アニメ1期挿入歌について綴ったのは、つい最近の事。その時にリスタートした"μ's熱"が止まる事を知らないので、冷めないうちに第3弾を書こうと思います。今回は、アニメ2期の挿入歌&Blu-ray特典楽曲編ですね。早速行きましょう!
最初のナンバリング編はコチラから。
それは僕たちの奇跡
アニメ2期OPを務め、更には現実世界では紅白の舞台も任された「それは僕たちの奇跡」。前向き感に溢れる1期OP「僕たちは今のなかで」とはタイプの違う楽曲となっています。
それは何かって、OPなのに節々から"終わり"の匂いがする所なんですよね。「残された時間」とか「限られた時間」とか、スクールアイドルが有限性なもの、という事を嫌でも実感させてくる歌詞が多すぎます。今思うと、この時点で2期の方向性のネタバレをしていましたね。
否応にもセンチメンタルな気分になるこの楽曲。「いまここで 出会えた奇跡 忘れないで 僕たちの季節」。このラストフレーズに、終わりを予感しているμ'sからのメッセージや思いが全て込められていると感じます。今や、Aqours、虹ヶ咲、Liella!と大所帯になった『ラブライブ!』シリーズ。ですが、彼女ら後輩達後輩は、μ'sが居なければ生まれてきませんでした。その出会いや軌跡に感謝しないとな、と改めて考えさせられる名曲です。
だってだって噫無情
1期楽曲では、ED曲のカップリングに収録された和風ソングが、今回はOPカップリング曲に抜擢されました。
「輝夜の城で踊りたい」は、中身は兎も角、曲調は明るかったのですが、この「だってだって噫無情」は、ゆったりとしたテンポで進む楽曲となっています。もう、重たいんですよね、色々と。戦時中、戦場に向かう大切な人への思いとか、そんな世界に対するやるせなさとか。そのような重い思いが読み取れる、非常に刺さる楽曲です。
改めて聴くと、スクスタのメインストーリー20章以降を表現しているようにも感じてしまいますね。話が逸れそうなので、これ以上の言及は避けますが。
どんなときもずっと
名曲。
悩んでいる人に対して、全肯定して慰める訳でもなく、かと言って頑張りを強要したり、無理に発破をかけたりする訳でもない。絶妙な匙加減で支えてくれる「どんなときもずっと」は、胸に刺さる、というか、ジワジワっと胸に染み込んでいく、そんな楽曲です。
「きっと青春が聞こえる」と同じく、爽快感はあるんですけど、それよりも生きていく上で大切な事を等身大な言葉で伝えている事に目(耳)が行ってしまいますね。「長所だけでなく短所も受け入れる。そして自身のやりたい事を見つめて、その後全力で頑張る」。これに全てが凝縮されています。悩んでいる時に聴くと、より一層染みる名曲です。
COLORFUL VOICE
そんな"エモい"楽曲のカップリング曲は、放課後のμ'sを体現しているが如く、楽し気な9人を思い浮かべる事が出来る、アップテンポな楽しい楽曲となっています。絵具やマーブルチョコを前に、「自分や皆のイメージカラーって何だろう?その色が表す人の性格ってどんなの?希(ちゃん)、知ってる?」みたいな会話が聞こえてきそうで、聴いていて思わず笑顔になってしまいます。
「SUNSHINE RED」とか「(Aqours)AQUA BULE」等と、後輩潰しな歌詞があるのも、今となっては面白く感じますね。アニメ2期後半で、穂乃果が「そういえば9人でちゃんと遊んだ事がない」的な事を言っていましたが、この楽曲を通して、そんな等身大の高校生らしい9人のやり取りが垣間見られます。こういう日常回が少ないのは、シリーズの伝統なんですかね?
