おいおいマジかよ…。こんな事されたら益々F1から目が離せないじゃあないですかぁ!!
ハミルトンが圧勝し、フェラーリに失望したベルギーGPから早1週間。舞台をモンツァに移しイタリアGPが開催されました。
色々起こったレースで、正直まだ頭の整理が追い付いていないのですが、一先ずレース前に起こった事を纏めます。先ず第一に、予選や決勝で用いるエンジンモードが1種類に制限されましたね。これにより、予選専用のパワーモード、通称パーティーモードが禁止されたり、昨年オーストリアGPの「モード11ポジション5」が聞けなくなりました。なので、今後は、何処にエンジンモードを合わせるのかが鍵となります。まぁどうせメルセデスがぶっちぎる未来しか見えませんけど。
そしてもう1つ。クレア・ウィリアムズが、今回のレースを持ってF1を卒業する事になりました。自分は、マンセルやラルフ達が乗っていた強いウィリアムズを知らないのですが、それでもやはり寂しいです。最近はチームを生き残らせる為、お世辞にもレース屋とは言えない動きが確かに多くありました。しかし、それでも古豪として参戦し続けたウィリアムズ(昔はフランク、今は娘のクレア)には深く尊敬しますし、今年は昨年までと比べて競争力があるので何とか有終の美を飾って欲しいと思っていました。
後、ルノーが来年からアルピーヌにチーム名を変えるそうですが、まぁこれは良いでしょう。今すぐ関係ないお話です。
さて、レースの感想に参ります。今回も速さを魅せたのはやはりメルセデスでした。
No party. No problem. 🔥🚀 pic.twitter.com/LhOIiE7ScF
— Mercedes-AMG PETRONAS F1 Team (@MercedesAMGF1) 2020年9月5日
う~ん。憎たらしい笑。
他を寄せ付けない圧倒的な速さを誇るメルセデス。今回もしっかり1-2を取っていくんだろうなぁと。そう思っていました。決勝こそボッタスがスタートでミスし後退しましたがハミルトンはトップのままだったので、このまま06年のシューマッハ×フェラーリが成し遂げた通算90勝目を果たすのが固いなと誰しも思った事でしょう。
まさかまさかの展開
しかしそんな盤石な展開をぶっ壊した要素が2つあります。
先ずはマグヌッセン。トラブルによりマシンをピットに戻そうとしましたが力尽き、ピットエントリー寸前で止まってしまいました。これによりSCが導入。先にピットに入っていたガスリー、ライコネン、ルクレールは一見大損をしたように見えました。
ですが、マグヌッセンが止まったのは前述の通りピットエントリー寸前。これによりピットロードはクローズされており、SC発動後真っ先にピットに飛び込んだハミルトンとジョビナッツィは10sストップ&ゴーペナルティを受けました。ハミルトンは大層お怒りでしたね。川井ちゃんが言うにはSC発動とピットクローズ発動のラグが11sあったそうですし、ハミルトンはその時間差にやられたのではと考えたのではないでしょうか。また、ピットクローズを表示する電光掲示版がパラボリカの外側にあり、認識し辛いというのもあったのでしょう。08年カナダGPで赤信号を無視し、ライコネンに突っ込んだ過去を見ると、ハミルトンも成長したんだなぁとしみじみしてしまいます。
話を戻しましょう。そんな訳で損をしたように見えた前述のお三方は結局得をする事になりました。ホンダファン、そしてライコネンファンとして期待するしかありません。
しかしSC解除後、ホームストレートでアルファロメオ2台抜きという神業を披露したルクレールがパラボリカで大クラッシュを喫してしまいました。同僚のベッテルもブレーキトラブルにてリタイア第1号となっていたのでこれでフェラーリはWリタイアにですね…。速くもなく信頼性もなく。昨年の今頃は楽しかったのになぁ…。ルクレールが無事だったので良かったですが。
このルクレールの大クラッシュにて赤旗が出ました。これが2つ目の要素です。赤旗中断は、デブリ祭りでライコネンの「ステアリング寄越せ!」無線のあった17年アゼルバイジャンGP以来の事態でした。これにより、ハミルトン並びにジョビナッツィは勝負権を喪失。SC前にピットを済ましていたガスリーとライコネン、そして逆にSC中にピットインしなかったストロールが上位に浮上とレース展開が様変わりしました。
そしてレギュレーション制定後初実行の赤旗後のスタンディングスタートが行われ、残り30周弱のスプリントレースが開催されました。
