エフライの感想記

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感想《2021 F1 第10戦 イギリスGP》新予選方式に物議を醸した接触。兎にも角にも話題が尽きないレース。

レッドブル・ホンダが破竹の勢いで勝利を積み重ねている中、迎えたイギリスGP。ハミルトンのお膝元という事もあり、レッドブルvsメルセデスの争いがより一層激化すると考えられたレースでした。そんなトップ争いに加えて、スプリント予選という新予選方式が試されるという事で、色々な意味で見所の多い週末が予想されましたね。

 

 

何も言えねぇ…

 

そんな予想に応えるように、終末を通して様々な見所が発見されました。その中で先ず最初に触れるべきは、やっぱりフェルスタッペンvsハミルトンでしょう。予選ではハミルトンが寸での差でトップを奪取。スプリント予選では、フェルスタッペンがスタートを決めPP獲得と、互いに譲らない見ごたえのあるバトルが展開されました。タイトル争いをしているこの2人の攻防は、嫌でも盛り上がりますよね。独走態勢より、接近戦の方が断然面白くて好きです。

 

そんな手に汗握るバトルの再戦を期待した決勝。スタート後、スプリント予選と同じく接近戦を演じていたこの2人は、なんと9コーナーのコップス(コプス?)で接触してしまいました。

ヒェッ…

 

高速コーナーと事もあり、結構大ごとになってしまいましたね。フェルスタッペン本人が無事で何よりでしたが、映像を見た時は「おぉ…」と声が出ませんでした。タイトルを争っている為、何時かこのような接触事故が起こるだろうな、と思っていましたが、まだ10戦目のシルバーストーンで発生するとは予想外でした。

 

個人的に、このクラッシュに既視感があったのですが、18年にグロージャンとサインツが起こしたクラッシュと同じ感じでしたね。 これはWリタイアでしたが、今回はハミルトンのみ生存。したたかというか何と言うか。ほぇ~と思いました。

 

これにてレースは赤旗中断。その後、ハミルトンには10sのペナルティが課されましたが、ここは彼が大得意なシルバーストーン。そんなペナルティを物ともせず、ハミルトンはトップチェッカーを受け、スペインGP以来の勝利を飾りました。

いやはや凄いですね。あのクラッシュが意図的だったのか否か等、世界中で論争が起こる結果となりましたが、個人的には、10sペナルティを受けてもなお頂点に返り咲く、ハミルトンの強さや執念を感じましたね。どんな逆境でも必ず居るべき所に帰ってくる。強さがメルセデス×ルイス・ハミルトンなんですよ。

「撃墜して得た勝利にも関わらずはしゃぎ過ぎ」という意見や「アルボン撃墜と変わらない」という意見は確かに理解出来ます。しかし、それ以外の文句はいちゃもんかな、と思います。ガチで嫌がらせ合戦をしていたのは、ロスベルグと争っていて時オンリーな気がするので。

私個人としては、そんなハミルトンの腹黒さ疑惑より、1周目でクラッシュを起こし、ホーナーに「あそこでインに入るのはあり得ない」と言わせたコップスで、ノリスとルクレールをオーバーテイクした強心臓さに驚きを隠せません。それが出来てこそF1チャンピオンなんですね。壁は想像以上に高そうです。

 

でもこの発言はないでしょ。

08年カナダGPにて、赤信号で止まっていたライコネンに追突したのも喧嘩両成敗なんですか?

 

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優勝し25pts稼いだハミルトンに対し、クラッシュに終わったフェルスタッペンについてですが、「引いても良かったんじゃない?」と思います。まぁ後の祭りですけどね。確かに、あの接触はどちらかと言うとハミルトンに非がありますが、前日のスプリント予選での動きを見るに、彼が攻めてくる事は容易に想像出来たので、チャンピオンシップの事を考えて安全策を取っても良かったんじゃないかな、と、そんな気がします。

 

www.as-web.jp

↑に挙げているのは、2017年のシンガポールGPにて、フェラーリの2台の挟まれた際にフェルスタッペンが残したコメントですが、正に今回のレースに刺さる発言ですよね。勿論、このレースと今回では、対戦相手等、色々状況が異なってきますが、大まかは同じです。イケイケドンドンが彼の魅力なのは分かりますし、F1の走りしか知りませんが、その勢いのままにここまでのし上がってきたという事も滅茶苦茶痛感します。ただ、王座を獲得する為には、「損して得を獲る」事も大切だと思います。一か八かの勝負を仕掛けるのは、88年鈴鹿のセナや、89年、90年のセナプロ両者みたいに最後だけで良いんです。それまでは、賢くポイントを積み重ねる必要があります。これが出来るか出来ないかで、タイトルを獲得出来るか出来ないか変わっていくと思います。

