エフライの感想記

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感想《2021 F1 第19戦 サンパウロGP (ブラジルGP)》独壇場ハミルトン。金曜日から話題は彼一人に全集中!

地獄のアメリカ大陸GPの最終戦。その舞台となったのは、インテルラゴスこと「アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ」でした(言いたかっただけ)。予選4時、スプリント予選4時半、決勝2時というアジアのF1ファンを試している時間帯で開催されたこのレースは、幾分かの爽快感と、ある種の絶望感が味わえる大変面白いレースとなりました。

 

これぞ王者

 

今回のレースにて最強最速だったのは、誰がなんと言ってもメルセデスのルイス・ハミルトンだったでしょう。予選でのスーパーラップは速すぎましたね。

短いサーキットで2位に約コンマ4を付ける走りは見ていて末恐ろしく感じましたね。

しかし、本当に荒れるのはここからでした。

なんと、リアウイングが規定から外れていたようで、予選失格の裁定が下ったのです。

この最後尾スタートはスプリント予選に適用されるようで、只でさえPUパーツ交換による5グリッド降格が決まっているハミルトンにとっては泣きっ面に蜂状態でした。

 

そして迎えたスプリント予選。最後尾スタートのハミルトンは、怒涛の追い上げを敢行し、僅か24周の周回数で5位まで順位を回復したのです。正直化け物かと思いましたね。翌日の決勝の為に各車抑えめに走っていたとはいえ、ここまでカムバックしてくるとは…。想像以上でした。

 

更に翌日の決勝。前述の通り5グリッド降格し、10位発進となったハミルトンですが、最後尾から5位まで巻き返した彼にとっては、10位スタートは枷にすらなりませんでしたね。多少のラッキーがあったとはいえ直様4位まで浮上し、SCやVSCも手伝い、フェルスタッペンの真後ろまで一気に順位を上げました。

そして迎えた48周目。事件が起きました。

4コーナーにて外から追い抜こうとしたハミルトンを、フェルスタッペンがコース外に追いやったのです。

止まる気が一切なかったミサイルディフェンスにより順位を守ったフェルスタッペン。これは流石にペナルティ出るかなぁと思ったのですが、なんと運営の判断は審議の必要なし。正直これには呆れましたね。盛り上げを優先した裁定なのでしょうけれど、流石に酷すぎます。

ハミルトンもチクリ。

 

そんなレッドブルに追い風が吹いても諦めないのがハミルトンという男です。もう1度フェルスタッペンに追いつき、そして追い抜きを敢行しました。

このトトのリアクションが印象的ですね。

色々な事がありましたが、一度立った首位の座を譲る事なくトップチェッカーを受けたハミルトン。金曜の予選から日曜の決勝まで、彼一人の話題で持ち切りだったなぁと感じました。

ブラジル国旗を持ってのウィニングランはエモかったですね。

関係ない人と言えばそうですが、凄い画でした。

 

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個人的殊勲賞

 

そんな独り相撲を行ったハミルトンは勿論当確です。

最速ラップをマーク、最後尾から5位、10位から1位の3つを同じ週末にやってのけましたからね。"速さ"という面ではレッドブルに劣る時もありますが"強さ"という面では抜きん出ていますね。今回の結果を持ってランキングも縮まりましたし、あと3戦が楽しみですね。

 

前回開催ではハミルトン相手に大健闘をしたガスリーですが、今回も彼は凄かったですね。予選一発の速さではフェラーリを2台とも喰うと、決勝ではアルピーヌ2台相手に一歩も引かない素晴らしいバトルを展開しました。欲を言えば、スプリント予選でのスタートを失敗しなければフェラーリと良いバトルが出来たのでは…と思いますが、流石にそれは強欲ですね。コンストラクターズランキングを争っているアルピーヌの前でフィニッシュ出来ただけで満点の活躍をしました。

 

また、今週末22才の誕生日を迎えたノリスも良い走りをしましたね。

今週末の彼は、予選8位、スプリント予選6位と、スパの予選から続いていた悪い流れを断ち切るような走りを魅せていました。決勝こそ、スタートして直後にサインツと接触した影響で一時は最後尾まで下がりましたが、SCの恩恵もあり、10位までのカムバックを成し遂げました。本音を言えば、もう少し上の順位でフィニッシュして欲しかったです。しかし、初っ端でパンクチャーというハンデを負った事を考えると最高の結果を残したと思います。次戦以降のリベンジに期待ですね。

 

謎にトロフィーを貰ったライコネンですが、今回も素晴らしいレースを披露しましたね。予選では相方を負かし14位に入ると、フリー走行でもトップ10付近のタイムを記録しており、2戦連続の入賞に大きな期待を寄せました。

しかし、その期待はまさかの相方によって潰されました。

スプリント予選2周目、アロンソを抜いたライコネンは1コーナーにてジョビナッツィと接触してしまったのです。これにてライコネンは最後尾に後退。最終的にハースは攻略したものの18位と入賞を目指すには程遠いスターティンググリッドとなりました。

マシンセッティングを弄り、ピットレーンスタートで挑んだ決勝。ここからライコネンは鬼神の走りを魅せました。といっても、ハミルトンみたいに中継に映るようなド派手な追い抜きを敢行した訳ではありませんが、気がつけば12位フィニッシュと、スタートから8つ順位を上げてレースを終えました。Biggest Moverが9つ浮上のハミルトンだったので、それに次ぐ快挙です。ミックにぶつけられた事なんて彼には影響がなかったみたいですね。良かった良かった。

引退まで残り3戦。元F1王者がどのような有終の美を飾るのか、その目に焼き付けたいと思います。

 

また、明らかにブービーマシンで13位フィニッシュを果たしたラッセルも凄かったですね。特段凄かった部分は分からなかったのですが、予選からウィリアムズが苦戦しているのはハッキリしていました。しかし、そんな状況でジョビナッツィや角田くんを封じ込めての13位ですからね。レース前に予想していた成績より何段も上の成果を残したと言えるでしょう。メルセデスに移籍する前に、大きな遺産を残して行って欲しいですね。

 

今回の個人的殊勲賞は以上の5人ですね。皆さんの次戦での活躍を祈っています。次は初開催のサーキットですしね。このレースでの勢いのままに好成績を残して欲しいものです!

