エフライの感想記

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感想《グリッドマン ユニバース》祐太が六花へ想いを伝える。ただ、それだけの物語。クロスオーバーってやっぱ良いなぁ…

TV本編があったのが2018年の秋クール。続編に当たる『SSSS.DYNAZENON』が2021年の春クール。そして迎えた2023年春、遂にグリッドマンが銀幕デビューを果たしました(総集編は除く)

アニメ版が放送された時、『電光超人』は存在だけ知っているという状態だった自分ですら結構感慨深いものがありますから、特撮版を視聴していた人はもっとエモい気持ちになっていた事でしょう。正直、少し羨ましいですね笑。まぁ当時はまだ生まれていなかったので仕方ありませんが。

 

今回のお話は『SSSS.GRIDMAN』と『SSSS.DYNAZENON』のクロスオーバー作品な為、とにかくド派手なバトルに期待していました。主人公機の共演は勿論、いわゆる劇場版フォームといったサプライズが絶対あるだろうと、ワクワクしながら劇場に向かいましたね笑。お話面では、予告でもあった祐太と六花がくっつくかという点が焦点でした。TVアニメでもこの2人の関係性の変化が個人的に好きだったので、そこがフューチャーされる事に嬉しさを感じました。

さて、以下ネタバレ感想となります。一応、念の為。

 

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予告やあらすじから分かっていましたが、やはり「グリッドマンの世界にダイナゼノン組がお邪魔する」という構図でしたね。特段それ自体どうこう言うつもりは無いですが、どちらが先輩なのか分からなくなったのが個人的にツボでした。クロスオーバー作品では、先輩が後輩の世界にお邪魔するのが自分の中で通例となっているのが原因でしょうか。特に仮面ライダーやウルトラマンはその流れが顕著ですしね。

 

さて、今回のお話はぶっちゃけ「祐太が六花に告白する」この1点に尽きます。

予告でこの事について祐太が内海に相談するシーンがありましたが、本当にこの告白云々が物語の主軸となりました。ざっくり要約すると「グリッドマンに憑依された2ヶ月間の記憶はやはり戻っておらず、告白のタイミングを完全に逃した祐太。内海からのアドバイスにより、学園祭後に告白しようと決心するも、居なくなった筈の怪獣が再び現れて…?」という感じですね。

本作の祐太はグリッドマン騒動の事を実質経験していない為、六花たち周囲のキャラに比べて幼さが現れていたのが印象的です。声もどことなく幼さを感じ、後輩であるはずの蓬の方が先輩のように映りました。まぁこの辺は戦闘経験の有無に加え、祐太と六花がまだ恋仲になっていない一方、蓬と夢芽が既に恋仲になっていたのも要因な気がしますが…笑

 

話を祐太に戻すと、そんな未熟感のある彼が、今度は意識を持ったままグリッドマンらと共に戦い、学園祭を成功させ、そして六花へ想いを伝える。そういった青春もののような本筋が今作の流れでした。なので、蓬達『SSSS.DYNAZENON』組らは本筋に関わっていません。そりゃ共闘したり夫々やり取りがありましたけどね。でも基本的には彼らが居なくても成立したお話でした。

まぁその辺りはお祭り映画だからこそ、って感じですよね。絶対必要かと言われると「う〜ん」ですけど、要らないかと言われればそうでない。そんな絶妙なさじ加減での活躍だったと思います。兎にも角にも祐太は記憶喪失で未熟。一方蓬はキチンと戦闘時の記憶を有している。この差がある為、成長の伸びしろは先輩である祐太の方があるんですよね。複雑な感じですが、面白いポイントです。

 

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物語の主題は告白だと記載しましたが、もう1つあるとすれば「不完全なヒーロー、グリッドマン」だと思います。というのも、ある意味今回の怪獣大出現の要因はグリッドマンにありますからね。勿論、彼が悪いという訳ではないですけれど。

今作のグリッドマンはラスボスとの戦闘の最中、自身を弱いとはっきりと言葉にしました。ヒーローとして珍しいですよね。何となく、虚勢を張ってでも「俺は強い!」と宣言するのがヒーローな気がします。

それでも彼は自身の弱さを認め、それを受け入れながら戦う事を選択しました。同時期公開の『仮面ライダー』(初代)は孤独なヒーローとして描かれますが、グリッドマンには頼れる仲間が居ますからね。勿論、どっちが良い悪いという話ではありませんが、頼れる仲間に頼るのも、ある種の強さだと思います。今作を通じてグリッドマン同盟の面々もグリッドマンの頼れる仲間になりましたし、次に何か異変が起こっても彼らなら大丈夫でしょう。祐太達がグリッドマンの対等な仲間としてなれたのが今作だったと思います。

