何が何でもゴジラを倒す事が目標のビルサルドとあくまでも人間としてゴジラを倒すことに拘るハルオ。
この比較が顕著に現れた作品だったな…
虚淵氏脚本のアニメゴジラの2作目、『GODZILLA 決戦機動増殖都市』。
「増殖都市」ってどういう事??と鑑賞前は疑問だったが、まさかメカゴジラの事だとは思わなかった。
2作目に目玉とされたメカゴジラは私達が良く知る銀色のゴジラではなく、要塞と化した何かよく分からない工場みたいなものとなっていた。
元々この世界のメカゴジラは1作目『怪獣惑星』で倒したゴジラ・フィリウスサイズを対象として製作されていたため、このままのサイズでは立ち向かえないなと1作目を鑑賞した時に思っていたので、そう来たかぁと感服した。
個人的にはこの解釈も面白いし、アリだと思うが、アニメでプロレス戦闘を見たかった気持ちも正直あり、少々複雑な気持ちだ。
今回のもう一つの目玉、褐色肌の女の子の名前はマイナとミアナ。フツアという地球で生き残っていた人達の子孫にあたる存在だ(多分)。
マイナとミアナは瓜二つの姉妹だが、睨み顔が印象的な方は姉のマイナ。ハルオを手当てし、どちらかというと可愛げのある方が妹のミアナだ。
彼女たちフツアは一見、縄文人のような文化的にレベルの低い生活を送っているように見える。
しかし、ハルオ達を置いて行くほどの身体能力を持っている、自分達が過ごしやすい空気を作る、ビルサルドが地球に残したメカゴジラの元であるナノメタルを武器として用いる、日本語を直ぐにマスターする等見た目と裏腹に凄い能力を持っていた。
また、身体に鱗粉を纏っており、これが後にハルオの命を救うことになる。
モスラを匂わす発言をする等色々興味深い面が出ているが、この辺は3作目で明らかになるだろう。
怪獣惑星ではリゼロのスバル如く、ヘイトを溜めまくっていたハルオ。しかし、今回は有能な一面が前面に出ており、皆んなを鼓舞しゴジラ対決の指揮を取っていた。
そんな彼が犯したミスはナノメタルを信仰するビルサルドを信用し過ぎた事だろう。
まぁ、こんな状況で「ビルサルドを疑え」なんて酷な事は神視点である自分だから言える事であり、もし自分がゴジラと対決する立場にいたら真っ先に地球に帰還していただろう。
しかし、過剰なまで合理主義で目標の為なら己の身体をも喜んで投げ捨てるビルサルドの性格を見抜けなかったのはハルオ(達地球人)の失敗だろう。それにしても、ここまで価値観の違う民族とこれまで大きな仲違いしなかったのも凄い。ひょっとすれば、ユウコの祖父達を切り離したのも彼らが原因かもしれないと思い始めた…
結局、そのハルオの行動が原因で(いくらビルサルドの立場に立って、フツアを「訳の分からない連中」と罵ってたとはいえ)大切なユウコを脳死状態に陥れてしまった。
ハルオがユウコを抱えて泣き叫ぶシーンでこの作品は終わっており、ここだけ見ればバッドエンド映画に見えるほどだった。
3作目で彼女は果たして救われるのだろうか…
ハルオと引っ付いて欲しい気もするけど、フツアを毛嫌っていたし厳しいかな…
最終的にハルオがメカゴジラシティ(ナノメタルが2万年かけて作った要塞)の破壊スイッチを押した事でゴジラ討伐は今回も叶わなかった。
ユウコを見捨てれば勝てたかもしれないが、作戦がうまく機能していなかった事を見ると、正直微妙だっただろう。
3作目では戦闘面で"は"有能なビルサルドがいない中ゴジラに立ち向かう必要があり、キツイ戦闘が待っているだろう。
もう一つの宇宙人、メトフィエス達エクシフは今回大筋には関わらなかったが、メトフィエスがビルサルドに頼んでよく分からない機械を作ってもらったり、3作目のキーになるであろうギドラを知っていたり、めちゃくちゃ怪しい。
人としてゴジラに打ち勝つ事
に拘るハルオが最終的にどのような結末を迎えるのか、ゴジラを倒して平和に地球に住めましたエンドなのか、ゴジラにやられて全滅エンドなのか、個人的にはどちらでも受け入れるつもりだ。
フツアの事など気になる事が多くあるが、今まで怪獣vs怪獣の戦闘が見られていないのでvsギドラでそれが見られるのかが一番気になるポイントだ。
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