エフライの感想記

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感想《シン・ウルトラマン》現代版にリファインされた初代ウルトラマン。"シン"3作品目のその出来や如何に。

新作映画…私の好きな言葉です。

 

という訳で、見てきました。ウルトラマンの新作こと『シン・ウルトラマン』。制作がアナウンスされてから、ずっと公開日が待ち遠しかったですね。

元々自分は、ウルトラマンより仮面ライダー派の人間なのですが、そんな事は関係なし。初代ウルトラマンを現代風にリファインされた作品が一体どのようなものなのか。そんなワクワクする気持ちを胸に劇場に向かいました。

 

最初に結論を言うと、この『シン・ウルトラマン』は、滅茶苦茶楽しめた作品でした。ウルトラマンに関する知識が乏しいものの胸アツな演出が多かったですしね。

例を挙げると、初代の「『ウルトラQ』→『ウルトラマン』」をオマージュした「『シン・ゴジラ』→『シン・ウルトラマン』」のタイトル変更であったり、BGMであったり、その個性を上手く表現した外星人であったり。本当、色々な部分で「おっ!」と思う事があり、とても楽しい約2時間を過ごせました。

他にも、昔の特撮作品らしいワイヤー風のアクション(実際はCG)や、少し古めかしいバンク演出等、世代の人が見れば感涙ものだろうなと思う演出が多数あって満足感が凄かったです。自分は初代を、"尊敬するレジェンド"としてしか知らない世代なのですが、それでもニヤニヤしっぱなしでしたね。

 

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ストーリー面は、『シン・ゴジラ』と同じような政治的な思惑が渦巻くお話となっていました。序盤に『ウルトラQ』に出てきた怪獣の撃退エピソードを挟む事で、vs怪獣(禍威獣)に対して日本がこなれている事を示したのは上手いな、と感じましたね。『シン・ゴジラ』は中々怪獣が出なかった為、「ようやく出てきた」感がある一方、焦らしにヤキモキする気持ちがあったので笑。序盤から程良く禍威獣やウルトラマンが出てきたのは、映画館の巨大スクリーンを大いに活かす名采配だったと思います。

 

ただ、正直、政治的風刺については、『シン・ゴジラ』の方が良かったな、と感じてしまいます。新鮮味の有無というのもあるんでしょうけれど、どうも『シン・ウルトラマン』の政治周りの描写はいま一歩な感じがしました。多分、ウルトラマンや禍威獣、外星人が人智を超えた存在なのと、マルチユニバースやそれに付随する云々が、どうにも一般人の我々が知る現代科学で対応出来なさそうだと実感したのが原因だと思います。

核がどうのこうのとか外交がどうのこうのとか。「ありそうかどうか」と聞かれたら「ありそう」だけれど何か違う。「何処が」というのを上手く言葉に出来ない自分がもどかしいのですが、違和感みたいなものを抱えてしまいました。ウルトラマンが地球を愛する理由が薄いところとか、その最たる例かもしれませんね。

グダグダに外星人と不利な友好関係を結んだり、酷く海外を恐れたり。そんな及び腰の日本(と世界)の何処にウルトラマンは希望を見出したのか。そこら辺りの描写が個人的にはもっと欲しかったです。

 

まぁ無茶なのは分かっているんですけどね。『ウルトラQ』要素、ウルトラマンの活躍、外星人の活躍、ゼットン戦。「『ウルトラマン』とはこういう作品です」を表現するのに必要な要素を、良くここまで綺麗にまとめたなと実感していますし、いちファンとして素直に嬉しいです。

でも、だからこそ、ウルトラマンには「地球人の"ココ"が好きになった」という部分を描いて欲しかったと思ってしまいます。この作品だけを見ると、何かただの良い人に見えますからね、ウルトラマン。勿論、それでも良いんですけれど、もう一歩踏み込んだ理由があったら嬉しかったです。

 

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後は小ネタ的なツッコミなんですけれど、ゾーフィがゼットンを兵器として地球に持ってきた事に関しては、何重にも驚きましたね笑

恐らく元ネタは、誤植の宇宙人ゾーフィでしょうけれど、まぁびっくりしましたね。最初ゾフィーと聞こえましたし空耳かと思いましたけど、キチンと「ゾーフィ」でした。メフィラス星人とのバトルに助太刀に来たかと思えば、地球を滅ぼしにくるとか…。地球人からするととんでもないヤツとして描かれていましたね笑。地球人にゼットンがゾーフィが持ってきたものとバレなくて良かったです。まーた、ウルトラマンが敵扱いになるところでしたから。

 

そしてゼットン。まぁ「『ウルトラマン』に出てくる怪獣と言えば?」に必ず挙がるであろうこの怪獣なので、今作でもラスボスとして出てきれくれて嬉しかったです。でも、あんなに巨大化、しかも兵器として光の星所属になっているとは完全に予想外でした。デカくなるヤツなんて…、アニゴジのメカゴジラみたいですね。あんなデカブツ&生物兵器になっても、ピロロロ音声や「ゼットン…」という鳴き声は健在で良かったです。パーツが展開し、ゼットンになっていく過程の神々しさは、アニゴジのギドラ並でしたね。

 

後、本当に小ネタですけれど、最後らへんのシーンで禍特対が使っていたコップに『魔法少女まどか☆マギカ』のキュゥべえが描かれていたのが妙に記憶に残っています。ザラブ星人やメフィラス星人の事を示唆しているのでしょうか…。制作陣のお茶目な面が垣間見られた1シーンでした。

 

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以上が、『シン・ウルトラマン』の感想でした。

もっと『シン・ゴジラ』的なストーリーに主軸を置いた、良い意味で大人向けな作品なのかな?と思っていたのですが、禍威獣&外星人大量出現、ウルトラマン大暴れと、アクションシーンも多く大変面白い作品でした。ゴジラもゴジラで面白かったですし好きな作品ですが、二番煎じはちょっとな…と思っていたので、方向性が違っていて良かったです。個人的に、オマージュも多すぎという感じはなく程よいさじ加減で入れられていたので、変な違和感なく見る事が出来ました。

自分は『エヴァンゲリオン』を未履修なので何とも言えませんが、"シン"映画の3発目として、良いバトンを繋げたと思います。ゴジラから始まったこの流れが、今後もより良い方向に行くと良いですね!

 

最後に面倒なオタクの小言ですが、このカテゴリーのファンとして、『シン・ウルトラマン』も『シン・ゴジラ』と同じくヒットして欲しい気持ちがあります。ですが、何となくですけれど、ゴジラとウルトラマンでは、大人が映画館に見に行くハードルが結構違うかな…という感じがします。ほぼ映画だけで、シリーズとしても途切れ途切れな前者と、規模はニチアサ組と比較し小さいながらも現役として新作が続けられている後者の差、ですかね。

勝手に自分がそう思っているだけなら良いんですけれど、良くも悪くもコンテンツが継続している以上、ウルトラマンのターゲットが子供に向いているのは正直否めません。ゴジラのターゲットは良い意味で定まっていませんからね(だからこそヒットと凡打の差が激しい)

いちファンとして、「良かったよ!見に行って損ないよ!」と発信する事しか出来ないのがもどかしいですが、ヒットする事を願いつつ、近い将来公開される『シン・仮面ライダー』に期待して日々を過ごしていこうと思います。

 

 

 

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