エフライの感想記

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感想《かぐや様は告らせたい ファーストキッスは終わらない》ウルトラロマンティックでない"普通"のラブコメディ。かぐや様、遂に銀幕デビュー!

つい先日、原作最終巻が発売された『かぐや様は告らせたい』。19年の冬クールから放送されたアニメも人気を博し、20年春クールの2期、22年春クールの3期を経て遂に劇場版まで辿り着きました。

自分はアニメからこの作品を知ったのですが、毎話毎話楽しく視聴していので、映画館で見られる天才たちの恋愛頭脳戦(?)に心が踊っていましたね笑。諸々の都合で公開初日に行けませんでしたが、入場者特典も無事手に入り一安心。未だにアルトマーレのラティアスを逃したのがトラウマになっています…

思ったよりも大きくてビックリした色紙風の入場者特典。

本編開始前のデフォルト状態兼今回の主役な「氷のかぐや姫」、幼児退行状態の「かぐやちゃん」、我々が良く知る「ノーマル四宮かぐや」と、3人のかぐやが描かれた代物となっています。

因みに、もう1つの特典であるシールでは、千花とミコのWヒロインが出ましたよ。これでメイン格の女性キャラコンプリートですね。よっしゃ。

 

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さて、そろそろ内容に入っていきます。

今回のお話は、原作漫画で言うところの15巻に当たる、文化祭(奉心祭)のその後が描かれたストーリーが展開されました。原作ファンの方々にとっては既知の話だったのかもしれませんが、自分は映像化作品しか現状触れていない為、あのウルトラロマンティックな3期最後からどのように話が進むのかワクワクもんでしたね。

 

3期ラストにて、遂にキスを交わした会長とかぐや。そこから見ているこっちが恥ずかしくなるようなラブコメが始まる――。訳ないんですよね。これが。だってそれが『かぐや様は告らせたい』ですから。

のっけから「如何わしい」を連呼する石上と白銀のやり取りや、神ってる(隠語)を連呼する早坂とかぐやの会話から始まった今作は、「好きな人に対してペルソナを被るか破るか」という事に焦点を当てたお話となっていました。かぐやの出自や1期辺りで見られた恋愛頭脳戦からは考えられない、非常に身近な話題に落とし込んできましたね。3期ラストの一件からかぐや、白銀共に現状の関係に悩み、何処まで"素"を見せるか。そして相手はどう思っているのか苦悩する。そんなヘビーな要素を孕んだストーリーでした。

とは言いつつ、シリアス一辺倒で進むのではなく『かぐや様』らしいギャグや演出が多かった為、必要以上に気分が沈む事なく鑑賞する事が出来ました。この辺の匙加減は流石『かぐや様』ですね。本筋を大切にしつつ、適度におふざけを入れる。この点がこの作品の好きなところなんですよね。

 

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今回の2人のすれ違いは、ぶっちゃけ四宮家の教育方針が原因だと思います。そのせいで世間からかけ離れた知識を持っていたかぐやは、あの感動的なキスシーンにて「大人なキッス」をしていた事が物語冒頭で判明しました。それはもうね…、凄いとしか言えません笑。そりゃ白銀は今後の対応に苦悩するよな…と思うと同時に、「早坂からの指摘を受け柏木に相談→結果爆死するかぐや」という流れで「この作品は面白くなる」と感じました。世間知らずのお嬢様が良く陥るお約束の展開ですが、テンポや演出が良かったので、滅茶苦茶笑えましたね笑。

 

大恥をかいた後、脳内会議を経て本当の自分(性格が悪い自分)を知ってもらおうと「氷のかぐや姫」状態になるかぐや。相手の不完全なところを知りたいがために自らのペルソナを剥がす事を選択したのです。

「かぐやちゃん」状態の幼い感じも可愛かったですが、周囲を拒絶する感じの氷姫状態もそれはそれで魅力的なキャラでしたね。また、氷姫状態と言いつつも、生徒会の面々との交流や白銀への恋心により多少融氷していたのが人間的な変化を感じられて、とても印象的です。そんな崩壊寸前の鉄仮面状態で、白銀からのキッスを求めアレコレ策を練っているのは、いわゆるギャップ萌え的な何かを感じました笑。ツンデレ要素多めな高飛車なかぐやもそれはそれでアリ。

