あなたは仮面ライダーに変身したいと思ったことはありますか?
別に、仮面ライダーでなくてもスーパー戦隊でもウルトラマンでも、はたまたプリキュアでも。ヒーローならなんでも構いません。そういった番組を見て育った人なら一度は自身がヒーローになり地球の平和を守った妄想をしたと思います。そんな妄想を実際(?)に叶えたのがこの『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』という作品です。「ただのヒーロー番組オタク(大の大人)が本当のヒーローになって悪に立ち向かう」という設定はありがちかもしれません。しかし、"仮面ライダー"や"ショッカー"というワードが否応にも心を躍らせるフックになっており、まるで子供の頃の”ごっこ遊び”が疑似的に実現したような気分にさせてくれます。こういうのは公式だから出来る事ですよね。お陰でページが進む進む。
登場人物とストーリー
さて、折角なのでそんな『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』の登場人物について綴っていきたいと思います。主人公は勿論、タイトルに書かれている”東島丹三郎”。彼は幼少期から仮面ライダー1号に憧れを持っている40才で、定職に就かずバイトをしては山で(仮面ライダーになる為に)身体を鍛えているという変人です。しかし、その鍛錬の成果は凄まじいもので、何と熊を素手で倒せる程の実力を持っています。『響鬼』の世界にいたら鬼になれそうですね汗。異世界転生作品で良く見られる”引き籠り男”ではないので読者の共感を呼びにくそうですが、この規格外の超人さが逆に彼の強さの証明になっているので個人的にはアリだな、と思っています。
そんなひたすらに1号に憧れる丹三郎と同じような境遇の人がもう1人居ます。電波人間タックルに憧れる”岡田ユリコ”という女性です。彼女はこの作品のもう1人の主人公と言えるポジションにおり、丹三郎と様々な場面でぶつかるものの、ショッカーを倒すという目的には力を合わせる良いパートナーです。
このユリコも丹三郎に負けず劣らずの変人っぷりで、『ストロンガー』第30話の展開にショックを受けた後トレーニングを始め、流石に熊を倒すまではいきませんが並の人間なら相手に出来る程身体を鍛えていました。職業から何から正反対の2人ですが根っこの部分はそっくりなんですよね。そこが良い。また、単に強いだけでなく名乗りの際「電波人間タック!」と"ル"を抜く辺りガチ勢っぷり。心の底からタックルに憧れているのが分かります。因みに、彼女の"岡田ユリコ"という名前は、タックルの変身者、"岬ユリ子"とそのキャラを演じた女優さん、"岡田京子"氏の名前の合わせ技になっているんですよね。芸が細かい。
そんな変人2人は、数多発生していたショッカー強盗事件で出くわします。まぁ”ショッカー”と言っても黒いマスクを被った強盗というだけなんですけどね。
正義感の強い2人は強盗犯を取り押さえ一件落着かと思ったのもつかの間、”ごっこ遊び”でない、ガチの化け物であるショッカーが登場しました。ここから物語は本格始動。一体何故平和のように見られた世界でショッカーが現れたのか。彼らの目的は何なのか。大の大人のごっこ遊びは何処まで通じるのか。そういった部分がこの作品の見所で気になる部分となっています。
個人的にお気に入りなのは、丹三郎の初陣ですね。
自身はお面を被っただけで相手はショッカーっぽい恰好の強盗という傍から見たらショボい画ですが、「仮面ライダーになれる…!」と涙を流しながら変身し戦っていたのが印象的です。そりゃ憧れの存在に(仮)が付こうがなれましたからね。シチュエーションも強盗撃退とヒーローの仕事として完璧。感無量になるのも納得です。自分も例えライオトルーパーやメイジでも仮面ライダーになって悪と戦う事が出来たら嬉し泣きするだろうなぁと妄想しながらこの辺は読んでいました。
まとめ
綴ってみて、改めて「ヒーローになりたい」と思った事があるor今も思っている人に突き刺さる作品だと感じました。丹三郎やユリコの真剣さになんとなく自分を重ね合わしてしまうのがヒーロー番組オタクとしてとても刺さる。2人には(作品内の)周囲の人に惑わされる事なく悪事と戦って欲しいですね。なんせ自分達ファンの鑑のような存在ですから。
ユリコに惚れている生徒やショッカーの彼氏さんを筆頭に、丹三郎達と絡んできそうなキャラが多く居るので今後の展開が面白そうで楽しみです。『平成ジェネレーションズ FOREVER』とはまた別のベクトルで仮面ライダーファンが活躍する『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』。ド変人である丹三郎とユリコがする究極のヒーローごっこ遊びが行き着く先が非常に楽しみです。
最後に1巻で好きな丹三郎の言葉を残しときます。
どんな子供(ガキ)より俺の心は「仮面ライダー」だ
くぅ〜!!カッコいい!
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