憤怒した記憶があります笑。

 

そこから時は流れ、選手の入れ替わりが多数ありました。色々な選手が入団したり、レギュラーやローテ入りを果たしたり、残念ながら戦力にならずに退団したり。それでも藤川選手は、変わらず9回のマウンドに居ました。入場曲、LINDBERGの「every little thing every precious thing」には何度安心感を与えられた事やら。途中、メジャー挑戦等で3年程行方不明の時期がありましたが、再び縦縞のユニフォームを着て投げる彼の姿を見て、「やっぱり藤川選手はこのユニフォームじゃないとな」と、謎の上から目線で復帰を喜んだ思い出。

 

 

阪神復帰後は敗戦処理等、お世辞にも勝ちパターンとして起用されている訳ではありませんでした。しかし復帰2年目の18年からボチボチ勝ちパターンとして起用され始め、昨年の後半は不調気味のドリスに代わってクローザーを任されるようになりました。正に、幼少期に見た藤川選手が帰ってきた!と、滅茶苦茶嬉しかったです。勿論、球速は当時から落ちおり、四球も多く、決して安定感抜群の投球ではありませんでした。ですが、小さい頃憧れていた”あの”クローザー藤川球児がまた見られただけで阪神ファン続けていて良かったな、とそう思いました。甲子園で躍動したような若手選手が活躍するのも勿論嬉しいですが、一時代を築いた選手が全盛期に近い活躍をするのも嬉しいんですよね。何か意地というか気迫のようなものが見られて。特に今ベテラン扱いされている選手は、自分が小さい頃に全盛期を迎えた選手が多いだけに、より一層そう思ってしまいます。今年だと巨人の中島選手や楽天の涌井選手、西武の内海選手とかが「復活して嬉しいベテラン選手」って感じですかね。

 

 

閑話休題、藤川選手に話を戻します。

そんな復活劇を見ただけに、今年も昨年のような活躍を見られるんじゃないかと期待していました。しかし現実はそんなに甘くありません。開幕して直ぐ炎上し2軍落ち。そこから1回は帰ってくるも失点が多く結局2軍で再調整。そこから今のところずっと2軍暮らし。という厳しいシーズンになっています。そして発表された”引退”。

正直もう直ぐだろうと覚悟はしていましたが、今年はコロナウイルスの事もあるので来年まで残ってくれるだろうと思っていました。しかし、藤川選手が選んだのは続行ではなく引退。昨年の阿部選手もそうでしたが、まだやれる気がする選手の引退は物凄く寂しいです。ですが、ファンがグダグダ言っても仕方ありません。今まで活躍してきた選手が辞めると決断した時、ファンが出来るのは感謝の気持ちを持つだけです。

 

そしてどうやら、そんな気持ちは選手側にも伝わっているようですね。日本球界3年目、阪神2年目という歴の浅いガルシア選手が、引退会見の翌日の試合にていつもの「パプリカ」ではなく「every little thing every precious thing」を登場曲として使用したのには驚きました。助っ人選手にもそう思われる藤川選手。ファンからは見えない部分でチームの為に尽力していた部分があるのかなぁと考えさせられる一幕ですね。

 

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さて、節目である250Sまで残り5つ。今年はCSが無いので優勝チームが確定すれば、球団は記録を達成させる為に藤川選手をマウンドに送り続けるでしょう。滅多打ちの醜態を晒してまで偉業達成を目指すような事は、2軍行きを自ら志願する程、良い意味でプライドを持っている藤川選手が望むとは到底思えません。1ファンとしては、多少打たれても偉業を成し遂げて欲しいという気持ちと、ボコボコに打たれる藤川選手なんて見たくないという気持ちが複雑に入り混じっています。そのモヤモヤに終止符が打たれるであろう、シーズン終盤戦がある意味で楽しみ、ある意味で来てほしくない。そんな心持ちです。

 

 

そして、やっぱり気になるのは最後の対戦相手ですね。昨年の藤川選手vs阿部慎之助選手の対決が痺れただけに自ずと期待が高まってしまいます。藤川選手の引退当番に相応しい打者というと一体誰でしょうか。個人的には、巨人の亀井選手や中島選手。ヤクルトの青木選手辺りが年齢も踏まえエモい対決になるのでは…と思っています。4人とも09年WBCで世界一を獲った戦友ですからね。福留選手が阪神所属でなければ、彼もありだったんだけどなぁ。また、”世代交代”感を出すなら、鈴木誠也選手や岡本選手、村上選手も合っているなぁと思います。何せ彼らは、これからの日本を背負う強打者ですからね。藤川選手が火の玉ストレートで彼らをねじ伏せるシーンと、未来の4番がそれをバックスクリーンにぶち込むシーン、そのどちらも画になると思います。

 

現状、阪神の最終戦がヤクルト戦なので、今挙げた青木選手や村上選手が出てくれたら嬉しいですね。でもプロ野球は勝負の世界ですから、どうなるか分かりません。何せ阪神の監督は引退試合が出来なかった矢野さんですし、エースは小久保選手の引退試合をノーヒットノーランで飾った西選手ですからね笑。「行くな!行くな!越えるな!」みたいな再現があるかもしれません。そんな事はないと信じたいんですけどね。

 

それにしても…。本当に引退するんですね。昨年の鳥谷選手もそうでしたが、当たり前のように居た選手が居なくなるっていうのは、とても悲しいですし、未だ慣れません。特に彼らのような選手は自分が野球を見始めた時から居たヒーローですからね。とても寂しいです。多分、これから何年もプロ野球を見続けたとして、自分の中での最高の抑えは、藤川選手と元中日の岩瀬選手で揺るがないんだろうなぁと思います。

 

 

何はともあれ。藤川選手。

少し早いですが、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

 

 

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