三部作で作られたアニメゴジラの最終作、『GODZILLA 星を喰う者』。
終わってまず、
なんて胸が締め付けられる映画だ…と感じた。
本当に予想外な事が起こりに起こりまくって頭の整理がイマイチ出来ていない。
それほど色々なことが起こったのだ。
タイトルにある『星を喰う者』の正体はギドラ
。2作目でメトフェウスがハルオに耳打ちしていた怪獣だ。
アニメゴジラの世界線ではギドラというのはエクシフが信仰する神であり、文明を破壊するものだと表現されている。
その為なのか、ギドラ降臨シーンは自分の言葉では神々しいと表現するしかないほど素晴らしいもので、エクシフ達が崇拝する気持ちも分からなくもない。
また、ギドラは(あくまで博士の仮説だが)別宇宙にいるやつで、この世界の物理法則が通用しないというチート性能な怪獣だった。
どういう事かというと、向こうはこちらに干渉できるのにこっちから向こうの攻撃は無効というものだ。末恐ろしすぎる…
ギドラは、最初、宇宙船の人間を宇宙船ごと喰い、その後エクシフ教に入信した地球にいる人を喰い、そして地球を喰い尽こそうという勢いでゴジラに襲いかかった。
宇宙船を襲っている時にオペレーターが言った「40秒前に死んでいる…!?」というセリフは個人的に印象的に残っているセリフ。
藁をもすがる思いで出発した宇宙船のあっけなく儚い終わり方だった。
宇宙船をいとも簡単に破壊するチート野郎には過去最強サイズのゴジラでも苦戦は必須。
2連続ビームという販促技を出すものの屈折して当たらなかった。
この時の演出は凄いお気に入りで、上記のギドラ登場、後述するモスラ登場、そしてOPと並ぶ好きなシーンだ。
ここまで褒めちぎっているギドラ関連だが、個人的に残念なところがある。
それは、ギドラからゴジラへの攻撃は噛み付いているだけで、それ以上の事はしなかったからだ。それどころか、登場したのは首までで、胴体が現れる事はなかった。
パンフレットを読むに東宝は怪獣プロレスを禁止していたそうだが、個人的にはプロレスが見たかったなぁ…
そして上で少し触れたが、モスラが登場した。出番はほんの一瞬だけだったが、アイツがいなければギドラに勝てなかったという巧い出番な辺りがモスラっぽい。
ここはバトルに参戦しなくて個人的に良かった。あの状況なら蛾一匹でどうにかなるもんでもないしね。
怪獣の他に、個人的に気になっていた最終的にハルオ達はどうなるのか、という点だが、結局
・ゴジラは倒さない(倒せない)
・生き残った人々はフツアと共生(エクシフとビルサルドは全滅)
・ユウコは特に救われず
・ハルオとマイナの間に子が生まれる
・ハルオはユウコと共にゴジラへ特攻
・意思を持ったナノメタルは完全消滅
という事になった。
情報が多すぎて多分拾いきれていない情報があると思うが、気にしないで下さい笑
まずは、「ゴジラは倒さない(倒せない)」という事について。
超合理主義だったが戦闘面ではピカイチだったビルサルドを失い、ゴジラにどう立ち向かうか気になっていたが、今回は正直言ってそれどころじゃなかった。
ギドラと、そいつを呼び起こした張本人メトフェウスの対処に手を焼いた為、今回ゴジラは放ったらかしともいえる扱いだった。
これについては、『GODZILLA』というタイトルなのにどうなの??という疑問が消えない。
これが、色々な所で散々な評価を受けている原因の一つだろう。
個人的にもゴジラの扱いには不満だ。
しかし、ギドラ戦では久々にゴジラを応援出来るというのもあって、まぁなんとなくオッケーという感想を持っている。
ゴジラでする意味ないでしょという意見も分かるが、それ言っちゃシリーズものは全部王道しか認められなくなり、それじゃあつまらないと個人的に思う。
次の「生き残った人々はフツアと共生(エクシフとビルサルドは全滅)」、「ユウコは特に救われず」、「ハルオとマイナの間に子が生まれる」という3つの点について。
ギドラによって母船である宇宙船を失った地球人はフツア(とゴジラ)と共生していく事となった。
まぁあの状況で仮にゴジラを倒すウルトラCを達成してもその後どーするよ、となるわけでこうなっていくのも当然だろう。
フツアにとって"勝利"とは生命を繋いでいくことであり、この意味では人類はゴジラやギドラに対して勝ったといえるだろう。
エクシフとビルサルドは宇宙船に残った者はギドラに喰われ死亡。地球組ではメカゴジラと一体化してビルサルド組は全滅。エクシフであるメトフェウスはなんかよく分からないけどギドラが消えた後死んだ。