 

さて、では今作に登場したキャラについて徒然綴っていきます。祐太やグリッドマンは勿論のこと、両作品のその後が見られた、という点でもこの作品は素晴らしいと思います。

先ず、全体的に再会系のシーンが良かったですよね。特に筆頭候補はガウマさんでしょう。生死が心配された彼ですが、やはり生きていましたね。ダイナレックスに転生というか、そちらに魂を移して生存していました。そして新世紀中学生としてゴルドバーンと共に、キャリバーさんらの仲間に加入し怪獣退治に勤しんでいるようです。夢芽の「なんとかビーム」を踏襲していたり、祐太ら初対面組との距離感が相変わらずだったりと、変わっているようで「知っているガウマさん」を見られたので嬉しかったですね。

個人的にイチオシポイントは、蓬とのやり取りですね。勿論、姫との再会も良いものでしたが、視聴者的には積み重ねがある分、蓬かな…という感じです。全体的に成長し切って頼りがいのある蓬がガウマの前では弟感満載なのが良かったですね。あの立花家でのやり取りはこころに来るものがありました。本編での別れ方を思うと、再会出来て良かったですし、今後に期待を持てる別れ方で安心しました。

 

そしてシークレットキャラとして登場したアカネですね。

今回は六花たちとは次元の違う世界から、ある意味神様としてアレクシスを使役し祐太やグリッドマンを救うファインプレーをしました。人気キャラですし、登場するだろうとは思っていましたが、ガッツリ3次元のアカネも描写し、そして戦闘にも介入するとは予想外でした。ここらは特撮版が原点の『グリッドマン』だからこそ出来る技ですね。

特筆すべき彼女の再会シーンは、やはりアンチ君とのものでしょう。本編では失敗作だのなんだの罵りつつ最後は救われた経緯を持つアカネとアンチ。こちらも前述のガウマと蓬よろしく多くを語りませんでしたが、それでも十二分に察する事が出来る、良い再会シーンでした。髪をクシャッとして少年時代(?)のアンチの髪型っぽくしたのは、こちらを感傷的な気分にさせるのに一役買いました。

一方、六花との再会らしき再会はありませんでした。去る前にアカネがサラッと六花の肩に触れた程度で留まる程度でしたね。でも、2人はこれだから良いんですよ。六花も言っていましたが、この2人はアンチと違って面と向かわない方が映える。さじ加減が絶妙でお見事。

 

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後は再会系ではないですが、ちらほらと各キャラの感想について綴ります。

先ずグリッドマン組。一番胸アツだったのは新世紀中学生が登場した時ですね。特にボラーの「会いたかっただろ?(意訳)」には痺れました。自分も内海になったような感覚がありましたね笑。

また、なみこ とはっすの2人組が本編より登場シーンが多かった感じがします。中の人が凄いとはいえ、ここまで出番があるとは思いませんでしたね。蓬達をすんなり受け入れてて適応力の高さにやられました笑。後、これはパンフレットの小ネタですが、鬼頭明里さんの代表出演作に虹ヶ咲の近江彼方が居たのが良いですね…。勿論、三森すずこさんの紹介欄には園田海未が居ました。良き良き。

そうそう、本作では学園祭が大きなイベントとして据えられていましたが、『SSSS.DYNAZENON』も最後は学祭だったことを踏まえると、意図的なようで何処となく嬉しいですね。

 

メインヒロインだった六花は、ブランコのシーンや告白のシーンなど魅せ場が多かった印象です。特にブランコから落下した後の髪が乱れて怒りを露わにしたシーンは六花らしくなくて良かったです。総集編では活躍がナーフされていましたが、今作では大いに活躍しました。六花派の自分的には満足です。大学生との兄云々については、視聴者側には六花母が早々にネタバレしていましたね笑。その分、勘違いで絶望する祐太を楽しめたので良かったです。

 

最後に祐太ですね。

既に色々綴りましたが、何だかんだで主人公なんだな、と感じました。グリッドマンへの変身も、対六花に対しても。決めるべきところでしっかり決めていた印象です。後、世界の違和感を認識した際、バレーボールが割って入ったのが印象的ですね。映画内の初っ端で鼻血を出したのもバレーボールが起因ですし、TVアニメ本編でも第1話で問川がパンを吹っ飛ばしたのもバレーボールでした。そういう意味では祐太とバレーボールは切っても切れない縁なのでしょう。彼には災難しか起こりませんが。