何せ、今までフェルスタッペンは、他所様に多大な迷惑をかけていますからね。特に印象に残っているのが、18年鈴鹿ですね。彼は1周目でライコネンをコース外に押し出したのですが、それに対してペナルティが出た時、グランドスタンドが拍手喝采になった事が今でも忘れられません。それ以外にも、いちいち数えるのが億劫になる程大暴れしていたフェルスタッペン。そのツケが今年21年シーズンに一気に支払期限を迎えているのかもしれません。めげずに頑張って欲しいですけどね。でも、現段階だと、ハミルトンの方が3枚くらい上手だと感じます。

 

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個人的殊勲賞

 

暗い話はこの辺にして、個人的殊勲賞に参ります。

先ずは、スプリント予選から光る走りを魅せたアロンソとライコネンの2人でしょう。大多数がミディアムタイヤでスタートする中で、このエンジョイ勢2人はソフトタイヤスタートを選択しました。これが功を奏し、共に予選から4ポジションアップの大躍進を果たしました。

特に、このアロンソの蹴り出しは最高ですね。アゼルバイジャンに続きミラクルスタートを決めました。ライコネンの映像は探せませんでしたが、きっと彼も素晴らしいスタートを決めてくれた事でしょう。

そして、この2人の躍進は決勝でも続き、アロンソは最終的に7位入賞を果たしました。復帰して数戦は大人しかったですが、ここ最近滅茶苦茶元気ですよね。スプリント予選の見所も作ってくれましたし、流石の一言です。対して、ライコネンの方も素晴らしい走りを魅せてくれました。普通にトップ10圏内に居ましたからね。今季2度目の入賞に期待を寄せていました。

 

…が、そんな希望はペレスに打ち砕かれました。琢磨選手ではないですが、「roomが必要なんだよ」と言わなくちゃいけませんかね。ペレスに締め出されたライコネンはスピン。最終的に15位に終わってしまいました。滅茶苦茶惜しかったですね。悔しいです。何せ、使い古したハードで、履歴の浅いミディアムを履いたコンストラクターズトップのマシンを抑え込んでいましたからね。更に、ペレスとのバトルの前には、角田くんを完全に封じ込めていましたし、良い走りをしただけに結果に結びついて欲しかったです。ライコネンファンの自分的には、ぶっちゃけフェルスタッペン云々より、こっちの方が大事なんですけどね…

 

さて、3人目ですが、まさかの2位表彰台を獲得したルクレールですね。予選で4位に入った時点で意外の塊でしたが、1周目のクラッシュも相まってラップリードを記録出来、そして2位フィニッシュを果たせるとは…。完全に予想外の好成績です。ハミルトンの優勝より彼の優勝が見たかったので、レース終盤はルクレールを滅茶苦茶応援していましたね笑。寸での所で勝利は逃しましたが、この成績は凄すぎます。サインツに押されている感のあったルクレールですが、意地が見られたようで嬉しいです。

 

今回は以上の3人にハミルトンを加えた4人ですね。少ない気もしますが、週末を通して目立った(良い意味で)活躍したドライバー自体、あんまり居なかった感じがします。ハミルトンは正直入れるか悩みましたが、ペナルティは受けていますからね。10年ドイツのウェバーとか11年カナダのバトンとか、ペナルティを受けても優勝したドライバーを「すげぇ」と思ったクチなので、ハミルトンだけ例外にするのは可笑しいですし、実際見ていて彼の凄さを感じられたので、該当扱いにしました。まぁ発言やレース後の喜びようはもう少し考えられたのでは?と思いますが、大相撲の横綱ではありませんからね。あくまでもレースの内容だけを見ての判断です。

 

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その他

 

そんな物議をかもしているハミルトンの相方、ボッタスは、あんまり冴えませんでしたね。スプリント予選こそ中古ソフトで3位をキープ出来ましたが、決勝はチームプレイを遵守。今回は、前戦での「free to race」の無線とは反対の「team order」の指示が飛んでいましたね。残念。このまま未勝利でシーズン終了を迎える気がして仕方ないので、早急に優勝して欲しいですね。

 

2台揃って好成績を上げたのが、マクラーレンの2台です。最終成績はノリスが4位、リカルドが5位と、ポイントをごっそり稼ぎました。ノリスに関しては、母国での表彰台が見たかったですね。最早4位で「凄い!」と思わなくなっている自分に驚きです。相方のリカルドは、この成績をバネに本調子に戻って欲しいですね。今回は、予選タイムもノリスと接戦を演じる等、昨年までの元気な雰囲気を感じ取れました。決勝では、サインツを抑え込んでいましたしね。シューイへのカウントダウンが確実に進んでいる気がします。

 

そんなリカルドに封じ込められたサインツは、ピットにしてやられましたね。タイヤ交換作業が後少しでも速ければリカルドに先行を許す事にはならなかったので、惜しかったです。ですが、スプリント予選でラッセルに撃墜され順位を下げた事を考慮すると、6位フィニッシュも存外悪い成績のように思えません。今回は、ルクレールにツキがあった。それだけです。

