エフライの感想記

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感想《2021 F1 第20戦 カタールGP》忘れた頃にやってくるパンク祭り。トップ争いを余所目に大混乱の中団勢。アロンソ、珠玉の表彰台!

地獄のアメリカ大陸GPを終え、F1の舞台は中東カタールに移りました。今回が初開催という事もあり、全車が同条件で行われるレースがどのようになるか楽しみでしたね。佳境を迎えたタイトル争いや、混沌を極めるランキング争いがどう動くかが見所なレースでした。

 

横綱相撲

 

先日のサンパウロGPでは、素晴らしい巻き返しを果たし優勝を飾ったルイス・ハミルトン。ここカタールでも彼の速さ&強さは健在であり、PP、そして優勝と完全にこのGPを制しました。特に語る事がないくらい圧倒的でしたね。タイトルを争っているフェルスタッペンですら全く寄せ付けない走りには感服です。ひょっとすれば、インテルラゴスでの謎のお咎めなしが彼に火を付けたのかもしれませんね。「ここ1番!」っていう時のハミルトンには良い意味での恐怖しか感じないので、このままタイトルも持っていってしまうかもしれません。これは面白い事になりそうですね。

頼もしすぎる…

上海でピットミスした彼はもう何処にも居ませんね。

 

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秋のパンク祭り

 

時たま開催されるピレリのバースト祭り。前回開催は確か昨年のイギリスGPでしたっけ。あの時は、「三輪車で爆走し優勝するハミルトン」という貴重な光景が見られたGPでしたが、今回のパンク祭りは悲惨さが付き纏う悲しいものでした。

 

被害者その1、ボッタス。

先陣を切ってのお祭り参加は落胆さが尋常じゃない。前回のパンク祭りでは1コーナーでバーストという不運を炸裂させましたが、今回もそれに負けず劣らずの不幸でした。予選では黄旗を無視したと3グリッド降格ペナルティを受けると、決勝スタート直前に5番スタートから6番スタートへ変更。

直前過ぎて現場はカオス。

で、決勝は蹴り出しで躓くと、中団マシンの追い抜きに手こずる走りが続きました。そして、挙句の果てにはパンクに見舞われるという災難さ。「残念」の一言では済まされない程地獄ですよね。アルファロメオに移籍する前にお払いに行くべきだと改めて思いました。

ボッタスの振り返りコーナー。最悪だ。

 

残りの被害者は3人、ノリスとウィリアムズの2人でした。

ウィリアムズはまぁ良いとして(良くない)、ノリスに関しては4位走行中でのパンクだっただけに勿体なかったですね。謎にピット入ってどうしたのかな?と思ったのですが、まさか彼もバースト祭りの参加者だったとは…。スパ予選でのクラッシュから続く悪い流れは留まる事を知りませんね。コンストラクターズではフェラーリに負ける事が濃厚になりましたし、個人ランキングもフェラーリ2台に喰われる可能性が急浮上してきました。マクラーレンにとって、この3連戦は谷底な3連戦でしたね。次戦こそ巻き返しを…と何度言ったか分かりません。応援しています。

 

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個人的殊勲賞

 

計4人が参加したピレリ秋のパンク祭りは、ハードタイヤで長い距離を走っているドライバーに参加権が与えられていました。

そして、祭りへの誘いは予兆なしに来るサプライズっぷり。これにてハードを履いたドライバーは、いつ自分がお祭りに参加するのかという恐怖との戦いを強いられました。

 

そんな恐ろしい状況の中、巧みな走りで3位表彰台をもぎ取ったドライバーが居ます。

そう、アロンソです。

バーストだけでなく、後方からフレッシュなミディアムを履いたペレスが来るプレッシャーとも戦いながら、チェッカーまでその座を渡しませんでした。他者のペナルティの関係で3位スタートだったので、「もしかしたら…?」という期待は持ちましたが、まさか本当に表彰台に上がるとは思いませんでしたね。滅茶苦茶嬉しいです。

アロンソのポディウムは、14年ハンガリーGP以来7年振り、レース数にて実に105戦振りという快挙でした。間にマクラーレン・ホンダという地獄を挟んでいるとはいえ、ここまで遠ざかっていたとは…驚きです。

