2年前、ルマン24時のラスト3分の悲劇の裏でひっそりと始まり静かに終わった初のアゼルバイジャンGP。それと打って変わってドタバタで荒れに荒れた去年。ライコネンの「ステアリングをよこせ!」を覚えている人も多いと思います。そんな中、3回目の開催を迎える今年は一体どんなレースになるのか。今年のシーズンは、ただでさえ一筋縄では行かないだけに、どういったレースになるのか非常に楽しみでした。
そんな今回のレースで栄冠を勝ち取ったのは、王者ハミルトンでした。チームとして見ても今シーズン初勝利で、自身開幕から4戦目にして漸く掴んだ今シーズン初優勝でした。今回のレースでは、トップ3チームの中で唯一大きなトラブルやミスがなく、(1度1コーナーで膨らんだが)終始安定しているレースでしたね。"お見事"の一言です。
2位にはライコネンが入りました。予選ではあわやPPという速さを魅せると、決勝でも1周目でオコンと絡んだものの、そこからのリカバリーは凄まじく表彰台まで帰って来ました。どうやら今年のマシンは彼にドンピシャなんでしょうね。ここまでピットミスがあったバーレーンGP以外は全て表彰台に登っています。これは今年、楽しめそうですね。
3位は、フォースインディアのペレスでした。彼は、こういう荒れたレースでは確実に上位にいるイメージです。マクラーレン時代とはえらい違いですね。1周目でのトラブルからここまで返り咲くとは思ってなかったです。そして、これは小ネタですが、意外な事に、ペレスが唯一、バクーの複数回の表彰台経験者らしい。他にも登っている人が居そうなもんですけどね。珍しい記録です。
以下の入賞ドライバーは、ベッテル、サインツ、ルクレール、アロンソ、ストロール、バンドーン、ハートレイと続きます。そして、エリクソン、ガスリー、マグヌッセン、ボッタスと4人が入賞圏外フィニッシュ(扱い)という、計完走14台(扱い含む)のサバイバルレースでした。
表彰台の3人のドライバーも然ることながら、SCまでレースを引っ張り再開後に仕掛け、その結果タイヤにダメージを負い4位になったベッテル。序盤、同僚のヒュルケンベルグと共にレッドブルを追い回したサインツ。荒れたレースできっちり生き残り、これまでとは違う落ち着いたレースをしたルクレール。三輪破損というボロッボロの状態でピットに入ってきて、そこから巻き返したアロンソ。去年表彰台に上がり今年もしっかり走り切り入賞したストロール。散々な予選からなんとか初ポイントを取ったハートレイ。上海のリベンジとばかりにSC入った時には優勝が目の前にあったものの、デブリによってそれがフイになったボッタス。決勝では残念ながら1週目で散ったが、予選で自身の持つ非凡さを見せたシロトキン。等と、素晴らしい走りをした人が沢山いて、とても面白いレースでした。
特筆すべきは、やはりボッタスでしょう。気の毒にも程があります。流石にバクーのマーシャルに「ちゃんと掃除しとけ!」と怒鳴っても許されると思いますよ?これを機に暗黒一直線にならないで欲しいですが…
逆に凄かったのはアロンソですね。正直、ピットに入った時はこれでリタイアだと思いましたもん。流石チャンピオン、腕は衰える事を知りません。
その一方、同士討ちをやったレッドブルやSC中にスピンしエリクソンのせいにしたグロージャン。2年連続折角の上位フィニッシュの機会を自らのミスで逃したヒュルケンベルグといった、少し首を捻るレースをした人がいたのはのは残念ですね。
特に、レッドブルの同士討ちはいつかはやると思ったがまさか本当にやるとは思ってなかったし、以前にベッテルとウェーバーが絡んでからの成長が感じられず、上海と違って大きな"喝!"ですね。それに、予選ではあわや2010年バレンシアのウェーバーの再現をしかけたトロロッソも課題が残ってると思います。前回の上海といい、ドライバーにも過失があるとはいえ、マシンだけでなくチームとしてもっとレベルアップする必要がありますね…。レッドブル連合、頑張れ。
まとめ
という訳で第4戦の感想でした。何か色々書いてきましたが、兎に角言えるのは、2018年シーズンはとても面白い!という事ですね。ここで1勝を挙げたハミルトンが、今後どう立ち回っていくのか。怖いようで楽しみな自分が居ます。
さて、フライアウェイを終えてF1一行は、カタロニアに向かいます。ここで各チーム様々なアップデートを入れてくると考えられるので、それによって戦力図が変わるかもしれません。勿論、只単に戦力差が拡大する可能性もありますが、前向きに考える方が楽しいですからね。面白い方向に向かうのを期待しています。ますます今年のF1から目が離せませんね!
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