 

一方、熱心なかぐやからのアプローチに気づかない鈍感さを魅せた白銀はというと、3期のあの一件から、余計に好きな人には格好つけたい、完璧でありたいと気張ようになり、自分を追い詰めて精神的に消耗しきっていました。だから周囲(主にかぐやのアプローチ)にまで気が回らなかったという訳ですね。勉学一筋でかぐやに並び立ったと思っている白銀は、彼女に釣り合うような存在になれるよう、かぐやとは正反対な行動、つまり仮面を被る事を決断。これが余計に2人の仲がこじれる事となりました。

この辺り、双方どちらの考えも理解出来るので、何とも言えないもどかしさを感じてしまいます。「白銀の自己肯定感がもっと高ければ…」、「かぐやがもっと素直ならば…」と思ってしまいますね。まぁ2人がもっと素直なら恋愛頭脳戦なんて起こらないんですけど笑

 

紆余曲折ありつつ、最終的には早坂や藤原のアシスト等々が功を奏し、薄暗い住宅街の公園という普通な場所で2人は本音を曝け出し再びキッスする事が出来ました。3期のウルトラロマンティックと対照的な庶民的な感じが良いですよね。庶民派な白銀がウルトラロマンティックを作り上げた一方、お嬢様育ちのかぐやが普通を望む。この正反対な感じが、こう自分の中の「ここが好き!ポイント」にズキズキ刺さります。

また、この時の「この先きっと何度も初めての貴方を見るだろう。その度に私は初めてのキスをする(うろ覚えの意訳)」というかぐやのセリフも美しいですよね。サブタイトルにもかかっていますし、いくつもペルソナを持っている人間らしさを上手く表現した絶妙な発言です。まだまだ立ち向かうべき壁は幾つもありますが、きっとこの2人なら大丈夫だろう。そう感じさせる公園でのシーンでした。

 

最後、作中時間12/27に行われた2人のお台場デートでは、かぐやが制服で白銀が私服という何時もとは反対の服装だったのは面白かったですね。個人的には、約1ヶ月前にお台場に聖地巡礼したのもあって、アクアシティが映った時はビックリしました。虹ヶ咲の聖地巡礼に行ったと思っていたら、実は先行して映画かぐや様の聖地巡礼に行っていたとは…。凄い偶然です。

 

今作では、これまで以上にかぐやと白銀の描写に注力していました。その為、石上を筆頭に主人公2人以外の活躍は最低限に抑えられた印象です。まぁとは言いつつ、最低限はあったので、そこでの不満は特に感じませんでした。石上とつばめ先輩は何かあったような描写が一瞬ありましたし、石上に心を許しつつあるミコや相変わらず気苦労の絶えない早坂等、各キャラの動きは把握出来ましたしね。贅沢を言うなら、もう少し圭の出番を増やして欲しかったというくらいですかね。それでも、僅かな出番で「かぐやに憧れる圭」を見られたので良かったですけれど笑。

 

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という訳で『かぐや様は告らせたい ファーストキッスは終わらない』の感想でした。

当たり前とは言え、文化祭後の12/20からクリスマスまでを描いた作品なので、石上考案の「しねしねビーム」を打ちたくなってしまう程、リア充に満ちたお話となっていました。ストーリーは勿論の事、作画や演出も素晴らしいものだったので、満足感の高い作品だったと感じています。楽曲も、アニソン界の"永遠の"大型新人こと鈴木雅之さんに加え、halcaさん、鈴木愛理さんとこれまでの『かぐや様』を支えた布陣ですし、その輪につい最近結婚を発表した、ももクロの高城れにさんが加入していますからね。間違いありません。

 

唯一の不満点と言うと、900円のパンフレットが14pとペラッペラな事くらいですかね。インタビューも簡易的なものだったので、正直「これで900円か…」と思いました。もう少しくらい厚くて内容が濃かったらこの値段も納得なんですけどね。まぁ入場者特典が豪華でしたし差し引きプラスマイナスゼロって感じです。↓

さて、早いもので現実の世界でもそろそろクリスマス、そして年越しを迎えます。今年1年を振り返りつつ、来たる23年の映画作品を楽しみにしたいですね。

 

 

 

 

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(2期や3期の感想も書かないとなぁ…)