エフライの感想記

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感想《インディカー 2021 第7戦 デトロイト レース1》グロージャンの恩返し。エリクソン、インディカー初優勝!

何時もならインディ500の直後に開催されるデトロイトでのレース。今回は珍しい事に3週間のも間をあけての開催でした。今だインディ500の興奮が残る中、一体どのようなレースが見られるか楽しみでしたね。夜中3時からのスタートでしたが、無事寝落ちしながらの観戦でした。

 

 

数年かけての恩返し

 

時は18年4月。F1の第4戦として開催されたアゼルバイジャンGPにて事件は起きました。グロージャンがSC中に単独スピンを喫したのです。この行為自体は、特段特筆すべき事柄ではないのですが、この時に彼が言い放った発言が、世界中のファンの中に強烈な印象を残しました。「I think Ericsson hit us」。エリクソンからしてみれば、とばっちりも良い所の発言です。しかし、彼自身はそれを美味しいネタとして受け入れ、現在、何かアクシデントがあれば、それをエリクソンのせいにし、彼がそれに乗っかるという構図が出来ています。

心が広すぎますね笑。

 

そんなエリクソンは、19年からインディカーに活躍の場を移し、昨年からは強豪チップガナッシに在籍しています。このデトロイトのレースまで、未だ表彰台の頂点には登った事は無いものの、所々で光る走りを魅せていました。何時その栄冠が彼の手に行き渡るのか、時間の問題と思いつつも早くその瞬間を見たい気持ちに駆られていた自分が居ます。そしてその瞬間は、今日訪れる事となりました。

 

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レースを振り返っていきます。エリクソンが予選15位から発進した今回のレース。正直、序盤の流れは、彼の同僚であるディクソンに味方していました。ドライバー全体を通してザックリ2回ピット組と3ストップ組に分かれたのですが、正解は完全に2ストップ作戦でした。そして、その先頭を走るのは王者ディクソン。こうなれば完全にディクソンのレース。彼が今回のレースの勝者だと誰しも思った事です。

 

しかし、2ストップ組がタイヤ交換を始めるタイミングで事件が起きました。ローゼンクビストが大クラッシュをしてしまったのです。突如としてアクセルが引っかかる現象が発生し、タイヤバリアはおろか、コンクリートウォールまで曲げる勢いで壁に衝突しました。ドクターの診断の結果、命に関わる異常や怪我は無いとの事ですが、今年イチ冷や汗をかいたクラッシュでしたね。

これにて赤旗選手が登板し、レースは一時中断を迎えました。これによってトップを走り、ピットストップを出来る限り遅らせていたディクソンは大損。インディ500に続き不運に見舞われる形で優勝争いから転落しました。ヒンチクリフやフェルッチも同じ戦略を取っていましたね。

 

鴨の親子等、微笑ましい映像が流れた後に迎えたレース再開。ここでのトップ争いはパワー、エリクソン、ビーケイという2ストップ&赤旗前にタイヤ交換した組でした。時々、パワーの妻がペットボトルとスマホを握りしめていた映像が映っていたのが面白かったですね。GAORAの解説陣も現地のカメラワークも分かってやっています笑。

 

このまま息詰まる先陣争いのままチェッカーを受けるのかと思いきや、再びクラッシュが発生しました。今回の主犯はグロージャン。単独での壁とのコンタクトでした。上位を走行していませんでしたが、残念でしたね。「これどうするんだろう…」と思っていましたが、ここでインディカーの運営は、速攻赤旗選手の再登板を決めました。FIA管轄レースとは比較にならない程速い判断でしたね。それこそ鱗滝さんがビンタする暇もないくらい。

 

これによって先週のF1アゼルバイジャンGPと並び、超スプリントレースが開催される事となりました。解説の松浦さんも言っていましたが、これが新しいグローバルスタンダードになるんですかね笑。ファンとしては嬉しいですけど果たして。

ローゼンクビストの時とは違い、今回は早めの再開を迎えましたが、ここでまたも事件が発生しました。

トップに居たパワーのエンジンがかからなかったのです。レース後、彼は順位によってマシン停車と冷却のタイミングにラグがある事を問題視していましたが、真相は分かりません。エリクソン以下は順当にスタート出来ましたし、何とも言えませんね。ただ、パワー、そしてペンスキーが不運だという事は確実です。

 

これにてトップに浮上したのがエリクソンでした。2位に琢磨選手。3位にビーケイ、4位にオワードという並びでレース再開を迎えました。今回の琢磨選手は、全体的にスロースタート気味だったのですが、それが今回も炸裂し、4位に後退。最後はエリクソン、ビーケイ、オワードの接戦が繰り広げられました。

結果は、最後までエリクソンが逃げ切り、インディカー初優勝。GP2以来の久々の優勝を果たしました。笑顔の彼を見る事が出来て嬉しいですね。日本で走っていた事もありますし、F1でも走っていましたしで応援していたので、喜びは大きいです。

結果的に、同じ北欧勢のローゼンクビストのクラッシュにより最大の敵だったディクソンが離脱し、そしてグロージャンのクラッシュによる赤旗で今度はパワーが離脱と、ツキがエリクソンに味方をしまくった展開でしたね。グロージャンに関しては、先程挙げたアゼルバイジャンGPでの一件があっただけに、3年越しのツケ払いみたいで不思議な縁を感じます笑

 

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個人的殊勲賞

 

優勝したエリクソンは勿論、2位に入ったビーケイも良かったです。予選12位からの2位フィニッシュは上出来ですね。また、あと一歩のところで表彰台を逃しましたが、琢磨選手も良かったと思います。タイヤに熱が入りにくい分、後半に追い抜きを連発というスロースタートさは気になりましたが、琢磨選手らしいアグレッシブな動きが多く見られて満足です。惜しかったですけどね。また次に期待です。ですが、レイホールのスタッフはちゃんとピット作業の練習をしといて下さい。インディ500からの2戦連続ピットミスですからね。頼みます。

 

そして、不運がありつつも、ちゃっかり8位に帰ってきているディクソンも流石ですね。やっぱりこの人は"強い"ドライバーです。超スプリントレースにて上手く順位を上げていましたからね。やはりチャンピオン筆頭候補はディクソンで決まりでしょう。

 

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まとめ

 

という訳で第7戦の感想でした。3時スタート&赤旗90分という事で寝落ちしながら観戦でしたが、主要な部分は見逃す事なく見られて良かったです。エリクソンを筆頭に良いバトル、展開を見られて楽しいレースでした。インディカーとWヘッダーで開催しているIMSAにて、マグヌッセン(達)が勝ったので、2人が所属するチップガナッ的には最高の土曜日となりましたね。

 

さて、次戦もここデトロイトで、今度は深夜1時スタートですね。リアタイ、出来るかなぁ…。また赤旗選手が登板したら100%寝落ちします笑

 

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