エフライの感想記

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感想《2021 F1 第21戦 サウジアラビアGP》暴走、フェルスタッペン。白熱のタイトル争いは同点のまま最終戦へ…

アメリカ大陸GPが終了し、もう見る事はないと思ったはずの深夜スタートのF1。しかし、ヤツは再び私達の前に姿を見せました。そんな第21戦の舞台はサウジアラビア。FEが開催されているディルイーヤではなくジェッダにて開催されました。ここも前戦のカタールと同じくF1初開催の舞台だったので、どのような展開が見られるのか楽しみにしていました。ウィリアムズを率いていたフランクの追悼レースという意味合いもありましたし、良いレースを期待していましたね。

 

引退していようと、癒やし枠なのは変わらないフェリペ・マッサ。

今回の優勝者は彼で良い(暴論)

 

なんだコレ

 

コース幅が狭く、また、エスケープゾーンが少ない事から、トレインが形成されたりSCの出番が多くなるのでは?と予想された今回のレース。実際、フリー走行、予選とクラッシュが発生していましたし、嫌な予感はプンプンしていました。

そんな中でPPを獲得したのはメルセデスのハミルトン。フェルスタッペンの自爆に救われたとはいえ、決してオーバードライブを行わない、見事な走りでした。

相方のボッタスも2位に付けていましたし、メルセデスの牙城は万全だなと感じた予選でしたね。

メルセデスで通算100度目のフロントローなボッタス。

 

そして迎えた決勝。

不安視されていたスタートでの混乱は特に起こらず、平和にレースの火蓋は切られました。このまま眠気との戦いになるのかな?と思った矢先、事件が起こりました。

ミックのクラッシュです。

これにて一旦はSCが出動。メルセデスの2台や唯一のソフトスタートだったノリス、そしてアロンソやペレス、ラティフィといった面々が続々とタイヤ交換を敢行しました。ピットに入った組とそうでない組。「これは今後が面白くなるな」、「アルファタウリやフェラーリ、アルファロメオは1台くらい入れても良かったのにな」だなんて悠長に考えていました。

ところがどっこい。そんな考えを打ち砕く出来事が発生したのです。

そう、赤旗の提示です。バリアの修復を目的としたレース中断だそうですが、「いくらなんでも判断が遅くない?」と思いました。ミックがクラッシュしたのは10周目、赤旗が出されたのは14周目です。最初の2周くらいはマシン撤去にかかったとしても遅すぎますね。鱗滝さんにビンタされても然るべきだと思います。

これにて上記のピットに入った組は大損。特にノリスやアロンソは入賞圏外に突き落とされる始末となりました。これもレースの綾と言えばそうですが、流石に酷いですね。FEを見ているような気分になりました。あっちはまだ新興カテゴリーなので仕方ない気もしますが、これはF1ですからね。うーーん。と頭を捻ってしまいます。

 

まだ「えっ!?」と思う事は終わりません。というか、ここからが王座を狙う戦いが熾烈なものになっていきます。

フェルスタッペンがトップ、ハミルトンが2位で迎えたスタンディング(リ)スタートにて、面倒臭い事が起こりました。

画像では分かりにくいですが、スタートを失敗したフェルスタッペンが、コーナーをショートカットをしてまでハミルトンの前に出たのです。タイトルを考えると、フェルスタッペン的にはWリタイアOKの立場なのでマッド・マックスモードに入るだろうなぁと思っていましたが、流石に汚すぎましたね。これにてフェルスタッペンがトップを死守。行き場を阻まれたハミルトンは、オコンに先行を許すという難儀な状況になりました。

 

そんなトップ争いを余所目に、中団勢で接触が起こりました。

ルクレールとペレスが接触、そしてコースを塞いだペレスのマシンを避けようと速度を落としたラッセルのマシンにマゼピンが追突、という大混乱。これにてペレス、ラッセル、マゼピンはリタイア。ハースに関しては、早々に店仕舞という結果になってしまいました。

 

そして、再度提示された赤旗。ここで何位でリスタートするかについて一波乱が起きました。

普通に考えれば、ショートカットをし得をしたフェルスタッペンが、割を喰ったハミルトンの後方になるのは容易に想像出来ると思います。しかし、2人の間にはオコンが居た事で、訳の分からない無線が飛び交う事となりました。 