ユメノトビラ
ドヤ顔の2年組とは珍しい。
ここから挿入歌になりますね。この「ユメノトビラ」は、2期3話のラブライブ予選にて披露された楽曲です。作中では、前回覇者のA-RISEに注目していると告げられ、更には屋上ステージを貸してもらうという展開の中での披露する為、重要な役割を担ってると言えるでしょう。格好良い「Shocking Party」とは雰囲気が全く異なる楽曲で、ある意味王道アイドルソングなのかもしれません。
この楽曲は、2回目の合宿で制作された経緯がある為、その合宿の経験が基になっているんですよね。具体的には、衣装に花冠があったり、班になっていたユニット毎にパート分けされていたりといった所。細かい所まで凝っているなぁと初見時に思ったのを覚えています。後、ミッキーマウスっぽい髪型のにこも印象的ですね。山頂アタックはありませんでした。残念。
これは個人的な感想なんですけど、この「ユメノトビラ」は、後の『サンシャイン‼』のアニメで一気に化けた感じがしています。それまで自分の中では「アニメ2期挿入歌で好きな楽曲の1つ」くらいの認識だったんですよね。それがまさか、Aqoursのアニメで千歌が好きと公言し、梨子がスクールアイドルを始める切っ掛けとなるという大役を担うなんて思ってもみませんでした。最終予選の「Snow halation」でも、決勝の「KiRa-KiRa Sensation!」でも、アンコールの「僕らは今のなかで」でも、海外でやった「Angelic Angel」でも、秋葉原を封鎖して行った「SUNNY DAY SONG」でもなく予選の「ユメノトビラ」。これは当時衝撃でしたね。勿論、異議があるとかそういう訳じゃないですが、「『ユメノトビラ』ってそこまでμ'sや作中で大きな意味を持つ楽曲だっけ?」と思いました。まぁ虹ヶ咲の『シャッフルフェス』が開催されるまで唯一(シリーズ越してだと未だ唯一)だったカバーが聴けるので大変レアで有難いですけどね。
…って書いてて思ったのですが、「ユメノトビラ」ってラブライブ(大会の方)でのμ's1発目の楽曲でしたっけ。棄権した大会でのライブ映像がどういう扱いになっているのか分かりませんが、原点こそ至高と千歌も考えたのなら「ユメノトビラ」が大役に抜擢されるのも納得出来るかも。まぁこれ以上は話が逸れるので止めますが。
SENTIMENTAL StepS
虹ヶ咲のアニメ1期まで見ても、唯一挿入歌CD収録楽曲にも関わらずアニメでの登板が無かった楽曲ですね。
もうね。切ないにも程があるでしょ!と言いたくなる楽曲です。アニメ2期は、学園ものらしく"卒業"とか"別れ"を描いているのですが、それをドンピシャで打ち抜くのがこの「SENTIMENTAL StepS」なんですよね。イントロにある、早めの時計の針の音から最後の「ふふっ」という笑い声まで、徹頭徹尾"別れ"を意識付けられていて、聴いていて涙腺が限界を迎えます。
ふと未来の事に思いを寄せ、ひょっとすれば将来、今の事を忘れてしまうのでは…と不安になりつつも、「気のせいだよね」と流す。でも心の何処かではその思いが残っており完全に吹っ切れていない。そんなタイトル通り"センチメンタル"な気持ちが植えつけられる、ヘビロテが極めて難しい楽曲です。
また、この楽曲は他の楽曲以上にソロライブが刺さりますね。オタク特有の深読み思想が変に作用してしまいます。9人夫々バックグランドがある為、それを思って寂しい気持ちになってしまうんですよね。
Love wing bell
アニメ2期5話の挿入歌です。この回は、凛をメインに据え、彼女の抱えるコンプレックスやトラウマを払拭する神回でしたね。1期4話をセルフオマージュする魅せ場には思わずニヤリとしてしまいました。
シリーズ特有(?)の、先の展開を分かっていたような歌詞にはお愛想笑いですが、本当にピッタリなのでOKです。ここまで結婚式に合う歌詞を、あの恋愛映画を直視出来ない海未が本当に作ったのでしょうか?頑張ったなぁ。本来なら、いつも通り穂乃果がセンターに収まる筈の楽曲なので、何時かは9人ver.を見てみたいですね。ファイナルライブで披露されましたが、あれはトロッコでしたからね。完全体を何時か見たい。
Dancing stars on me!
カオス回であった2期6話で披露された楽曲です。ハロウィーン回らしく魔女に海賊、そしてお姫様に分かれているのが面白い試みですよね。凛がお姫様側に回っているのも5話を踏襲しているようでGood。
自分がこの楽曲を気に入っている理由の1つが、歌詞なんですよね。「涙は青春のダイヤモンド 君を飾る光」という言い回し、一体全体どうやったら思いつくんですかね。畑先生の本領発揮ゾーンですわ…。後、「もっともっと」とか「ずっとずっと」とか、同じ言葉を繰り返してリズムを付けているのも良いですよね。丁度この部分の振り付けが印象的なのもあって、サビ部分が特にお気に入りです。
後、これは純粋な疑問なんですけど、この「Dancing stars on me!」って、作中の扱い含め、どっからどう見ても秋の楽曲なのに、"天の川"を意味する「milky way」が入っているのが謎です。直後に「悲しみの雲はいらない…いらない!」と続くので、"雲無き夜空に見えるもの"の代表として選ばれたのでしょうか。まぁ本質は作詞担当の海未ないしは、畑先生のみぞ知る、という事でしょう。
KiRa-KiRa Sensation!
