エフライの感想記

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感想《2020 F1 第12戦 ポルトガルGP》92勝目を飾ったハミルトン。中団争いも面白く満足度は高めなレース

ニュルブルクリンクでの1戦を終え、アルガルベへ舞台を移したF1。ポルトガルでF1が開催されるのは96年以来で、ポルティマオ・サーキットで、となれば初開催という事になりました。ムジェロや先週のニュルブルクリンクもそうですが、こうやって、通常時では恐らく見る事の出来なかった場所にてF1マシンが走るのを見られるのは、良いですよね。イレギュラーなシーズンの特権な気がします。

 

しかもこのポルティマオ・サーキット、比較的最近出来たサーキットにも関わらず、起伏に富んでおりクラシックサーキットっぽさがあるのが個人的に好きなんですよね。舞台が初開催な上、FP2がピレリによるタイヤテストに割かれたので、下克上なレースが見られるのでは、と期待していました。不確定要素の多さは波乱なレースの必要要素ですからね。

 

世界の国旗 ポルトガル国旗 90cm×150cm

 

皇帝の記録、破られる

 

そんないちファンの期待なんか知るか、と圧倒的な強さを魅せたのは、やはりメルセデス、そしてハミルトンでした。予選で1‐2。決勝も最序盤こそ「通り雨」&「スタートタイヤが温まりにくいミディアム」というのもあって他チームにリードを許しましたが、タイヤに熱が入ると一気に他所のチームを引き離しました。

チーム内で見ると、スタート直後こそボッタスが意地を見せましたが、中盤以降は完全にハミルトンがレースを支配していました。最終的に付けた差は約25.5秒。およそ1回余分にピットストップ出来る程ぶっちぎりました。強すぎますね、ハミルトン。レース中、右足が攣ったという無線があり実際にレース後は足を引きずっていましたが、そんな状況でファステストラップを記録するなんて「貴方化け物ですか?」と言いたい気分です笑。

これでシューマッハにの記録を越える通算92勝目。自分は05年か06年からF1を見ていますから、彼の勝利は全て見届けている事になります。デビューから王者アロンソ相手に互角に走るなんて速いドライバーだなぁなんて思っていましたが、まさかここまで勝利を積み重ねるなんて思ってもみませんでしたね。一体この大記録が何処まで続くのでしょうか。記録が伸びるのも良いですが、彼を止める事が出来るチーム、ドライバーの早急な誕生も願っています笑。

 

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個人的殊勲賞

 

今回は挙げるべきドライバーが多くいます。先ず、データが満足にない中、1つのタイヤで50周以上走ったルノーの2人とライコネンです。ルノーに関してはニュルブルクリンクの時より戦闘力が下がっている中、戦略で勝ち取ったW入賞といった感じがしますね。ピットストップ後のオコンのペースがあんまり上がらなかったのが気になりますが、結果的にリカルドのトウ役になり、ライコネンやベッテルの猛攻を凌ぐ立役者となったのでまぁ良いかな、って感じです。

 

ライコネンは兎に角巧かったですね。予選16位から、「通り雨」&「下位スタート唯一のソフトタイヤスタート」というアドバンテージを最大限に活かし、1周目終了時点で6位。あわや5位のフェルスタッペンを抜くか!という所までジャンプアップしたのには理解が追い付きませんでした笑。順位を確認しようと順位表示の15位付近を見て、「ライコネン居ない!」と焦ったのは内緒です笑。そこからは、残念ながらモンツァの再来が如く、ズルズルと順位を落としていく一方でしたが、11周目にサッサとタイヤを見切ってミディアムタイヤに交換し、そこから巧くタイヤを持たせ、入賞まで後1歩の11位完走を果たしました。後から見ると、ソフトを早々に見切って正解でしたね。

ピットのタイミング的にてっきり2ストップだと思っていたので、まさか最後まで行けるなんて思っていませんでした。使い古したタイヤで、サインツやベッテルとのバトルを演じたり、アルボンを抑えきったのはお見事としか言えません。個人的には、立ち上がり重視のライン取りでボッタスを行かせつつも、後続のアタックを退けたのが印象深いです。欲を言えばポイントが欲しかったですが、1周目の動きと、格上チーム相手と同等にやりあえていたので、個人的には満足しています。入賞まで行くにはあまりにも上位陣のトラブルが少なすぎた…

 

 

これは今後、20年シーズンのハイライトとして、何回も見る事になりそうな映像です!

 

 

また、光る走りを魅せたガスリー、サインツも個人的殊勲賞の対象ですね。

ガスリーは、幾度となくオーバーテイクを披露し5位入賞を成し遂げました。ペレスとの一件でも、接触を寸での所でかわしていましたし、今年のガスリーは、本当安定していて巧いですよね。バトル、一発のタイム、共に不安感がないですし、昨年のシート取り換えから、ここまで良く復活したなぁと思います。これからも良い走りに期待したいです!