レッドブルは、オコンPP、フェルスタッペン2位、ハミルトン3位発進を望み、メルセデスはハミルトン2位、フェルスタッペン3位を望む。これはまぁ分かります。誰だって無駄に損したくありませんからね。これについては特に言う事はありません。しかし厄介なのが、下記のマシの無線でした。

審判員である筈のマシが、審議の当事者にどうするかを委ねるって何の冗談ですかね。

割と真面目に、これはマシの存在意義が問われる無線だと思います。「こういう理由でお前は○位スタート、アンタは△位スタート」とジャッジするのが彼の仕事ではないのでしょうか。何度目かの「何だかなぁ」と思った瞬間でしたね。

 

そんなこんなで結局、オコン-ハミルトン-フェルスタッペンという恐らく大勢が「そうなるよね」と考える順位でリスタートしたこのGP。ハミルトンがハード、フェルスタッペンが蹴り出し重視でミディアムを選んだ事により、まだまだ混乱は生じてしまったのです。

 

問題です。本来のコースレイアウト通りに走ろうとしているのは、ハミルトンとフェルスタッペンのどちらでしょうか。

聞くまでもないですね。ハミルトンです。ミディアムを履いた事が功を奏し、リスタートでトップに浮上したフェルスタッペンは、ハミルトンからのプレッシャーを受け続ける事になりました。そして迎えた37周目。ハミルトンが外から追い抜こうとした所、フェルスタッペンは死なば諸共ディフェンスを敢行し、ドリフトしながらその順位を守ったのです(上記のヤツ)

 

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最初に言っておきます。自分はフェルスタッペンが特に好きではありません。というか、むしろ嫌いに近い感情を持っています。いつからなのか明確に覚えていませんが、多分暴走癖が目立ち始めたレッドブル昇格後からだと思います。自身がライコネン&フェラーリファンという事が大きいですね。

不可抗力は仕方ないとしても、意図的に、それも分かりやすく、連続して相手に迷惑を掛けていくフェルスタッペンの運転は見ていて気持ちの良いものではありません。だから自分は、彼の事をあまり快く思っていません。接触だって、偶になら良いんですよ。「あ、やっちまった」的な感じだったら全然OKなんですよ。ですが、彼は確かな意思をもって魚雷特攻、ディフェンスを行います。ココ数年は大人しくなったと感じていたのですが、タイトルが絡んできたここ数戦は過去のダーティさが浮き彫りになってきましたね。

何が言いたいかというと、今回のフェルスタッペンの運転はあまりにも酷いという事です。上記に挙げたリスタートの押し出しや、死なば諸共ディフェンスは、嫌悪感すら湧きました。

 

まだまだフェルスタッペンの暴走は続きます。

コース外を走行しアドバンテージを得たフェルスタッペン。何と彼は、ハミルトンに順位を返す為にあろう事かレコードライン上でスローダウンを行ったのです。

そして、フェルスタッペンが急に速度を落としたに驚いたのか、ハミルトンはフェルスタッペンに追突してしまいました。17年アゼルバイジャンGPのベッテルが頭を過るインシデントでしたね。

あの時前に居たのはハミルトンでしたが、データから彼が無実(ハミルトンはブレーキテストを行っていない。ベッテルに落ち度有り)と判断が下されました。

しかし、今回はどうでしょう。誰がどう見てもフェルスタッペンがブレーキテストをけしかけたと見えます。勿論、黄旗も何もなかった訳ですから「ハミルトンがサッサと抜けば良かった」と言う事も出来ます。ですが、「どっちに落ち度があるか」という観点から考えると、ハミルトンよりフェルスタッペンの方に軍配が上がるでしょう。

「譲った先にDRS検知ゾーンがあるから、一旦抜かせた後、DRSを使って再度抜き返そうと考えたのでは?」と川井ちゃんが仰っていましたが、これも何気に酷い事ですよね。08年ベルギーGPでは、ハミルトンがライコネンに対して今回のフェルスタッペンと同じような事を実行した結果25sペナルティを貰っていましたし、05年日本GPでは、最終シケインをカットして上手いこと前の車のトウを得て1コーナーでのオーバーテイクを敢行したアロンソに対して順位を戻すよう指令が下りました。

「何故順位を戻す(譲る)必要があるのか?」という事を考えると、自分が非正攻法で得をしたからなんですよね。それにも関わらず、まだ小癪な手で利を得ようとする。ギリギリを攻めるのがモータースポーツですが、受ける罰はキチンと受けて欲しいです。