個人的殊勲賞
赤旗によるリスタート後からトップをひたすら守り、そして最終盤はサインツからの猛攻を凌ぎ切ってトップチェッカーを受けたのは、何と何とアルファタウリのガスリーでした。自分は、ガスリーは大丈夫だろうとライコネンの心配ばかりしていましたが、冷静になって考えてみると、とんでもない事を成し遂げていますよね。こんな結果を、予選終了の段階から予想していた人は多分居ないと思います。レース再開後、ひたすら粘り強く走り、ファイナルラップ以外サインツをDRSゾーンに入れないよう完璧にコントロールしていました辺り、ガスリーの巧さを感じました。
08年、ベッテルがトロロッソに初めての、そして唯一の勝利もたらしてから12年。同じこのモンツァの地で、今度はガスリーがアルファタウリに勝利を運んできました。昨年ブラジルGPの2位に続く快挙。レッドブル降格から一時は沈んでいたガスリーがこのような戦果を持ってくるなんて、一体彼は持っているドライバーなんでしょうか、持っていないドライバーなんでしょうか。もう良く分かりませんね笑。勝てるチャンスがあるレースでしっかり勝ち切る事は、とても大切な事というのはレース界でのお決まり事。それをキッチリ果たしたガスリーはDOTDも取りましたし、個人的殊勲賞にも相応しい(謎目線)と思います。
そうそう、フランス国歌なんて表彰式では久々に聴きましたよ。フランス人が勝ったのは、あの伝説の96年モナコGPのパニス以来ですよね。それだけ勝者が出ていなかったのには驚きます。また、フランス国歌に加えて、レース前に聴いたイタリア国歌をもう1度聴けた事も嬉しいサプライズでした。やっぱりこの歌は表彰式に映えますね。スタッフが大喜びしていたのもGOOD。18年のバーレーンGPを思い出しました。
"I didn’t want to leave, because these kind of moments… You never know how many times you are going to be able to enjoy these kinds of times"
— Formula 1 (@F1) 2020年9月6日
- Pierre Gasly
🎥 https://t.co/LWACnlH7i2 pic.twitter.com/3H94wSi4pI
This is what @PierreGASLY's P4 means to @ToroRosso 😃 🙌 👏#BahrainGP 🇧🇭 #F1 pic.twitter.com/Y8ihEnnlIk
— Formula 1 (@F1) 2018年4月8日
話を変えると、惜しくも2位だったサインツも勿論凄かったですね。予選ではメルセデスに次ぐ3位でしたし、決勝もスタートでボッタスをオーバーテイクをしていました。更に、そこから後続を突き放していましたもんね。SC等で割を食っても最終的に本来居たであろうポジションまで帰ってこれたのはお見事の一言です。後半、ガスリーを攻め立てている時に送られた「無理するなよ」というチームの無線に「俺は勝ちたいんだ!」と返したのは最高でした。本当、来年フェラーリ行くのが悔やまれる…
加えて、赤旗のタイミングでタイヤ交換を行えたストロールも良かったですね。荒れたレースに強いのは伊達じゃない。こういう所が表彰台に乗れる人と乗れない人の違いなんですかね。それにしても、赤旗再開後、4コーナーでライコネンに魚雷アタック未遂をかましたのは心臓に悪かったですね汗
The f̶i̶r̶s̶t̶ second of many?! 🍾
— Formula 1 (@F1) 2020年9月6日
Our top three have some champagne-spraying experience in F1!#ItalianGP 🇮🇹 #F1 pic.twitter.com/B8CQ54nBr3
全員2回目というフレッシュな表彰台。しかもPU時代になってから初の3強以外の勝者。更に3強が居ない表彰台。そんな光景が見られるなんて今でも信じられません。F1ってやっぱり面白いんだなと、そう感じたレースでしたね。
また、ペナルティを終えてから鬼の形相で7位まで帰ってきたハミルトンには、末恐ろしさすら感じます。やっぱり現役最強はこの人です。ボッタスが冷却に問題を抱え、中々他のマシンを抜けない中バスバス抜いていった辺り、彼の底力を垣間見る事が出来ました。この人は多分止められないんだろうなぁ