 

サインツは、スタートでリードラップを記録したのが印象深いです。勿論様々な要素が絡んだ偶然性の強いものだという事は否めませんが、リードラップはリードラップです。そこに違いなんてありません。しかも最終リザルトも6位と、申し分ない成績。モンツァで表彰台に上がってから、何処となくツイてなかった彼ですが、これで悪運は出し切ったと考えて良いでしょう!来年所属するフェラーリも復調しましたし、良い流れに乗って欲しいものです。

 

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その他

 

折角触れたので、フェラーリの話でもしましょうか。

今回跳ね馬は、アップデートを幾つか持ってきており、今回はそれが上手く作用したレースとなりました。ルクレールが予選、決勝共に4位。相方のベッテルも10位入賞と直接やりあったバトルこそ少なかったものの、暗黒は脱した感じがします。といっても、ここまでチームメイト差に開きがあるのには気になりますけどね。兎に角、フェラーリが例え一時的であっても、3強の位置に帰って来られたのは素直に嬉しいポイントです。

 

そんなフェラーリよりチームメイト格差が酷いのが、レッドブルですね。フェルスタッペンこそ、予選でメルセデスに喰らいつき決勝でも表彰台に上りましたが、アルボンが正直酷過ぎます。予選こそギリギリ許容範囲の6位に入りましたが、決勝では、もはや恒例となりつつあるスタートでの出遅れをしてしまい、そこから浮上する事なくチェッカーを受けました。いつもなら帳尻合わせ走法で、シレっと5位前後に帰って来ますが、今回はそれもなく中団に埋もれてしまいましたね。特段、トラブルやアクシデントが無いのにも関わらず、レース約半分の段階で周回遅れになったり、下位マシンで、更に使い古したタイヤを履いているライコネンを抜けなかったりと、良い部分がまるでありませんでした。ニュルブルクリンクのように魚雷アタックしなかっただけマシ、という感じでしたね。フェルスタッペンの援護どころか入賞も怪しいなら、首元がそろそろ涼しくなってくるでしょうけど果たして…。サインツと同じく、表彰台に乗ってから流れが悪いのが寂しいですね。ガスリーが好調なだけに、より一層、アルボンの評価が下がっている感じがします。次こそ頑張って欲しい。

 

また、弟チーム、アルファタウリも、今回はチームメイト格差が大きかったですね。クビアトには、スタートで下がってから終始ハース達と戯れていた印象を持っています。最後、謎にソフトに交換したせいで実質最後尾になりましたしね。去就が未確定なだけに、アルボン共々頑張って欲しい。

 

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今回、良くも悪くも印象に残ったのは、レーシングポイントではないでしょうか。ストロールのコロナウイルス感染疑惑から始まった今回のGPでは、FP2にてストロールがフェルスタッペンと接触すると、今度はペレスが決勝1周目にてフェルスタッペンと接触。更にストロールがノリスを強引に抜こうとして接触。トドメに、ペレスの過度なライン変更による、ガスリーとの接触未遂。と、ポルトガルGPで起こった接触事故を一身に背負う活躍を見せました。まぁ全部が全部この2人が悪い訳でもないんですよね。実際、FP2の件は、どちらかというとフェルスタッペンに非がありそう(実際は両者お咎めなし)ですし、オープニングラップのものは、レーシングインシデントという裁定が下っています。ただ印象として、あまり良くないな、と思ってしまいます。

因みに、ノリスとの接触はストロールの非が認められましたね。この接触のせいで、両者勝負権を失うという残念な結果を引き寄せました。あれは流石に引くべきだったかな…。そして、ガスリーとの一件は、完全にマクラーレン時代の悪いペレスが顔を見せた瞬間でしたね。巧くなったと思った時に、こういう顔が「こんにちは」してくるのがちょっと残念。最後尾から5番手まで帰ってくる位マシンは良いんですから、もっとドライバーが成熟してくればもっと良い成績を残せそうなんですけどね…。うーん、難しい。こんな接触を引き起こすレーシングポイントの状況を喜んでいるのは、エンターテイナー(笑)なマシくらいなものだと思います。

 

そんなレーシングポイントとは対照的に、ジョビナッツィやハース、ラティフィの印象は薄かったですね。ずっと下の方でイチャイチャしていた印象です。特にハースに関しては、ドライバー2枚替えの発表後、初めてのレースでしたからね。ドライバーの奮起に期待したのですが、残念な結果に終わってしまいました。ウィリアムズは、ラッセルがQ2進出&一時はトップ10圏内を走っていたのが記憶にある位ですかね。ジョビナッツィは…ベッテルに抜かれたのがリプレイで晒されていた位かなぁ。彼も就活の身なので頑張って欲しいところです。

 

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まとめ

 

という訳で第12戦の感想でした。

スタートによって大幅な順位アップをしたドライバーが、レースを面白くさせましたね。トップ争い以外は基本どこでもバトルを繰り広げており、中弛みはあったものの比較的見所の多いレースだったんじゃないかな、と思います。

ポルティマオ・サーキット、良いサーキットですね。オーバーテイクが出来ないコースレイアウトではなく、程よい緊張感をもったレースを生み出せる名サーキットだと思います。来年以降もカレンダーに残って欲しい。

 

さて、次戦はサンマリノGP…ではありませんが、久々にイモラの地でF1が開催されます(エミリア・ロマーニャGP)。最後の開催が06年なので、14年もの空白期間を経ての開催となります。「ライコネン以外F1での走行経験がない」。「金曜セッションがない」という"ない"が多いイモラにて、どのような展開が見られるのか、待ち遠しいです。

まぁ、イタリア国内の感染状況が大変な事態に陥っているのでそもそも開催されるのかすら怪しいんですけどね。兎に角、関係者の無事を第一に考えて開催の有無を判断して欲しいものです。特に、ハミルトンのBLM活動に対して、少し否定的な立場を取ったペトロフのスチュワード起用が発表されたタイミングで、銃撃事件(ペトロフの父親が殺害された)が起きる程ピリピリしている世の中ですからね。陰謀だとか何だと言うつもりはありませんが、生命第一、安全第一を念頭に事を進めて欲しいものです…

 

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