アニメでは、ラブライブ決勝に抜擢されたこの楽曲。声優さんのリアルライブでも、これを引っ提げて、ジャスティンビーバーと共にMステに殴り込みましたね。懐かしい。なお、その後にあった絶望の発表会()。
ゲフン。話を戻します。衣装が「START:DASH‼」の改良版だったり、振り付けも何処か見覚えがあるものだったり、「みんなで叶える物語」が歌詞に入っていたりと、集大成感MAXな楽曲になっています。この後も劇場版含めて数曲披露は続きますが、「ラブライブ決勝」という、アニメ2期の物語の最後を飾るに相応しい全部乗せ感がありますね。
歌詞の「光の中で歌うんだ」が、リアルライブにてファンのサイリウムによって実現したり、「奇跡それは今さここなんだ みんなの想いが導いた場所なんだ」が、ファイナルライブやフェスで意味合いが変わってきたりと、披露される場所やタイミングでエモくなってしまう、そんなある意味重罪を背負った楽曲なのかもしれません。
「言葉では伝えきれない…そうだ!私達には歌があるじゃないか!」となるのもスクールアイドルらしさが溢れて入れとても好きです。
Happy maker!
アニメ2期の最後を飾った楽曲です。挿入歌では、OPから"終わり"を感じさせる悲しい感じの楽曲が目立ちましたが、この楽曲はそれらと間反対の方向を向いていますね。「愛してるばんざーい!」や「Oh,Love&Peace!」といった古参楽曲達が物語を締めようとする時に流れた、この兎に角明るい「Happy maker!」。「安心して下さい、まだまだμ'sの物語は続いていきますよ!」と、そう言っている様に感じ取れました。イントロのウズウズ感は癖になりますね。何か大きな事が始まる予感がプンプンします。
最後の台詞パート、誰が何を言っているのか分からないのは最早お約束ですね。ラブアローシュートとにっこにっこにー位しか分かりませんでしたよ笑。ソロライブが発売されるまで、発言を探ろうとしていたのは良い思い出です。
Shocking Party
プロ顔負けの実力を持つA-RISEの2曲目、「Shocking Party」。流石に雪補正("雪穂"と掛けてはいない)のあった「Snow halation」には負けましたが、それでも王者の風格のある、格好良い楽曲になっています。
歌詞を見ると、結構独善的というか、これまた上から目線っぽい感じの楽曲なんですけれど、厭味ったらしさを全く感じないんですよね。それだけの実力と覚悟が十二分に感じ取れるのがA-RISEの凄さです。本当、3人とも性格が良いし、キャラも立っているので、今からでも良いから何かしらのA-RISEに関する展開を恵んで下さい…
あ、後地味に、劇場版では唯一既存楽曲での銀幕出演を果たしましたね。リムジン内のBGMという何とも言えない起用方法でしたが、それに使われる程、UTXやA-RISEは凄い事の証左になっているような気もします。UTX…。どれ程凄い学校なんですかね。虹ヶ咲もよりも凄いかも。
シアワセ行きのSMILING!
