エフライの感想記

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感想《映画 五等分の花嫁》遂にアニメでも完結!2期で見られた生き急ぎ感は相変わらずでちょっと残念…

見てきました、劇場版『五等分の花嫁』。自分はアニメ1期でこの作品の事を知り、原作漫画を揃えるほどハマりました。イベントに行ったり、物語後半はマガポケで最新話を読んだりしていましたしね。それくらい好きな作品です。

そんな『五等分の花嫁』の完結編が映画でやると聞いて、「これは見に行かないと!」と公開日を今か今かと待ち望んでいました。都合が合わず公開初日に行けなかった為、入場者特典を手に入れられませんでしたが、そんな事は些細な事。それよりも「どう映像化するんだろう…?」と、色々と考えながら座席に向かいました。

アニメ1期は作画の安定度が低かったもののお話は良く出来ており、2期はまさにその反対。作画、演出はパワーアップしている反面、駆け足感が否めませんでした。個人的に、「攻略開始」の二乃のバイクでの告白や「、スクランブルエッグ」の三玖の「当たり」を筆頭に、もっと"溜め"が欲しかったんですよね。そこが2期で物足りなかったポイントだったので、劇場版はどうなるのかと少々不安視していました。

 

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以下、ネタバレ含めた感想を綴っていきます。

先ず良かった点を挙げると、演出面ですね。映画館の巨大スクリーンに負けないよう、決めるところはしっかり決めてきた感じがしました。特に、最後の四葉と風太郎のやり取りには、制作陣の熱意が溢れていましたね。四葉の暗い過去のシーン、そしてその後の風太郎と結ばれる流れは、正直漫画以上に惹かれるものになっていました。見ているこっちが小っ恥ずかしくなる程、甘酸っぱいラブコメのエンディングでしたね。自分は、三玖がイチ推し、次点で五月推しですが、そんな自分でも「良かった…」となる最終盤でした。原作内容を知っててこう感じるんですから、やっぱりプロは凄いですね。

 

次に、文化祭(日の出祭)の最後の方で、原作と同じく「最後の祭りが〇〇の場合」をやってくれた事です。これは素直に嬉しかったです。2期での「最後の試験が〇〇の場合」は尺の都合で時系列順に流されたのもあって、テロップが出た時は感嘆ものでした。3日間あった文化祭で、夫々どんな事があったのかが段々と分かっていく流れが好きだったので、見られて良かったです。そこをすっ飛ばして四葉ルートに入っても違和感ないですからね。それでもしっかりその他4人の見せ場をじっくり描写して頂いて感謝、感謝です。

 

3点目に、文化祭のオープニングアクトでの二乃のパフォーマンスが見られた事を挙げます。確か原作漫画では、嫌々というか「何で私が…」みたいな感じで踊っていましたが、アニメではノリノリで歌っている彼女を見る事が出来ました。細かいところですが、映像化する際に期待していたポイントなので、変にカットされる事なく見られて嬉しかったです。

 

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ここまで良い点を挙げて来ましたが、次からは個人的に感じた残念なポイントを綴っていきます。

ぶっちゃけ2期の時から感じていた事ですが、「いくら何でも駆け足すぎる」。これに尽きます。オープニングの間にプール回を終わらせる力技を披露すると、上映約1時間で文化祭のところまで行きました。2期は「シスターズウォー」の修学旅行までしかやっていませんでしたからね。原作勢にはどれだけ生き急いでいたか分かると思います。

補足しておくと、この『五等分の花嫁』は全14巻の作品でした。その内、劇場版までに消化していたのは10巻。つまり、大体2時間の上映時間で4巻分、割合で換算すると約3分の1を描写する必要があったのです。まぁそりゃカットしまくるよ…って感じですよね。パンフレットの神保昌登監督へのインタビューに、「最初は90分の予定だったけど、尺を伸ばすよう打診した」という記載があります。この打診は監督の英断だと思いますし、良くも2時間でお話が破綻しないよう纏めたと制作陣には脱帽です。

ですが、それとこれとは話が別。いくら何でも無茶振りだったと、劇場版を見て改めて感じました。今回脚本を担当された大知慶一郎さんへのインタビューにて、アニメ2期が決まった時点で、アニメ1クール+映画という事を聞いていたという発言があります。これを決めたのが何処の誰かは存じ上げませんが、何で行けると思ったか聞いてみたいですね。

 

後半の文化祭、もっと言うと「最後の祭りが〇〇の場合」に尺を割いた事で、それまでの描写が御座なりになった感じがしました。具体的には、三玖が専門学校への進学を風太郎に伝えるシーンとか、五月がタメ語で風太郎へ感謝を伝えるシーンとか。原作漫画での見開きページのインパクトに到底及ばなかったなぁ…と残念に思いました。このポイントは、この記事の最初の方に綴った、二乃のバイクでの告白や三玖の「当たり」と同じ感じですね。予定調和感というか何というか。原作での衝撃があまりにも凄く今でも忘れられないだけに、物足りなさを感じました。そう言えば、二乃の断髪も2期でしたっけ。あの盛り上がりを、映像化した際でも見たかったのですが…。仕方ないとは言え残念です。

 

また、文化祭も文化祭で最後以外はパパッと進んだ為、五つ子の実父である無堂のヤバさとか、風太郎の幼馴染である竹林の存在意義が原作より伝わって来なかったのも残念ポイントでした。無堂にはもっとネットリとした嫌らしさを、竹林にはもっと底の計り知れなさを醸し出して欲しかったんですけどね。原作でも駆け足気味な部分だっただけに、爆走で完結まで走り抜けるアニメでは、より一層味気なさを感じました。

 

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という訳で『劇場版 五等分の花嫁』の感想でした。

この作品を一言で表すなら、「演出は良かったけど、尺が短すぎる!」ですかね。最後の締める部分は、時間をたっぷり使った事が幸いし、幸せオーラ全開で良かっただけに、そこに行き着くまでの道のりがショートカットしまくりで物足りなさを感じました。まぁ良くも悪くも2期と同じ感じ、と形容するのが妥当だと思います。

勿論、勝手に期待する方が悪いっていうのは分かっているんですけどね。ただ、漫画の演出が良かっただけに、見開きページのシーンの度に肩透かしを喰らったのは、残念でなりませんでした。それが今回の劇場版だけだったらまぁ良かったんですけどね。2期から継続して物足りなさを感じただけに、もったいなさを感じます。

もう少し…出来ればもう1クールから2クール分尺があれば、アニメとしてももっと良い作品になったと今でも信じて疑っていないだけに、ここまで生き急いで完結まで作った事に疑問を抱いてしまいます。

 

とは言いつつ、最後までアニメ化されない作品が大多数を占めているだけに、この作品は最上級に恵まれていると言えるでしょう。しかも、アニメ1期から原作の完結、そして2期に劇場版という映像化の完結までという、美味しい部分を余す事なく味わえましたしね。なので、「この作品に出会えて良かった。最後まで付き添う事が出来て良かった」とポジティブに捉える事にします。そうしないと、それこそ勿体ないですしね。

 

さて、来月には『からかい上手の高木さん』の、再来月には『ゆるキャン△』の映画が控えています。好きな作品を映画館の大きいスクリーンで見られる事に幸せを感じつつ過ごしていきたいと思います。

 

 

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