 

相方が良過ぎただけに霞んで見えたのは、サインツだけでなくオコンもですよね。10番手発進から9位フィニッシュと、ここ数戦の不調が噓のようなレースを魅せました。ただ、同僚のアロンソの方が魅せ場が多かったですね。仕方ありません。決勝でアロンソとベッテルに蓋をされて居なければ、もう少し上に上がれたかもしれませんが、タラレバですからね。そういう時もあると思うしかありません。

 

また、それはジョビナッツィにも当たります。一発の速さでライコネンに勝るのは、最早当たり前の光景ですが、スプリント予選が導入された関係上、今回はライコネンより後ろでのスタートを強いられました。最終的に、ライコネンはペレスに撃墜された為、上の順位でゴール出来ましたが、あまりパッとしないレースでしたね。次に期待です。

 

アストンマーティンは、ストロールが8位に入ったのが収穫ですね。予選こそ15位に沈みましたが、決勝のスタートでライコネンの前に行くと、上手い事レースを運びました。流石です。対してベッテルは、スピンによって勝負権を失いましたね。一体どうしたのでしょうか。ここ最近の良い流れがこれで止まらなければ良いのですが…

ベッテルのハイライトは、レースでなくコッチですね。清掃活動を行うとか、流石4度のチャンピオン。皆さんもゴミはキチンと捨てましょうね(ブーメラン)

 

ウィリアムズは、ラッセルがQ3に進出するもポイント獲得に至らなかった事がハイライトですね。最早恒例行事となっているこの感じ。どうにか打開出来る手段はあるのでしょうか。

これは確かに思いました笑。ラッセルのツイてなさはピカイチですね。

ラティフィは…。まぁ頑張って。

 

ハースに関しては、今回初めてマゼピンがミックに勝ちましたね。相変わらずの最下位争いですが、F2からのライバルであるだけに、どう展開していくのか楽しみです。

 

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我らがホンダPUを積むアルファタウリは、角田くんが10位、ガスリーが11位に終わりました。角田くんの入賞は嬉しいですが、今回は全体的にアルファタウリのレースではありませんでしたね。予選も2台揃ってQ2落ちでしたし、あまり速くありませんでした。ガスリーにパンクが起こったのが要因ですが、地味に角田くんがホンダ最上位なんですよね。角田くん自体は頑張りましたが、他3人どうした。ガスリーは不運だけど、レッドブルの2台よ。

 

最後に、そのレッドブルに乗るペレスですが、まぁ良い印象は無いですね。予選ではルクレールに先行を許すと、スプリント予選では単独スピンを喫しリタイア。決勝ではセッティングを弄れるよう、ピットレーンスタートを選択するもライコネン攻略に手間取り失速。最終的には、自らの1ポイントよりハミルトンのFLポイントを奪う、体の良い当て馬に使われました。まぁ予選の一発は仕方ないとしても、スプリント予選でのミスは痛いですよね。フェルスタッペンがリタイアした遠因になっています。

しかもこの復帰方法、不味いでしょ。ガスリーに当たりそうになっているじゃないですか。19年イタリアGPのベッテルやストロールみたいで怖いです。あの時は、そこまで高速コーナーではなかったので、そこまで大きなクラッシュになりませんでしたが、これはストレート上なので、ハミルトンとフェルスタッペンの接触以上に大変な事になっていた可能性があります。気を付ける…というか、レコードラインに復帰しないようにして欲しかったですね。そういえば、その19年モンツァでも最終的に割を喰ったのはガスリーでしたっけ。やっぱり彼は不幸体質…?

ペレスに話を戻すと、前戦でのノリスへの神風特攻やルクレールへの2度の寄り切り等、良い印象が払拭出来ていない中での今回のスピン&ライコネンへの締め出しなので、正直自分の中でのペレス株は暴落中です。特に相手がノリスやライコネンといった推しだったのも暴落の一因です。いや…。頼むよ?バクーでのキレッキレの走りが恋しいです。

 

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まとめ

 

という訳で第10戦の感想でした。正直、スプリント予選の事など吹き飛んでしまう程、決勝1周目のインパクトが強過ぎましたね。スプリント予選に関して言うと、改良の余地はあるものの、エリミネーション方式予選よりは良かったんじゃないでしょうか。1周目のクラッシュが無ければ、決勝1スティント目のネタバレになった可能性が高い為、「予選とスプリント予選の間ではセッティング弄るの禁止。でもスプリント予選と決勝の間は可」とすれば良いんじゃないでしょうか。まぁこの辺は偉いさんがきっとより良い案を考えてくれるでしょう!

さて、次戦はハンガロリンクですね。フェルスタッペンが復活する事を祈りつつ、レースを楽しみにしようと思います!

 

 

 

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↩前回開催