史上初の3週連続レースの最後を飾るのはイギリスGP、シルバーストンだ。
大トリに相応しい非常に動きのある、エキサイティングなレースだった。
予選から激しいバトルが起こり、PPのハミルトンと3位のライコネンとの差が0.1秒もなかった。
約60秒コースのモンテカルロやレッドブルリンクならともかく、80秒ちょいかかるこのコースでこの接戦は痺れた。
決勝は、スタートから荒れる展開になった。
ライコネンと蹴り出しで遅れたハミルトンが接触したのだ。
その結果、ライコネンはレッドブルの後ろまで、ハミルトンは最後方まで順位を下げることとなった。
ライコネンは更に10秒ペナルティを受けることとなり、2人のレースは終わったかのように思えた。
しかし、SCにも助けられ、2人は表彰台までカムバックしたのだ。
ハミルトンには特に、母国GPにかける底力を見た気がする。
終盤、ザウバー、エリクソンのクラッシュによりSCが入った。
そのタイミングでピットに入ったのがフェラーリでステイアウトしたのはメルセデス。
この選択が勝敗を分けたように思う。
結果的にはピットに入った方が良かったのかもしれないが、お陰で、ボッタス-ベッテル-ハミルトン-ライコネンの4台による今シーズン1のバトルが見られた。
まさに、見たいものが見られた気分だ。
話をチーム別にしよう。
そんな、緊迫したバトルを制したのはセバスチャン・ベッテル。今シーズン4勝目だ。
スタートでハミルトンの前に立ち、あとはお得意の独走。
…とはまぁうまく上手くは行かなかったが、それでも完璧なレースをしての優勝。
お見事である。
前述の通り、スタートでハミルトンに接触しペナルティを貰ったライコネンは3位。
今回は彼が全面的に非を認めているが、個人的に10秒ペナルティは重すぎるのではと考えている。
フランスでベッテルがボッタスに突撃した時は5秒ペナルティ。
オーストリアの1周目でのフェルスタッペンvsライコネンはお咎めなし。
流石にペナルティの一貫性がなさすぎると思う。
いくらフェラーリファンの自分でもベッテルより重いペナルティは理不尽じゃないか?と思ってしまった。
いい加減、裁定に一貫性が欲しいところだ。
ハミルトンが母国GPとなったメルセデスは2位と4位。
ハミルトンの巻き返しはお見事!の一言に尽きる。やっぱり母国での彼は強かった。
一方のボッタスは中盤、ベッテルまで後一歩というところでSC。
ステイアウトを選択したことによりタイヤが苦しくなってしまい、最終的には4位まで落ちてしまった。
ここ最近不運が続いているボッタス。彼の本当の復活が待ち遠しい。
3強の残り1チーム、レッドブルは今回あまり印象に残らなかった。
ルノー…いや、タグホイヤーPUのストレートの遅さが目に見えてわかるレースだった。
せいぜい、フェルスタッペンのリタイアが印象に残ったくらいだった。
今回、4番手マシンだったハースがまさかの1周目で同士討ちをしたため、いつもより一層激しくなった中団争い。
その中でトップに立ったのはルノーのヒュルケンベルグだ。
タイヤが絶望的に持たないマシンながらルノーだけが使用したハードタイヤを上手くマネージングしての順位だ。お見事である。
チームメイトのサインツは残念ながら、グロージャンとの接触でリタイアに終わった。
白熱する中団争いで唯一W入賞を達成したフォースインディア。
オコンが7位、ペレスが10位だった。
オコンは特に印象に残っていないが、去年まで見せた堅実なレース運びにて入賞を獲得した。
一方のペレスは、オープニングラップでスピンし、あわやピットスタートのウィリアムズに衝突するというところからの10位。あそこから良く巻き返したと思う。
フォースインディアは今回のW入賞でコンストラクターズランキングでマクラーレンを抜き6位に浮上。
何だかんだ言いながらここまで上げてくるのは流石である。ハースとも近い事からまだまだ彼らの実力は侮れない。
一方、コンストラクターズランキングを落としたマクラーレンは、アロンソが8位、バンドーンが11位だった。
アロンソは終始、マグヌッセンと争っていた。
少しダーティなドライビングをする彼に対して苦戦していたが、その最後に見せたは力の差がはっきりと分かるオーバーテイクは流石だった。
彼が表彰台争いに帰って来られるのはいつになるだろうか…
バンドーンは決勝こそ11位なものの再びQ1落ち。今回、予選でQ1落ちするのは実質3台だった事から彼の深刻さは顕著に現れていると思う。
鳴り物入りでF1に来たが、ずっと苦しんでいるバンドーン。このままではひょっとすれば来年以降のシートも危険なのかもしれない。
一方のトロロッソホンダはガスリーが13位、ハートレイがリタイアに終わった。
今回はセッティングが全く決まらず、予選から終始苦戦していたが、ガスリーがあわやポイントまで行けたのは凄いと思う(結局、ペナルティが出たが)
ハートレイの方はFP3でサスペンションが急に壊れたり、決勝のスタート前にトラブルが出たりと不運なレースとなった。
彼もバンドーンと同じでシートが危うい状態だ。何とかガスリーと共にトラブルフリーなレースを送ってほしい。
上記の2人と同じ、個人的に来年のシートが危うそうなのはハースのグロージャンだ。
ハースは予選こそ4番手マシンらしく7-8位を獲得したが、決勝はスタートで2人が絡み、結局マグヌッセンが9位、グロージャンがリタイアに終わった。
マグヌッセンはともかく、グロージャンはフリー走行からスピンをし、更にスタートでマグヌッセンに追突し、そした極め付けにはサインツを巻き込んだクラッシュと散々なレースを送った。
フランスでは4位に入り、遂に開幕したかな?と思ったが、やっぱりまだトンネルの中にいるようだ。
速いことは13年に証明している事からもう少し落ち着いて走行してほしいなと思う。
そろそろシュタイナーの堪忍袋の尾が切れそうなので、まともな週末を過ごしてほしい。
今回も、終始影が薄かったウィリアムズ。
FP1こそストロールが上位につけるが予選、決勝共に振るわず12位、14位だった。
SCが2回ほど出た為、思った程前の車との差が無いように見えるが、SCが入る前、周回遅れだったりとこちらもグロージャン達同様光が見えない状態だ。
PU時代幕開けだった14年からどんどん成績が落ちていっているウィリアムズ。
ここまできたらクビサだけではどうにもならない気がする。
マクラーレンといい、古豪が下位を争っているのは寂しい。早く上位争い…せめて中団争いに帰ってきて欲しいが、今の若い2人ではキツい気がする…
とにかく、最下位の独走からは抜け出して欲しいなと思う。
史上初の3連戦はハミルトン・フェルスタッペン・ベッテルと全員違う勝者が現れた。
個人的に、フィンランド人の2人の優勝が見たかったのだが、仕方ない。
次はドイツGP。ベッテルとメルセデスの地元レースだ。
今年で一旦最後となるホッケンハイムでのF1。
一体どんなレースが見られるのか楽しみである。
(おまけ)
今回のレース、レース前にイギリス国歌、表彰台ではドイツ国歌とイタリア国歌が流れるというここ最近良く聴く国歌の盛り合わせなのは少しビックリした(笑)
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