14年のハンガリーGPというと、今回のレースと同じようにくたびれたタイヤで順位キープに躍起していたレースですよね。当時、今以上に最強最速マシンのメルセデス・ハミルトンに対して一歩も引かないナイスファイトを繰り広げていた記憶があります。最終的にはリカルドにやられてしまいましたが、ポンコツフェラーリで悪戦苦闘する彼の姿は印象的に残っていますね。あんな走りを2021年でも見れるとは思いませんでした。嬉しい誤算です。

訂正します。アロンソの直近のポディウムは、15年ブラジルGPのQ1終了後でしたね。謹んでお詫び申し上げます。まぁどちらにせよ、大した差ではない気がしますが。

そうそう、バトンと言うと、表彰式前のインタビューにて、彼がアロンソに対して「F1楽しい?」って聞いていたのが印象深いですね。ほぼ同期にF1デビューをし、トップチェッカーにてタイトルを争い、どん底の底辺チームで一緒に苦汁をなめた仲間ですからね。なんかウルッと来ました。F1を長いこと見続けているもんですから、色々な感情が出てきた瞬間でしたね。

危うくバック・トゥ・ザ・フューチャーする所だったアロンソ。危なかったなぁ…

 

そんなアロンソの同僚、オコンも素晴らしいレースをしました。アロンソ程目立たなくとも予選9位から1ストップを決めての5位チェッカーは見事です。トルコGPにて0ストップを成し遂げた彼にとっては、1ストップ作戦は楽勝だったのかもしれません。

アロンソ先輩から「ライオンのようにディフェンスして!」という無線が出て

それに応えるように、オンボロハードタイヤで、格上+フレッシュミディアムのペレスに一矢報いたのは、今年のハンガリーGPのお返しのようで勝手にエモくなっていました。本当、この2人良いコンビですよね。シーズン開幕前、07年のマクラーレンに対して思い描いていた先輩後輩関係が21年のアルピーヌで見られるとは思っていませんでした。今回の結果を持ってコンストラクターズを争っているアルファタウリに25pts差を付けましたし、シーズン閉幕に向けて良い流れが来ていると思います。

 

アルピーヌ、もう1つのハイライト。

早くピアストリの走りをF1なり何なり、もっと上のカテゴリーで見たいですね。SF、来ません??

 

また、アルピーヌと同じように1ストップ作戦を完遂し、フェラーリ2台の上、6位入賞を果たしたストロールも凄かったですね。荒れたレースで好成績を残す印象のあるドライバーですが、まさか今回もそうなるとは。あまり中継には映りませんでしたが、シレっと上位に居て混乱したのを覚えています笑。ココ最近、対ベッテルで遅れている傾向が強かったので、今回のレースをきっかけに上位進出を果たして欲しいですね。

 

今回の個人的殊勲賞は、以上の3人にハミルトンを加えた計4人です。荒れた展開の中きっちり生き残り、好成績を残した彼らの次戦以降の活躍に期待です!

 

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その他

 

予選、決勝共に2位に入ったフェルスタッペンですが、まぁ何も言及する事はありませんね。予選での黄旗無視によるペナルティは残念でしたが、大局には影響なかったので特に言う事はありません。次から気をつけてね、っていう感じです。ここんとこハミルトンの勢いが凄まじい一方、今回のグリッド降格ペナルティや前戦のお触り等、しょうもない所でポカをしている印象が彼にはあるので、次戦では嫌な流れを払拭して欲しいですね。

相方のペレスは、予選Q2落ちした時点でだいぶ厳しかったですね。ミディアムを履いたサインツに負けている時点でしんどいレースになるだろうな…と思っていました。実際そうなりましたし。決勝ですが、最後にミディアムを履いたのは何でなんでしょうかね。安全を優先したからなのか何なのか。そのままハードタイヤでいっていればアロンソを喰えたかもしれないので、少々疑問です。まぁ、レッドブルファンの方、並びにホンダファン、ペレスファンの方々には申し訳ないですが、ぶっちゃけペレスの表彰台よりアロンソの表彰台を見たい気持ちが強いレースだったので、ピットに入ってホッとした自分が居たんですけどね。ペレスの躍進は次戦にとって置きましょう…

 