 

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その他

 

ハミルトンの相方であるボッタスですが、正直物足りない感が凄いですね。スプリント予選にて、ソフトスタートを成功させてPPを獲得したのは流石でしたが、決勝ではあまり良いところがありませんでした。VSCのタイミングでペレスをオーバー出来たのは、彼にしては珍しいツイている展開でしたが、早々に第2スティントを諦めるという謎戦略にて上手く活かせませんでした。もう少し戦略がマシならフェルスタッペンに接近出来たのになぁと思います。まぁ仕方ないですね。次戦に期待です。

これには同意。

 

前戦、母国GPにて表彰台を飾ったペレスですが、今回は彼のレースではありませんでしたね。決勝のスタートでボッタスを攻略したのは流石でしたが、VSCのタイミングが彼には逆風でした。レッドブル首脳陣はきっとTsunoda'dだと思った事でしょうね。自分はあまりそう思いませんが。表彰台は乗れませんでしたが、プランFを完遂出来たのは良かったですね。最低限+αの仕事は果たせました。

 

スプリント予選にて3位に入ったサインツのいるフェラーリですが、正直、印象に残らないレースでしたね。ペースが良いサインツが蹴り出しでルクレールに先行を許し、そのままズルズルランデブー走行と、ある種お決まりの展開でした。5位と6位なので悪くはないんですけどね。ただ、特筆する事はないなぁという感じです。次戦辺りでコンストラクターズ3位を確定させたいですね。

 

そのフェラーリとコンストラクターズを争っているマクラーレンですが、前述の通りノリスが10位に入ったもののリカルドはトラブルによりリタイアを強いられました。ポイント圏内を走っていただけに勿体なかったですね。3位獲得は厳しくなりましたが、良いシーズンの締めを行って欲しいものです。

 

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アルピーヌの2人は、フェラーリと同じ感じで「良くも悪くもなく特に目立たなかった」レースを行った印象です。アルファタウリとのコンストラクターズ争いもレース前と後で差が変わらないという着地点に落ち着きましたから、次戦以降のバトルに期待ですね。

 

ガスリーは既に綴ったので割愛するとして、角田くんですが、ちょっと残念なレースでしたね。寸での所でQ3進出を逃すと、ソフトスタートを選んだスプリント予選は大失敗。再びソフトを履き挑んだ決勝ではストロールと接触し、勝負権を失いました。

このインシデントに対して10sペナルティが出たのは正直重すぎると思いますが、ぶっちゃけペナルティが出ようが出まいが大局には関係なかったよう感じます。コンストラクターズ争いの事を考えると、彼の力は必要不可欠なので、次戦以降は頑張って欲しいものです。

 

角田くんと接触したストロール所属するアストンマーチンですが、ぶっちゃけ何でノーポイントで終わったのかが分からないんですよね。ストロールはQ1落ちを喫した時点で厳しいレースになるのは分かっていましたが、ベッテルは何故入賞圏外でチェッカーを受けたのか分かりません。いつの間にノリスらに抜かれたのでしょうか。ちょっと残念でしたね。ストロール共々、次戦以降の巻き返しに期待です。

 

ジョビナッツィ、ラティフィ、ハースは今回も影が薄かったですね。

ジョビナッツィとミックはライコネンと接触したのがハイライトでしたね。後は正直中継にも映らず、黙々と走行を重ねた印象です。ラティフィは予選、スプリント予選でラッセルを負かしたのが印象深いです。決勝ではどうしちゃったんですかね。心配です。マゼピンは、予選終了後涙を流していたのが見所でしょうか。デビュー前と比較し、段々と愛されキャラに落ち着いている気がします。そろそろ走りでも良い意味で印象に残るものが見たいですね。

 

最後にフェルスタッペンですが…

数年前の暴れん坊感が蘇ってきた感じがしますね。予選後、不用意にハミルトンのマシンを触り罰金を喰らうと、

決勝ではハミルトンをコース外に追い出したり、ストレートでウェービングしたり、やりたい放題していました。折角フェルスタッペンに対して寛容な裁定が続いていたのにも関わらず、勿体ないですね。自分が元々フェルスタッペンがそこまで好きでないのもあって、今回のフェルスタッペンは「喝!」って言いたくなる走りでした。

罰金刑は結構ネタにされてしまいましたね。迂闊な行動でした。

ベッテルも割とレース後のマシンを触っている印象ですが、きっと彼はルールに触れないギリギリを攻めているんでしょうね。そこら辺は流石ベッテルです。

フェルスタッペンにはもう一皮剥けて欲しいですね。まだまだハミルトンの壁は厚そうです。

 

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まとめ

 

という訳で第19戦の感想でした。完全にハミルトンの為のレースと言わんばかりの展開で、見ていて楽しかったですね。スプリント予選自体は決勝のネタバレになる微妙な感じですが、今回はハミルトンが盛り上げてくれました。結局、3回のスプリント予選全てでソフトタイヤが正解の選択でしたね。これが来年以降どう繋がるのかワクワクします。

さて、次戦は初開催のカタールです。予選決勝共に23時開始と、随分身体に優しい時間帯になりました。佳境を迎えているタイトル争いがどのような結末を迎えるのか、とても楽しみですね!

 

 

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