早いもので11回目の開催となったナイトレース、シンガポールGP。
前評判からここではフェラーリやレッドブルが有利、メルセデスは不利と見られていた。
しかし、フェラーリはフリー走行は速さを見せたものの、予選、決勝は失速。
結局、ポールと優勝をかっさらったのメルセデスのルイス・ハミルトンだった。
決勝のタイヤマネージングも兎も角、予選で見せたスーパーラップは見事としか言えない素晴らしいアタックラップだった。
ベッテルとのポイント差を40Pとし、5度目のタイトルがほぼ確実となったに違いないだろう。
一方のベッテルは相変わらずの謎戦略に翻弄されてなんとか3位フィニッシュ。
モンツァでは自身のミスでポイントを失ったが、ここでのベッテルのタイヤマネージングは素晴らしいの一言に尽きる。
ハミルトンの無線をキチンと聞き取れず、あわや2ストップ作戦かもというUSを投入したのは素人目から見ても驚いた。
フリー走行でソフトを履いていないとは言え完全にモンツァと同じ感じだった。
ハミルトン、ベッテルの間に割って入ったのはレッドブルのフェルスタッペン。
マシンが合っていると言われているここで酷い製品を抱えながら予選、決勝共に上手いレース運びだった。
今回はメルセデス-フェラーリ-レッドブル-メルセデス-フェラーリ-レッドブル。の並びだったトップ6。
ボッタス以下は上位3人と違い接戦だったものの順位変動は起きず。ボッタスはベッテルのタイヤがキツイ事を分かっていたはずなのに攻め切れなかったのはちょっと頂けない。
今回、ベストオブレスト(7位)を取れたのはマクラーレンのアロンソだった。
予選は11位だったが、そのアドバンテージを活かしタイヤをきっちり持たせての決勝レース。
ポイントランキングでも8位に上がってくる辺り、流石としか言いようがないドライバーだ。
8位と10位に入りW入賞を遂げたのはルノー。
サインツ-ヒュルケンベルグの順番だ。
予選から決勝まで終始安定したレースを送っての入賞。コンストラクターズ4位が見えてきた。
ルノー勢に割って入ったのはフェラーリ行きが決まったルクレール。
予選順位は良くなかったが、エリクソンと共に第1スティントを引っ張る戦略を取り、見事入賞。(エリクソンは11位)
中盤に見られたガスリーとのバトルは来年以降を思うととても興奮するバトルだった。
入賞メンバー以外で良い印象に残ったのはウィリアムズのシロトキンだ。
使い古したソフトタイヤでペレス達を抑える粘りっぷりを披露。
来年の為の就活という意味もあるだろうが、モンツァから2戦連続光るレースを見せている。
残念ながらペレスとの接触があり、後方に沈んだが、ハートレイ戦以外はクリーンなバトルをしており、個人的にもっと競争力のあるマシンでの走りが見たいと思った。
逆に悪い印象が残ったのは、ペレスとグロージャンだ。
ペレスはスパを彷彿とさせる幅寄せでオコンを撃退。更にシロトキンのノーズを破壊したりとマクラーレン時代の彼が帰ってきたようなダーティードライビングが見られた。
ここ最近はベテランらしい渋いレースをしていたが、このドライビングで評価が下がっただろう。
一方のグロージャンは青旗無視という違反を犯した。こちらもシロトキンとのバトルの最中に起こした事で、あわやトップのハミルトンがフェルスタッペンに抜かれるという事態になった。
この一件で3ポイントのペナルティポイントを貰い、出場停止まで残り3ポイントとしたグロージャン。
就活という意味でも今年のレースにこれ以上出られないのはキツイだろう。
前評判を覆しハミルトンが圧勝したシンガポールGP。
タイトル争いとしてはほぼ決定的になったと言っても過言ではないだろう。
ベッテルは勝つべきここで勝てなかったのは痛すぎるが、ソチと鈴鹿はなんとかして勝ってタイトル争いを盛り上げてほしい。