ビルサルドに関しては今回の出番はほぼなく、せいぜい宇宙船にて地球人のおっさんとハルオの処遇について口論し、宇宙船業務をボイコットした事ぐらいしかなかった。
この時の地球人のおっさん、ハルオの肩を持ってて意外だったなぁ… 殺すには惜しい人だった。ビルサルドは残当。
エクシフは今回はギドラを呼び起こした張本人。それ以前に宇宙船内と地球で不安がっている人々に布教をしており、何か言いようのない嫌悪を感じた。
エクシフが言うには、文明を起こした時点で怪獣が現れ、その後にギドラが文明・怪獣もろとも星を喰いに来るらしい。
メトフェウスの口振りからこれまで散々の星を葬り去って来ただろうし、それはこれからも変わらないんだろうな…
話をフツアに戻す。
フツアと共生するという点で当然ながら子孫を残す必要が出てくる。
そこで、地球人(宇宙に逃げた人)とフツアのハーフが生まれるわけだが、その第1号がハルオxマイナの子供だ。
もう一度言う、ハルオとマイナの子供だ。
個人的にはユウコと引っ付いて欲しかったし、仮にフツアと引っ付くとしてもミアナだなと思っていたが、まさかの姉様、マイナと引っ付いた。これは予想外過ぎたな…
マイナにハルオを譲った(?)ミアナは、今回囚われのヒロイン役が与えられた。メトフェウスにテレパシーにて会話後、隙を突かれ捕まり、スープの材料になってその生涯を終えた。
…というのはハルオの夢で、実際はメトフェウスに捕らえられ、理由はよく分からないが縛られていた。生きていて良かったぁ…
あのシーンは布教活動にてメトフェウスに軽く恐怖感を感じていたから、余計に怖く感じた。
それにしても、メトフェウスはなんでミアナを縛っていたんだろう…
一方、メインヒロインの筈のユウコはどうなったかというと、特に何もなっていない(´・ω・`)
増殖都市でナノメタルに侵食され、脳死状態に陥ったが、そこから回復する事はなかった。
この事でハルオはだいぶ落ち込むが、ここでエクシフ教に入信した1人が「ハルオは選ばれた人だがらナノメタルに侵食されなかったんだよ!(意訳)」と慰めなのか煽りなのかよく分からない発言をしていた。
その後ハルオは気づくが地球にいる人の殆どがエクシフ教に入信していた。信仰していなかったのはハルオと博士、そしてその助手らしき黒髪の人だけだったように思う。エクシフエグい…
そして最後の「ハルオはユウコと共にゴジラへ特攻」と「意思を持ったナノメタルは完全消滅」という点について。
全てが終わってさぁこれから新しい地球での生活だ!という時に博士が唯一使えそうなヴァルチャーの再起動に成功する。
これを使えば文化的な生活を復活させられるぞ!とハルオに嬉々として伝えたが、ハルオはまたギドラが来るのではと心配になり、ナノメタルを纏ってるユウコ共々ゴジラへ特攻する事を決意する。
個人的にはこのままフツアと一緒に仲良く過ごして脅威は完全に去ってないけど幸せに過ごせるバターエンドを迎えかなぁと思っていたのでまたまた予想外な展開。
その時にミアナに出会い、ゴジラは嫌いか?、憎いか?とハルオは尋ねる。
ミアナは嫌いだけど、「憎い」の意味は分からないと回答する。
その答えを聞いてからフツアに憎悪の感情を抱かせない為、そしてギドラ等の怪獣を再び呼び起こす可能性のあるナノメタルを排除する為にゴジラへ特攻する。
特攻の時の最期に笑顔になったハルオ。
色々とあった肩の荷が降りた瞬間なのだろう。
これによって意思を持った(というよりかはビルサルドのプログラムを受けたと言った方が正しい)ナノメタルは完全消滅しただろう。
ED後のエピローグにて、フツアと地球人の生活が大して変わってなかった事から文明開化は行われなかったとみて間違いない。
というか、それよりもフツアの遺伝子濃いのが気になる笑
もっとこう…ハーフ感を出しても良かったと思う。地球人は滅びたのかな…?
長くなったが以上が『GODZILLA 星を喰う者』の感想になる。
怪獣プロレスにて痛快な気持ちになったわけでも、お涙頂戴な展開で感動したわけでもないが、新たなゴジラの作品としてとても面白かった。胸が締め付けられて精神的にだいぶ疲れたけど。
もちろん、不満点もあり手放しで最高に良い映画!とは言えないが、個人的には好きな部類に入る映画なのは確かだ。
来年5月にはアメリカ版のゴジラが上映されるという事もあり、まだまだゴジラ熱は止まりそうもない。
(おまけ)
最後の最後でハルオの父が出てきたのは良い…
ハルオの名付け理由が"春"なのは深い。
天国でどうか幸せに暮らしてくれ…