ここ数日のF1界の動きが兎に角激しい。
無観客ではあるが、レッドブルリンクでのシーズン開幕。シルバーストーンでもレッドブルリンクと同じく、無観客で2レース開催合意。スパも無観客で開催の意向。と、基本的には、2020シーズンについての良い知らせが多いです。NASCARやインディを含め、こうやってモタスポが再始動していくのはファンにとっては嬉しい事、この上ないです。
しかし、ニュースはそれだけではありませんでした。
時は5月12日。フェラーリから衝撃的なお知らせが。
Scuderia Ferrari Mission Winnow and Sebastian Vettel decide not to extend their contracthttps://t.co/LMvLsJZiP8
— Scuderia Ferrari (@ScuderiaFerrari) 2020年5月12日
そうです。ベッテルが今年いっぱいでフェラーリから離脱するというビッグニュースでございます。
これには大変驚きました。というか、驚かなかった人っているんでしょうか。まぁ振り返ってみると、昨シーズン中から離脱の噂は度々飛び交っていました。ですが、あくまで噂レベル。まさか実現するなんて、誰しも思ってなかったでしょう。
勿論、自分もその中の1人です。何だかんだ言いつつ、後2年位このコンビで行くんだろうなと思っていました。
確かに、昨シーズンのベッテルは、大多数の予測と異なり、2年目のルクレールと接戦を繰り広げる、期待外れな結果になったのは言うまでもありません。
18年ドイツGPでトップ快走にも関わらず、自らのミスでリタイアしたあの時から歯車が狂ったのか。後半戦では常に1周目でクルクル回るようになってしまいました。
そして、その悪い流れは19年シーズン(つまり昨シーズン)まで止まる事はありませんでした。自身がナンバー1であるはずなのに、ルクレールとの差が全然ない。開幕戦、第2戦と「前に行かせてくれ」と2年目のペーペーに煽られる始末。加えて、フェラーリのストラテジーはあまりにもお粗末。そんな状況では、ブラジルでの同士討ちは、起こってしかるべきインシデントだったかもしれませんね。
彼もまた、アロンソやプロストと同じく、タイトルが獲れないまま赤いスーツを脱ぐんですね…。残念なこと、この上ないです。
さて、ベッテルが離脱する事で、当たり前ですが来年の跳ね馬シートが1つ空きました。その座は一体誰が射止めるのか。公式発表までの数日間はその話題で持ち切りでしたね。アルファロメオでF1晩年ライフを満喫しているライコネン。上位チームへの移籍を虎視眈々と狙っているリカルド。昨年デビューし、化ける可能性が一番あるジョビナッツィ。まさかの大復帰があるのか、アロンソ。その他、元フェラーリ育成のペレスや王者ハミルトンまで、実に色々なドライバーが予想されました。そんな中、ベッテル離脱のアナウンスから2日後、サインツ、ノリスというイケイケコンビを擁するマクラーレンから発表が。
McLaren announces that @DanielRicciardo will race for the team alongside @LandoNorris in the Formula One World Championship from 2021. 🤝
— McLaren (@McLarenF1) 2020年5月14日
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フェラーリドライバー筆頭候補であるリカルドのマクラーレン加入が発表されました。彼もまた、フェルスタッペンにレッドブル追われ、居場所を彷徨い歩いていたドライバーの1人ですよね。昨年のルノーはお世辞にも良いマシン、良いチームと言えず、ワークスという肩書を捨ててでも、メルセデスPUのマシンに乗り移るのは良い選択肢のように思えます。
リカルドの移籍場所が分かった為、ほぼ確定事項となったベッテルの後任。
マクラーレンの発表から数時間後、遂に正式発表が。
.@Carlossainz55 to race for Scuderia Ferrari Mission Winnow in 2021 and 2022https://t.co/XA3xLP0a77
— Scuderia Ferrari (@ScuderiaFerrari) 2020年5月14日
跳ね馬のシートを射止めたのはカルロス・サインツでした。
フェルスタッペンにレッドブル昇格の夢を絶たれ、その後、トロロッソ・ルノー解消の当て駒としてワークスルノーに移籍。そのルノーで同僚ヒュルケンベルグに敗北を喫し、マクラーレンに移籍。と、F1だけ見ても波瀾万丈なキャリアを積んでいるサインツ。そんな彼が、まわりまわってフェラーリに抜擢されるなんて、誰も予想出来なかったと思います。
ルクレールファーストのチームで一体どう立ち回るのか。そりゃ、先輩であるアロンソのようにタイトル争いが出来たら嬉しいですが、現実、それは難しい気がします。ですが、2年契約ですし、優勝のチャンスはあると思います。いや、間違いなくあるでしょう。
久々のスペイン国歌が聴けるのを、楽しみにしています。
それにしてもこのレッドブル育成ドライバーによる移籍騒動、改めて整理するとなんか面白いんですよね。
リカルドに追われてフェラーリに移籍したベッテル。そのベッテルの後釜には、フェルスタッペンにレッドブル昇格を阻まれたサインツ。そのサインツの席には、ベッテルを追いやり、跳ね馬入りを目論んでいたリカルド。という関係図。三角関係…ではありませんが、この複雑なグルグルが面白いなぁと感じました。
この大移動で、ワークスルノーのシートが1つ空きました。ベッテルも現状フリーです。ここらは一体どうなるんですかね。ルノーの席はアロンソが獲るんじゃないか、という噂があります。ブリアトーレ無き今のルノーに、アロンソが加入するのか、些か疑問ではありますが、他に候補が居ないのも現実。クビアトやラッセル辺りが移籍したら面白そうですが、育成関係を考えるとまぁ無いでしょうね。
そしてベッテル。11月に第三子が生まれたばっかりの彼がどのような選択肢を取るのか。滅茶苦茶気になっています。他のタイトル争奪者と比べ、接戦(バトル)での弱さはありますが、予選の速さ。PPからの独走には光るものがあります。
仲良しのライコネンが息子ロビンくんと、娘リアナちゃんにカッコ良い姿を見せているのを間近で見ているはずですしね。ルノーでもなんでもシートを獲て、子供の為に…!と奮起して欲しい所です。
が、まぁそれはファンの無責任なエゴでありまして。実際にベッテルがどうするのかは、彼自身が決める事です。ライコネンやマッサみたいに奮起しても良いし、ロズベルグみたいに家族の時間を大切に…と引退しても良い。ファンとしては、F1に限らず何処(出来れば日本で放送があるカテゴリー)でベッテルの走りをまだまだ見たいですけどねぇ…
そんな訳で、ここ数日のF1動き過ぎ!という感想(?)でした。まだシーズン開幕すらしていないのにここまで移籍騒動があるなんて驚き桃の木山椒の木って感じです。
レッドブルリンクにて再開幕する2020シーズン。ホンダ勢とライコネンの躍進、そしてベッテルの逆襲を期待して、7月を楽しみに待ちます!