エフライの感想記

のんびりやっていきます。

感想《1996年 F1 第6戦 モナコGP》チェッカー3台。完走6台の大荒れレース。レースとは関係無い部分で先入観と違う事が多くて大混乱!

コロナウイルスの影響にて様々なスポーツが開催延期or中止に追い込まれている昨今。自分が好きなF1を始めとするモータースポーツもその例に漏れず、未だ開幕が不透明なのが現状です。そういった状況の中、自分のように暇で暇で仕方ない人を見かねてなのか、F1が公式チャンネルにて過去のレースを一部無料配信を開始しました。バーニーというドケチ(おい)がトップだった数年前では考えられない太っ腹さですね。アメリカのリバティが経営権を握って良かったと思うここ数週間です。

現在配信されているレースの中で個人的にお気に入りなのが96年のモナコGP。F1とは思えない、まるでインディカーを見ているかのようなドタバタな展開には、"雨のモナコ"の難しさが痛烈に伝わってきます。

 

スポンサードリンク

 

 

 

レースの感想を綴る前に、少し語りますね。

自分がF1を見始めたのが05年か06年なんですよ。だから96年のレースをフルで見るのは今回が初。そもそも96年はまだ生まれていませんから、風の噂で知っている程度のシーズンなんですよね。だからリアルタイムでレースを見ていた人にとっては当たり前のような事にも驚かされました。

 

ザッと挙げると、

・ベルガーがまだ走ってる

・マクラーレンがマールボロカラー

・予選で前後の順位のタイム差が0.5秒以上普通にある

etc.etc.

 

セナが亡くなってからシューマッハが跳ね馬で連覇を遂げるまで。シューマッハがヒルやハッキネンとタイトル争いをした事は知っているんですよ。だからそこには特に驚きません。ですが、個人的に"セナ世代のドライバー"だと思っていたベルガーが、96年時点でまだ現役だったのが滅茶苦茶意外でした。

いやね。分かっているんですよ。セナが死んだのは94年。だから、このレース時点だとイモラでの惨事がたった2年前の出来事だという事を。でもマシンの形が全然違うのが原因ですかね。セナが活躍した時代からシューマッハ・ヒル時代って結構間があるように感じるんですよね。頭では理解しているけど感覚では理解していないっていうこのモヤモヤした感じ。凄い気持ち悪い。

 

そういえば小学生の時、「偉人を調べる」的な課題が出た事がありました。そこでセナを選び、親に聞いたりネットで調べた結果、あのサンマリノGPでバリチェロやシューマッハが走っていたのを知って信じられなかったのを覚えています。2人はどんだけ長い間走っているんだよ!と。はたまた、セナが死んだのはそこまで昔じゃないのか…。と。当時は直ぐに飲み込めませんでしたね。まぁ今でもその2人がセナ達と走っていたという事実を何となく信じられない自分がいます。それだけ自分の中で、セナやプロストはラウダ、ハント並みに昔の人っていう印象が無意識にあるんですよね…

 

そういう訳で、ベルガーが96年時点で現役だったのはとても衝撃の出来事だったのです。失礼なのは承知ですけどね。セナ時代の人間、しかも当時(セナ全盛期)若手ではなくトップチームに居た人がV10エンジンを経験している。うーん。未だにしっくり来ない。

 

 

そしてマールボロカラーのマクラーレン。

これも勿論分かっているんですよ。このカラーは"マクラーレン・ホンダの色じゃない"って。でもF1を振り返る時は、大体このカラーのマクラーレンにセナが乗っている映像が出てきますよね。だから当時をリアルタイムでで経験していない自分の中では、93年からフォードエンジンを搭載しているというのは分かっていても赤白マクラーレンは"マクラーレン・ホンダ"と認識してしまう訳です。

同時に、そのカラーリングのマクラーレンはセナ時代の物という偏見を合わせ持った事から、96年のハッキネン、クルサードコンビがマールボロカラーに乗っている事への違和感がエグい。個人的にマクラーレンは05年までのWESTカラーか06年からのボーダフォンカラーのイメージが強いですからね。マールボロカラーはセナ時代のもの。それが当たり前でないという事を改めて痛感しました。

 

 

最後の予選タイム差は…

ぶっちゃけこれは、それこそセナ時代の方が凄いですよね。現在の「チームメイト差はコンマ2位が許容範囲。コンマ4離れたらヤバい。」みたいなのが当たり前の時代に慣れていますからね。1秒位差があっても大丈夫というか、当たり前なのは驚きました。コンピュータ化の影響がこういう所にも現れているのかなぁと思ったり思わなかったり。 

 

スポンサードリンク
 

 

 

さてさて、ここまで来て漸くレースの感想です。

96年のモナコGPは雨でした。それもウェット→ドライ→ウェットというややこしさ。オープニングラップでPPのシューマッハ含む5台がクラッシュ。そこから今やフジnextの解説でお馴染みの右京さんがクラッシュしたり、3位を走っていた前述のベルガーがギアボックストラブルでリタイアしたり、と続々とリタイアする車が現れます。

その波乱展開はトップ快走を続けていたヒルにも襲いかかり、突如彼のルノーエンジンが限界を迎えました。それからもトップのアレジにトラブルが起こる等、休む事なく様々な事が起こり続けた結果、チェッカーを受けたのは3台。完走扱いは7台という超超サバイバルレースとなりました。

 

まるで、ライコネンが「ステアリングよこせ!」と怒鳴った無線が有名な17年アゼルバイジャンGPのような展開にハミルトンの「オーノー」無線があった16年マレーシアGPの要素が追加されたような破茶滅茶なレースでした。雨というのを考えると、11年カナダGPや昨年(19年)や07年のドイツGPを混ぜても良いかもしれません。少し抑えめなFE第1シーズン第4戦アルゼンチンePrix (ブエノスアイレス)と考えても良いかも。絶え間無く何かが起こるレース展開は、見ていて退屈せずとても楽しいものでした。やっている方はたまったもんじゃないでしょうけど。

 

予選14位から大逆転で優勝したパニスはこれが唯一のF1での勝利。ついでに無限エンジンにとっても初勝利。翌年にプロスト・グランプリになり、最終的に消滅する所属チームのリジェ的には最後の勝利。というメモリアルが多い、記念すべき1勝となりました。

 

スポンサードリンク
 

 

 

V10エンジンの懐かしい音と共に激戦が繰り広げられた96年モナコGP。ただでさえタイトなモンテカルロで雨が絡むと何処まで面白くなるのか。その真骨頂が分かる大変楽しいレースでした。2位のクルサードがシューマッハの予備ヘルメットでレースに参加したという小ネタも面白いですしね。

雨のモナコというと、最近だとリカルドのタイヤが無かった16年やスーティルが快走を魅せた08年ですかね?2つとも面白いレースだった記憶があります。今年のモナコが開催されないのが残念でありますが、来年、是非とも96年に負けず劣らずの面白いレースが見られる事を楽しみにしています。

 

2019 FIA F1 世界選手権総集編 完全日本語版 Blu-ray版

2019 FIA F1 世界選手権総集編 完全日本語版 Blu-ray版

  • 発売日: 2020/01/30
  • メディア: Blu-ray