まぁこの譲り方をフェルスタッペンが独自で考えたのか、レッドブルからの指示かは分かりませんが、ヘイトを貯める一件だったのは間違いありません。

流石にこの言い分は厳しい。

 

そんなフェルスタッペンの暴走を幾度となくいなしたハミルトンが、今季8勝目を飾りました。

まぁ色々言いたい事はありますが、正直彼の落ち度って特にないですからね。

辛うじてあるとすれば、コースのド真ん中でスローダウンしたフェルスタッペンをサッサと抜かなかった事でしょうか。ですが、レコードライン上でブレーキテストとか予期せる出来事ではないので、ぶつかるのも仕方ないと思います。

アメリカ大陸に来るまでは完全にレッドブル、フェルスタッペンに勢いがあったにも関わらず、ここ数戦は完全にハミルトンに流れが来ていますね。個人的にフェルスタッペンに幾度目かの嫌気が差した事もあって、最終戦はハミルトンを応援するつもりです。

頑張れ、ルイス!!

 

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個人的殊勲賞

 

そんなハミルトンの走りは十二分に殊勲賞に値するでしょう。「速い」、「強い」、「巧い」。三拍子揃った彼を牙城を崩すのは決して容易ではありません。

今回のトト・ウォルフ。

BOSEに怒られませんかね?笑。「こんなに雑に扱っても壊れないよ!」とCM作れそう。

 

また、寸での所で表彰台を逃しましたが、アルピーヌのオコンも素晴らしい走りでしたね。

スペシャルリバリーで望んだレースでしたが、値千金の4位を獲得しました。

予選9位でしたからね。そこからリスタートとはいえPPスタートを経験し、ボッタスと好バトルを演じての4位。これは2週間前にアロンソが呼び起こしたライオンですわ。来年が楽しみになる走りを魅せてくれました。

 

また、Q3進出から9位に入ったジョビナッツィ、赤旗提示の遅れにより一時は最後尾付近まで下がりつつも10位にカムバックしたノリス辺りも良い走りをしましたね。

前者はいつの間にかフェラーリに抜かれていたのが残念でしたが、ココ最近は元気がなかったので良い走り、結果が出て嬉しいです。後者に関しては、まだソチからの悪運を祓い切っていない感じがしますが、そんな中でも出来る範囲で奮闘している印象です。今回の結果を持ってルクレールにランキング先行を許し、サインツにも負けそうな状況になってしまいましたが、シーズンを良い形で締めくくって欲しいですね。

 

順位は前後しますが、5位チェッカーのリカルドも良い走りをしましたね。1回目の赤旗時にハードからミディアムに替えると、なんとそのままチェッカーまで走り切りました。オコンやガスリー、ジョビナッツィ等がミディアム→ハードという1ストップ作戦でレースを走破しましたが、逆は彼とサインツだけですからね。素晴らしいタイヤマネジメントです。

 

今回の個人的殊勲賞は、以上の5人ですね。笑っても泣いても次戦が最終レース。各自笑顔で終われるような走りに期待しています。

 

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その他

 

個人的殊勲賞に入れるか悩んだのが跳ね馬の2人なんですよね。両者ともフリー走行や予選で大失敗をした後、決勝では見事な巻き返しを行いW入賞を果たしました(ルクレール7位、サインツ8位)。レース中は、入れ替えを敢行したり、ベッテルと角田くんが絡んでいる後ろでイチャイチャしていたり、最終ラップでバトルしたりと中々にハラハラさせる魅せ場を作ってくれた2人。ただ勿体ない事が多かったかな…と感じたので、今回は個人的殊勲賞からは外させて頂きました。ですが、普通に良いレースをしたと思うので、この勢いのまま最終戦では表彰台を獲得して、気分良くシーズンを締めて欲しいですね。

FP2でのルクレールのクラッシュ。ここから予選4位獲得は流石。決勝は赤旗のタイミングに悩まされましたね。それが無ければ、ガスリーには勝てたかも。

こっちはQ2でのサインツのスピン。ここからルクレールに届くまで巻き返すんだから本当凄い。「ミックが上がるまでの繋ぎ」とか思ってごめんなさい。

 

予選、決勝通して6位につけたガスリーも良いレースをしましたね。フリー走行の段階では角田くんに迫られていましたが、ツキもあったとはいえ一番大事なQ3でバシッと決める様は格好良かったです。決勝ではあまり映りませんでしたけどね。様々な所で様々な事があった中、我関せずでポイントを持ち帰られたのは良い事です。