 

 

そしてダイナゼノン組です。

先ず無職先輩が無職になってて笑ってしまいましたね。命の恩人と、恩着せがましく就職したはずですが…。まぁ生きているのなら大丈夫でしょう。目が見える髪型に変わっていたのは良かったです。ゴルドバーンのやり取りが少なかったのが少し残念でしたが、今回のちせはガウマがレックス化した事でダイナゼノンに乗り込む事が出来たので差し引きプラスですね。

 

夢芽に関しては、蓬の影響もあるのか明るい性格になっていましたね。これは良き変化。最後の赤面シーンは勿論の事、蓬をヒーローかのように迎えたシーンも見どころでした。後、六花に対して堂々と蓬と付き合っていると言っていたのも印象的ですし、別れのシーンで六花にエールを送り、蓬とまだ恋仲になっていない2人を笑っていたのも記憶に新しいです。帰宅してからTVアニメ序盤を見返したのですが、とても約束ドタキャン野郎とは思えない程の変わりようです。南さん係、やるやんけ…

というか、夢芽は結局蓬の告白を受け入れたんですね。いや、まぁあの学祭のやり取りを見てフラレたとは思えませんが、一応、TVアニメ本編では匂わす程度で終わっていましたからね。そのシーンの映像化…無理ですか??

 

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戦闘シーンに移ります。

まぁ兎に角ド派手で大迫力でしたね。ミニチュア感も健在ですし、既存形態、劇場版限定形態余す事なく登場していました。そもそもの変身シーンで祐太とグリッドマンが一心同体の演出や蓬の怪獣使いとしての活躍等、色々特別感が満載でしたね。

TVアニメラスボスのアレクシスとの共闘も激アツですし、合体&合体&合体もロマンがあってめっちゃ好き。こういう戦闘シーンは映画館のスクリーンや音響が映えますよね。日常シーンでは中々流れないBGMも戦闘シーンではマシマシに使いますし、気分が否応にも上がってしまいます。OP曲の連続使用は反則ですよね…

 

それにしても今回のラスボスは、良く分からなかったですね。祐太に対して引け目を感じていたグリッドマンに付け入り悪事を働いた今回の敵。このボスは、アレクシスが言うに、意思を持ったように見える自然災害みたいな奴なんですよね。でもそこが個人的には分からないんですよね。意思持たないならグリッドマン吸収しようぜ!とならない気がするんですよ。

まぁ鑑賞中はこういう気持ちを持つ事なく、帰宅中に「???」となった訳ですが。

更に良く分からないのがもう1つあります。それは、ラスボスに良いように使われ、体内に宇宙を宿されたグリッドマンが、身体の形をグリッドマンの形にする事でSOSを送る事に成功…という点なんですよね。書いててなんですが、結構謎。だいぶ謎。「宇宙がグリッドマンの形になってる!」なんて物凄いパワーワードですよ本当。何処までの宇宙がグリッドマンの体内に入ったのか。そもそも今回のボスは何をしたかったのか。この辺が明らかになっていない(or見落とした)のがモヤモヤする点なんですよね…

 

ですが、そんな小難しい事は横に置いておける程、グリッドマンたちは格好良かったです。新フォームは敵を攻撃すると同時にフィクサービームを撃っていましたし、汎用性の塊だと感じました。今後、登場する敵はこれに対抗しないといけない訳ですから大変です。

 

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という訳で『グリッドマン ユニバース』の感想でした。

色々と綴りましたが纏めるなら、

大迫力の戦闘シーン!!感傷的な各キャラの再会!!祐太と六花のTHE・青春感!!最高!!!

と言った具合でしょうか。グリッドマンユニバース関連は話が複雑ですし敵もぶっちゃけ良く分かりません。ですが、それを補って余りある程のパワーを持った作品でした。正に「見たいものが見れた」。そんな作品でしたね。

続編とかあるんですかね?その気になれば幾らでも作れそうですが、こればっかりは商売のお話なので何とも言えないですよね…。新キャラを主軸にしたお話でも良いですし、祐太や蓬が活躍するお話でも勿論構いません。どうか、この『グリッドマン』の灯火が消えない事をイチファンとして願っています…

 

 

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