さて、ここからBlu-ray特典楽曲です。その先頭を務めるのは、またも穂乃果のソロでした。こうやって2回もソロを担当した事が原因で、穂乃果とデュオを組んだ事があるのは凛だけなんですよね。海未でもことりでもないのが面白い所。まぁ花陽もデュオ経験はことりオンリーなんですけどね。りんぱなは時代の敗北者…
まぁそんな事は置いといて。この「シアワセ行きのSMILING!」ですが、穂乃果らしさが溢れている、いや溢れ出していると思いません?特に「取りあえず笑顔が自分らしさ」の言い回しが。後輩のお株を奪うようですが、シリーズ屈指の笑顔が魅力の人は?と聞かれたら、それは千歌でも他の誰かでもなく、穂乃果なんですよ。持ち前のエンジンの爆発力とフルスロットルさ、そして天性の笑顔で周囲を巻き込みながら進んで行く。それが「高坂穂乃果 #とは」なのです。数多くあるソロ楽曲の中で、そんな穂乃果らしさを体現したのがこの楽曲だと思います。また、「笑顔が自分らしさ」という事は、逆説的に1期終盤のことり留学騒動では、海未が言うように穂乃果らしくなかったという事に繋がるのも好きなポイントです。
ずるいよMagnetic today
素直になれない2人組を描いた楽曲ですね。アニメで散々推されていた2人組なので、デュオ楽曲位あるだろうなと探した記憶があります。そして発見し、実際に視聴動画か何かで聴いた時に、正ににこと真姫の為にあるかのような楽曲だな、と思いました。互いが持つツンデレ気質のせいで中々仲良くなれない、もどかしい。そんな空気感を見事に表現しています。
個人的に、この"にこまき"と呼ばれる組み合わせに惹かれなかったので、そこに関しての感動は特段ありません。ですが、多分刺さる人には刺さるんだろうな、と感じています。あ、楽曲自体は普通に好きですよ?一応、念のため。
くるりんMIRACLE
2期5話を経て、コンプレックスやトラウマを克服した凛を描いたソロ楽曲ですね。先輩方を参考に、女子ロードをスキップしながら進んで行く彼女の姿が容易に想像出来る、楽しい気分になる楽曲です。
ここから様々な事を吸収していき、lily whiteで見られる大人な感じの凛が生まれるんですかね。まぁそれは分かりませんが、殻を破った凛のこれからが楽しみになる1曲です。
Storm in Lover
下級生からの人気が高い絵里と海未のデュオ楽曲です。タイトルが「嵐の中の恋だから」と丸被りしていたり、曲調は「Mermaid festa」シリーズの系統を受け継いでいたりと、「色々と似ているな」と初めて聴いた時に思ったのを覚えています。まぁ、今も若干そう思っているんですけどね。
絵里と海未の組み合わせは、どちらかというと、アニメ範囲外で良く見られる組み合わせのような気がします。ここへ来て原点回帰、という事ですかね、熱い。中の人も実力派の2人だったので、とても聞き込んでしまう楽曲です。
もしもからきっと
希のソロ楽曲ですね。普段、μ'sの母的存在として皆を見守っている彼女が、8人に対してどういった気持ちを抱えているのか。それが分かる楽曲です。
これを聴くと、「Snow halation」回の見方が変わりますね。何時も飄々としている希の内面を描いているので、彼女に対しての親近感というか、そういうものが湧いてきます。
好きですが好きですか?
シリーズ最上級の脳トロソング。以上!
…ダメですかね?笑
こちらの楽曲は、デュオトリオに次ぐ2回目の花陽とことりのデュエットソングですね。他の組み合わせは色々と変わっている為、この"ことぱな"の優遇っぷりが目立ちます。Printempsから元気印でお馴染みの穂乃果を抜けば一体どうなるか。答えは火を見るよりも明らかです。2回も検証する必要は無いと思います(建前)。でも、嬉しい(本音)。
「告白日和、です!」は、思いを伝えようと勇気を出す女の子が描かれていましたが、「好きですが好きですか?」は、そこから一方踏み出した同棲ソングとなっています。あの手この手で徹底的に癒しに来るこの歌は、2人の歌声も相まって、リラクゼーション効果抜群です。この曲をヘビロテすると、ダメ人間街道まっしぐらな感じがしますね笑
ソロライブでは、"怒りモードのことり"という超レアなものが見られるのでオススメです。言わずもなが、花陽のソロも至高。
そして最後のページには
Blu-ray特典楽曲の最後を飾ったのは、「そして最後のページには」。出会った時から振り返り、現在に目を向け、そして未来の事を思う卒業ソングですね。エモエモさが限界突破している中で出てきた楽曲だったので、腐食感が無い訳ではないですが、これもまた1つのμ'sを締める大切な楽曲です。
何時か、表紙に小さく"ありがとう"を書く日が来るのでしょうか。表紙に書くのは、1番最初か、或いは最後のページを書き終わってからの筈。雰囲気的に最初に書く事は考え辛く、また、最後のページにはまだ何も記していないので、"ありがとう"を書くのはまだまだ遠い未来になりそう。というか、なって欲しいですね。
因みにですが、フェスで情報公開され、20年7月に発売したμ'sの歌詞集の表紙にはキチンと小さく"ありがとう"と書いているんですよね。細かい。
まとめ
という訳で、μ's2期プラスαについてでした。"エモさ"要素を孕んだ楽曲が多いですが、各々個性があり、好きな楽曲が多いな、と改めて感じます。その中で敢えてお気に入りを挙げるなら、「どんなときもずっと」とか「好きですが好きですか?」辺りが上位に食い込んでくると思います。全部好きなのは当然なんですけどね。
さて、次回は順当に映画関連楽曲ですね。今回は18曲を約7000字で綴りましたが、これまた長文になりそうな予感がします…
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