さぁ、最後の実験を始めようか…
遂にビルド単独の映画が公開された。
時期的にもうすぐ最終回というところで上映開始されるため、作品によってアプローチが異なるのが面白い。
前作のエグゼイドは後日談として制作され、話題になったのがまだ記憶に新しい。
ビルドはWや電王と同じく本編の間の話として公開された。
45話と46話の間の出来事だと公式で明言されている。
本編では容赦なく不穏要素全開だが、映画ではどうなるか、非常に気になっていた。
終わってみると、スカッとはしないけど実にビルドらしい物語だったなと思える。
ビルドの特徴として、過剰なギャグではなくクスッと笑えるのが多いという事が多くあるが、今回もそれが多く見られた。
物語が佳境に入ってから主に幻徳のTシャツ芸か一海のアイドルヲタ芸しかなかったからとても懐かしく感じた。
個人的に「ビルドが市民から追われている時に犬に夢中になり、写メってる時にバレる」という事と、捕まった一海と幻徳のベルトを謎に持っていた内海の土下座指示と速攻従う幻徳の2つがお気に入りのギャグだ。
映画が始まる前、予告であった市民に追われるシーンはどのようにして起こったのか気になっていた。
実際は、新首相となったブラッド族3人が催眠術のようなものをかけて「殲滅!」とコールしながらビルドを倒しに行くというものだった。
映画館の殲滅コールはファイズのオーガコールを思い出すほどの衝撃だった。
このシーンだけで映画館まで足を運んで正解だったなと思った。
そのほかに、映画のゲストキャラが凄い魅力的な人物だった。
北都の女首相の才賀涼香。
「カニのくせに強い」という特撮のお決まり(?)に反するものだったが、セクシーお姉さんとしてこの物語に華を添えてくれた。
序盤に一海と幻徳を手玉に取っていたのが印象深い。
関西弁の郷原光臣。
特にバフのかかっていない万丈に押されてて、3人の中で唯一「強い」というイメージがなかった彼。
それでも、万丈の彼女、香澄をスマッシュにしたという衝撃的な事があったので影がうすいとは思わなかった。
そして、今回のボス、伊能賢剛。
葛城の上司だったのは個人的に意外だった。
公開前に変身ポーズなしという事が判明しており、少し残念な気分になったのだが、映画を見ると、別にポーズがなくても充分強敵オーラが出ているなと思った。
特撮に出演して下さるベテラン俳優の方々は威厳があり、立っているだけで威圧感というものがあるのが特徴だ。
勝村氏(伊能も)例に漏れず、生身の段階でで強キャラだと分かるのは流石の演技だと思った。
今回の新ライダー、ブラッド。
変身で万丈含め皆んなが吸収されたのが怖く、何かの伏線かな、と思ったが特にその事になにも言及が無かったのがちょっと残念。
強さはビルドを圧倒するもので、映画の敵ライダーとして申し分なかったと思う。
そして、今回の目玉であるクローズビルド。
Are you ready?
ダメです!
丁度、先週の本編で「Are you ready?」からの一海の「出来てるよ…」を聞いていたため、まさかここでもベルト音に返事するとは思わなかったが、印象に残る変身シーンだったように思う。
ジーニアスボトルと融合した事から現状、ビルドの最強フォームといっても良いだろう。
ブラッドとの戦闘も初めは息が合わなかったが挑発されてから息ぴったしになったのは2人らしくて良かった。
必殺技も平ジェネから言っていたラブアンドピースを名前に取り入れるなどビルド集大成の感じがプンプンしてとても熱いシーンだった。
ただ、個人的に残念なところもない事はない。それは、変身後にわちゃわちゃした事だ。
勿論、単独でそれをやるなら面白く良いと思うが、数分前にルパントリコロールでそれを見ているため、完全に同じ事を2度見せられることとなり、少し盛り上がりに欠けた気がする。
ブラッドやクローズビルドだけでなく、今回はサブライダーにも活躍が与えられたいたように思う。
一海と幻徳の土下座やりとりはギャグだから流すとしても、ゼブラロストスマッシュやシザースロストスマッシュを倒したのは個人的に嬉しかったポイントだ。
特に、一回負けてから勝つという王道展開なため、より燃えて見る事ができた。
最近最強フォームとしては株が下がりまくっているジーニアスもテレビ本編では見られなかったボトルの力を用いた戦闘を披露し、戦績はともかく、ようやく最終フォームらしい活躍が出来たと思う。
変身前の活躍というと、市民に戦兎が追っかけられている時に身体を張ったシーンが印象深い。
少し悪い意味で気になるシーンもあったものの総評としては面白い出来だった今作品。
サブタイトルになってた主題歌「Be The One」の意味がまさか2人で1人の仮面ライダーを表しているのは思わなかった。
さらに、この曲は戦闘シーンでは流れなかったものの、戦兎と葛城の会話の中でオルゴールver.のBGMとして使われたのは感動した。
個人的に上堀内監督の演出が好きなため、そういう面でも面白かった。
ただ、平ジェネでも見られた盛り上がる変身シーンでの変身音カット(前回はハイパームテキ、今回はジーニアス)が残念なポイントだった。
それでも、非常に面白かった作品な事には変わらない。
戦兎の万丈を思いやる気持ちが溢れ出たシーンは思わず涙が流れてしまった程だ。
既にクランクアップしている本編。
この間始まったかと思えばあっという間に最終盤なのが自分でも驚きである。
早く、続きが見たいのだが、あいにく、関西では来週もビルドはお休み。
とてももどかしいが、戦兎達の地球は果たしてどうなるのか、クライマックスまで目が離せない。
(おまけ)
ジオウが遂にお披露目。
ハートやグレムリン、ロードバロン達がモブ怪人となって戦っている採石場での登場だった。
当然、この段階でどのようなストーリーになるか分からないが、歴代のライダー達が関わって行くのは事実だろう。
どんな展開を見せてくれるのかとても楽しみだ。