対する角田くんは色々と惜しかったレースでしたね。フリー走行でガスリーに肉薄した時は滅茶苦茶ワクワクしました。予選もその流れを汲み、きっちりミディアムタイヤでQ3に進出したのはお見事です。最終アタックが上手く行かなかったのは残念でしたが、速さの片鱗が垣間見れました。決勝では、ベッテルと接触し勝負権を失いましたが、個人的にはナイスファイトだったと思います。これを糧に来年は飛躍して欲しいですね。最終戦も期待しています。

 

そんな角田くんと接触したベッテルですが、今回の彼には精細を欠いていた印象を持ちました。予選Q1落ちは仕方ないとしても、角田くん、ライコネンとの接触連発には「うーん」と感じました。

ベッテルの画像がねぇ…

この接触のペナルティは角田くんに出ましたが、個人的にはどっちもどっちに見えます。少し残念でしたね。

こっちはライコネンとの接触。

ライコネンが居なくとも曲がり切れていませんでしたし、ブラジルでのフェルスタッペンみたいなディフェンスだなぁと感じました。まぁお咎めがなかったので良かったのですが、これでライコネンは勝負権を失ったので複雑な気持ちです。

 

そのライコネンですが、今回はあまり冴えないレースだったように思います。予選、決勝共にジョビナッツィに負けていましたしね。決勝のペースは悪くなさそうだっただけに、ベッテルとの接触が悔やまれます。残り1戦。心して応援します。

 

ハースの2台とラッセルにとっては不運なレースでした。特にマゼピンとラッセルは避けようがないですからね。仕方ありません。それくらいで特筆すべき事はなかったように思います。ウィリアムズに関しては、フランクの追悼を意味するレースだったんですけどね。ラティフィも終始影の薄い感じでした。

R.I.P.フランク。あの世でセナとレースしていて欲しいな。

 

タイトル争いのサポートが求められたボッタスとペレス。ぶっちゃけ2人ともアシストには程遠いレースを展開しました。

といっても、ボッタスは最後の最後でオコンから表彰台を奪い取る魅せ場を作りましたけどね。

最終ラップのストレートの追い抜きは、17年のアゼルバイジャンGPにてストロールから2位を掻っ攫った一幕を彷彿とさせました。

懐かしい。

これにてボッタスはランキング3位を確定させました。序盤の不甲斐なさを考えると、良くここまで巻き返したな、という感じです。メルセデスラストランを楽しんで欲しいですね。

ボッタスというと、1回目のリスタート時の魚雷未遂や、10車間疑惑等、今回のレスではかなり危ない橋を渡った感があります。特に前者は実現しなくて良かったですね。実際に起こっていたら今以上に大荒れになっていたと思うので。後者に関しては…どうなんですかね。確かルールには「一旦SCの後ろについた後は〜」と書いてあった気がするので、10年ハンガリーGPのベッテルとは異なる一件だと思うのですが、まぁnoteすらされなかったので大きな問題ではないのでしょう。アレコレ言っても仕方ありません。

 

話をペレスに移すと、彼は前述の通りリスタート時にルクレールと接触しリタイアを余儀なくされました。まぁこのインシデントは仕方ない接触ですね。どちらも悪くありません。

ただ、これはちょっと可愛そうでした。お迎え早く来て欲しいです。

 

前戦で表彰台に上がったアロンソ、荒れたレースで強いストロールの両者は、微妙なレースウィークを送った印象です。

アロンソに関しては、顔芸を魅せたり、スピンしたりと、良くも悪くも印象に残る事がありましたが、ストロールは何もなかったですもんね。次は良い意味で大暴れして欲しいです。

 

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まとめ

 

という訳で第21戦の感想でした。色々な事が起こりましたが、決して気持ちの良いレースではありませんでしたね。まだまだ暴走癖が抜けないフェルスタッペンと円熟味を増したハミルトンのバトルがどういう結末を迎えるのか、今から楽しみです。

 

さて次戦は最終戦アブダビです。時間はいつもどおりの時間なので、変な時間に起きたり寝たりする必要はありませんね。よっしゃ。

同点で迎えるタイトル争いやホンダラストレース、そしてライコネンラストレースと見所が多くあるので今から楽しみです。改修されたレイアウトがどのような作用をもたらすのか楽しみですね!

 

 

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