そんなレッドブルより悲惨なのがアルファタウリなんですよね。

ガスリーは、Q3最終アタックにて縁石に乗っかりノーズを破損するアクシデントに見舞われましたが、それによる黄旗が功を奏し、フロントロースタートを獲得しました。今年のモナコのルクレールと同じような感じですね。まぁ両者ワザとではないと思うので、問題はありません。むしろ、こういう可能性があるからトラフィックパラダイスで遊んでないでサッサとタイム出せよという感じですね。今回のガスリーは、ハミルトン、角田くんに次ぐ3番目にアタックしていたので割を食う人が多かったですが、レースっていうのはそういうものです。

相方の角田くんもQ3進出の8位と、2台揃って好グリッドにつけたアルファタウリ。表彰台まではいかなくとも、上位入賞を期待されたレースでしたね。

しかし、現実はそう甘くありません。アルファタウリのマシンは他車よりタイヤの摩耗が酷く、前評判より抜きやすかったコース特性も相まって2台共に入賞圏外という、最悪な結果に終わってしまいました。正直、何とも言えませんね。残念でしかありません。アルファタウリに望んでいた結果は、そっくりそのままアルピーヌが持っていった感じです。コンストラクターズ争いは厳しくなりましたが、何とか有終の美を飾って欲しいですね。ガスリーのMr.Saturdayっぷりが凄まじい…

 

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大きくは目立たなかったものの、7位、8位と一定の成果を残したのがフェラーリでした。サインツのミディアムタイヤでQ2突破が一番のハイライトでしたね。後は正直、特筆すべき事はないと思います。予選で不調だったルクレールが決勝で復活したのは、今後を見据えると良い戦果でした。まぁそれくらいですね。良くも悪くも印象に残らなかったのが今回のフェラーリでした。

 

推しであるアルファロメオですが、こちらもあまり冴えないレースでしたね。1ストップを早々に諦め、2ストップに切り替えたのは英断でしたが、残念ながら入賞までは届きませんでした。バーストがなくともウィリアムズに勝てたのが唯一の収穫ですかね。

 

ベッテルに関しては、ストロールに話題を持っていかれましたが、予選決勝共に10位と良い働きをしたと思います。まぁぶっちゃけ彼も特に語る事はないんですけどね。地味ながらも仕事を淡々とこなすという、ベテランの走りが見られました。あまり中継には映りませんでしたが。

ビッゲストムーバー(インディカー風)が、ベテラン3人衆というのも凄いですね。

特にライコネンなんてブービーマシンに乗ってこれですから、引退するのが惜しまれます。アロンソ、ベッテル共々、残り2戦をエンジョイして欲しいです。

 

パンク祭りに参加したノリスの相方、リカルドですが、ビノットに殴られかけたのが唯一の見所でしたね。

予選14位、決勝12位とあまり冴えないレースとなってしまいました。次戦の巻き返しに期待です。

 

最後にハースですが、今回はマゼピンが可哀想でしたね。FP1でマシンに異常が発生すると、FP2ではモノコック交換の為お留守番。そしてFP3では、ピット出て直ぐにマシントラブルと、まともに走行機会を得られないまま予選出走を強いられました。

そんな散々たる状況でも感謝の気持ちを忘れないのは彼の良いところです。

デビュー前は悪童と言われ、F2の走りもダーティで評判の悪かった彼が、ここまで愛されキャラになるとは考えてもなかったですね。マシンが新しくなる来年、どのような走りを魅せてくれるのか楽しみです。レース自体では、ミック共々見せ場がありませんでしたが、まぁハースですからね。そこは仕方ありません。

 

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まとめ

 

という訳で第20戦の感想でした。前評判より追い抜きが多く、思ったより楽しいレースでしたね。トップ争いは特に白熱しませんでしたが、アロンソの走りと、ピレリのロシアンルーレットにより、ハラハラしたレースを見る事が出来ました。

さて、次戦は同じく初開催のサウジアラビアGPです。建設がギリギリという不安要素はありますが、どうにか開催に漕ぎ着けそうで何よりです。それにしても困るのは時間なんですよね。折角アメリカ大陸GPが終わったと思ったのに、予選2時、決勝2時半スタートですからね。FEはそこまで変な時間に始まらなかったと思うので、ビックリです。また寝不足になる…

 

 

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