以上の4人に、ソフトタイヤを持たせて8位に入ったオコンと、11位に入りクレアの最後を飾ったラティフィを加えた計6人が個人的殊勲賞ですかね。ちょっと多い気もしますが荒れたレースなので仕方ありません笑。4位のノリスも良かったなぁ
One final effort 💪
— Formula 1 (@F1) 2020年9月6日
Claire Williams directs @NicholasLatifi out of the garage for the Italian Grand Prix#ItalianGP 🇮🇹 #F1 pic.twitter.com/Klez4yrsgf
グッバイ、クレア。
その他
個人的に物凄く残念だったのが、アルファロメオですね。特に、ピットタイミングの綾により赤旗後4位スタートだったライコネンには、ポイント獲得への期待を大いに寄せていましただけに、13位という結果は残念でなりません。入賞はおろか、フェラーリ勢最上位もグロージャンに奪われる悲惨な結果でした。
ここで言いたいのはライコネンの腕への疑問ではなく、チームへの疑問です。
ライコネン自身は、予選でオコンと色々ありながらもQ2にも行きましたし、決勝のペースも決して悪いものではありませんでした。なのに、折角付けた高順位を活かせないポンコツ戦略には呆れるしかありません。リスタートの際、中古ミディアムと新品ソフトを比較し、スタートの蹴り出し等様々な事を踏まえて後者を選んだろうな、とは思います。ですが、最後にラティフィとグロージャンに抜かれたのを見るに、ソフトで約ハーフディスタンスは無謀でしたね。これがもし、新品ソフトではなく赤旗までつけていた履歴の浅いハードや中古のミディアムだったなら、少なくとも11位には留まれた筈です。そんな千載一遇のチャンスで大きな判断ミスを犯す辺り、ライコネンの入賞を見れるのは程遠いなぁと感じます。ランキングでもラティフィに抜かれましたしね。本当、ジョビナッツィのピットミスの件も含めて、色々としっかりして欲しい…。まぁ本家フェラーリがだらしないので、そのおこぼれを貰うアルファロメオがしんどいのも分かりますが、頑張って欲しい。
後、スパで躍進したルノーは、今回控えめでしたね。ですがそんな中でもキッチリ6位と8位につけるのは素晴らしいです。確実にステップアップしている感じがしますね。リカルドは今回ボッタスを抜けそうだったのが印象深いです。これはシューイも近いかもしれません。
また、ガスリーの同僚、クビアトも頑張っていましたよね。ガスリーに次ぐ予選11位。スパのガスリー再来を狙ってのハードスタートは不発でしたが、それでも9位でポイントを拾えたのは地味に凄いし、とても大切だと思います。角田君との入れ替えも噂されていますが、個人的にはまだもう少し見ていたいドライバーです。巡り合わせによってはガスリーではなく、クビアトが表彰台に登っていたのかもしれませんしね。
そんな弟とチームと比較し、親であるレッドブルは、大人しかったですね。まぁ常日ごと目立つのも無理がありますし、たまにはそういう時もあると思います。ですが、アルボンのクビがそろそろ危うい気がします。次戦こそ、巻き返しに期待ですね。
そしてハースは、マグヌッセンのリタイア以外見どころなし。フェラーリは悲惨。ウィリアムズ頑張った。残りはこんな感じですかね。
まとめ
という訳で第8戦の感想でした。
中団チームでも展開によれば勝てるんだぞ!と、そういったレースの面白さをギュギュっと詰め込んだような展開が見られてとても嬉しかったです。あの予選からレッドブル勢は0ポイント。アルファタウリが優勝&9位。メルセデスが5位と7位だなんて予想出来ませんよ。本当、これだからレースは面白い。8月のインディ500といい良い話題が続いていますよね。滅茶苦茶嬉しいです。
Happy 50th, @AlphaTauriF1 🤝 @HondaRacingF1!#ItalianGP 🇮🇹 #F1 pic.twitter.com/795M5hAQZf
— Formula 1 (@F1) 2020年9月6日
さて、来週は初開催のムジェロです!スパやモンツァと同じく高速サーキットなので、大きな勢力図の変更は望めませんが、だからこそアルファタウリに期待したいです!
嘘か本当か、ここからお客さんを入れるようですしね。フェラーリにはこれまで以上に頑張って欲しいですが、まぁ無理だろうなぁ…