感想《実写映画『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦』》原作リスペクトを強く感じられた秀作。2人の恋の行方は…！？

見てきました！実写映画版、『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦』。漫画→アニメ→実写映画という流れの作品は『がっこうぐらし！』、『東京喰種』に続き3作品目ですね。感覚的に例年より多い気がします。なんでなんですかね？笑

続編の『東京喰種』や大して宣伝をしなかった『がっこうぐらし！』とは違い、この『かぐや様』はバンバンに広告を流し、主演2人がテレビに番宣として良く出ていたので、何となく作品の存在を知っている人も多いと思います。事実、上2つと違って、用意されていたスクリーンの広さが桁違いだった事からも本気で売ろうと考えているのが感じ取れました。

そんな『かぐや様』ですが、やはりアニメや漫画を見ている分にはキャストが気になるわけです。主人公2人にキンプリの平野紫耀さんと橋本環奈さんを起用！と聞いた時は、ファンの方には申し訳ないですが、「おいおいマジかよ…」と思ってました。特に平野さんに関しては『花のち晴れ』の「ちょっと残念なイケメンくん」のイメージがありましたからね笑。そんな彼が秀才の白金会長をやれるのかという不安がありました。まぁ映画を見た後はそんな不安なんてどっか行きましたけどね笑。このお2人はもちろん、藤原書記も石上会計も皆んな原作の雰囲気まんまでとても驚いたというのが一番の感想です。藤原書記なんて二次元ものだから許される感のあるキャラですしね。浅川梨奈さん、凄い。

また、キャストの他に、何処をどういう風に繋がるのかというのも不安材料でした。予告で花火回までやるのは分かっていましたが、その回はアニメ12話かけて辿り着いたお話です。僅か2時間弱でどのようにまとめるのか…という不安な気持ちがありました。それこそ『がっこうぐらし！』なんか、アニメでいう1期最後までやる為に訳分からん無駄な改変をしていましたしね。そこら辺がとても緊張というか、「余計な事するなよ…」という気持ちになりました。

そんな色々な面で不安の方が多かった『かぐや様』ですが、お出しされたものはとても面白く、とても原作をリスペクトしているなと感じました。原作から引っ張り出したお話はザックリ、「映画チケット回」「ちんちん回」「壁ダァン回」「熱によりかぐや様がアホになる回」そして「花火回」でした。

予告から分かってたお話もありましたが、所々「それを選ぶかw」と思わず映画館で吹き出しそうになるチョイス。一応大衆向けの作品なのに「童貞」だの「ちんちん」だのが流れるとは…笑。まぁ現在の『かぐや様』はそれ以上な事になってますけどね！笑

間の繋ぎも違和感が少なく(無い訳ではない)、一本の筋としてとてもキッチリ通っているなと感じました。前半の映画チケット回辺りこそテンポが悪く、アニメでの掛け合いの方が良いな…と思っていましたが、徐々に物語が進むにつれ、テンポが良くなり、そこで迎えた花火回は本当に最高なエピソードだったと思います。

そんなべた褒め状態のこの作品ですが、まぁ不満点もありますよ？

ネットで感想を調べたら出てきますが、やはり自分も佐藤二朗さん演じる医者は正直お邪魔だったかなぁと感じました。周りが「かぐや様ワールド」を作ろうとしているのに佐藤二朗さんだけ"佐藤二朗役"で出て来ていましたから、作品の雰囲気がアレレな方向に。高嶋さん演じる会長の父親がクズ野郎だったのも衝撃的でしたが、こっちはまだ話の大筋に関わってないからまだマシでしたね…うん。

いや、本当、南中ソーランの下り要ります？

メタ台詞もそこまで面白くなかったしイマイチ必要性が分かりませんでした。まぁ原作でも評判の高い花火回の感動の後、映画オリジナルの生徒会選挙の場面に入るためにワンクッションを置く必要があると思いますが、それにしても…、余計だったなぁ。

選挙エピソード自体は、まぁ無くても良いかなと最初は思いましたが、振り返ってみると、「逆相談回」で出番を奪われた石上の躍動やかぐや様が白金会長をより強く思うトリガーに繋がったと考えるとあって良かったと思います。内容も良かったですしね。

そんなわけで映画『かぐや様』の感想でした。

既に書いていますが、原作へのリスペクトが強く、見ていて、「あぁ…『かぐや様』だなぁ…」と感じられる作品でした。一部改変がありましたが、改変した事柄が上手に物語に繋がっていたので、見ていて嫌悪感というか、「はぁ！？そこ変える？！」という気持ちにはなりませんでした。他の実写映画はこういう部分を見習って欲しいと感じましたね笑。

とても面白かった今作品。両隣がカップルだった事以外はほぼ完璧だったなぁ笑