エフライの感想記

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感想《Formula E 2022シーズン(第8シーズン) 第3戦 メキシコシティ》3度目の正直。ようやく勝てた、パスカル・ウェアライン。

F1の新車発表が相次ぐ中、FEの第3戦が開催されました。開幕2戦はメルセデスが圧倒的な強さを魅せたので、「彼らを止めるのは一体誰か」という点が焦点のレースだったと想います。

舞台となったエルマノス・ロドリゲス・サーキットが2年ぶりの開催だった事もあり、観客の熱狂が凄まじいレースでしたね。F1日本GPもこうなってくれたら良いのですが…

 

 

雪辱を果たしたジャーマン

 

昨年プエブラで開催されたFEメキシコ戦。そこで何があったか覚えている人はいるでしょうか。そう、ポルシェに乗るウェアラインの不運ですね。第8戦は、ポールトゥウィンを飾ったものの謎の技術規定違反によりレース後失格。翌日迎えた第9戦では、2位フィニッシュを果たすも、謎のペナルティにより4位に降格。

このような最悪の不運が彼を襲ったのです。ウェアラインは、第5シーズンでチェッカー寸前でディグラッシにオーバーテイクを許し、2位になった過去(これもメキシコ)があったので、彼とメキシコは犬猿の仲だと思っていました。

 

そんな中迎えた今年のメキシコラウンド。ウェアラインは、これまでの悪運を跳ね返すような走りを魅せ、見事PPを獲得しました。同僚のロッテラーも3位になりましたし、今回のポルシェは強いな…と感じさせる予選でしたね。このままチームとしても、個人としても初の優勝を果たすのか。それとも4度目の不運が襲いかかるのか。期待と不安を抱えて決勝のスタートを待ちました。

 

流石に朝6時半のスタートの放送開始に合わせての起床は無理だったので録画で観戦した決勝。終わってみれば、ポルシェが圧倒的に強かったレースでした。

序盤は、予選トップ3のウェアライン、モルターラ、ロッテラーが首位争いを演じ、中盤以降はそこにテチータの2台が入ってくる混戦模様。随所でバトルが見られ、誰がトップに立つか分からない、とてもエキサイトしたレース展開でした。

そんな中、前回バッテリーマネジメントで失敗したポルシェは、後続からのプレッシャーに過度に反応しない事を選択。時にはライバル車に先行を許す事も厭わず、ひたすらに勝機を伺っていました。そして、それはジワジワ効果を発揮します。終盤になると、ポルシェ2台が他車の追従を許さない程独走し始めたのです。3位集団まで7秒以上つけるその様は、さながら耐久王の名に相応しいレース運びでしたね。

 

残り1秒の段階でフィニッシュラインを通過した事で、1ラップ追加され更に後続を痛めつけたポルシェ。チームメイトバトルを行わず、2台揃ってチェッカーを受けました。これにてポルシェ、ウェアライン共々FE初優勝。それを1−2で飾る辺り、今回の耐久王は神がかった速さ&強さでしたね。最終的に3位のベルニュまで9秒つけたのは、良い意味で言葉が出ません。開幕戦見た感じ、メルセデス一強かな、と思ったのですが全然そんな事はありませんでした。次戦以降のチームバトルが楽しみです。

メキシコとの相性が絶望的に悪かったウェアライン。彼が報われて良かったです。

テチータ時代は同僚だろうが誰であろうが、暴走気味に突っ込んでいたロッテラーが、今回は大人しく走行していて安心しました。マジで第5シーズンのマラケシュで同士討ちしたBMWが頭をよぎりましたからね…

 

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個人的殊勲賞

 

今回の個人的殊勲賞ですが、1−2を果たしたポルシェの2台は勿論当確です。F1では運に恵まれなかったウェアラインに、FEでは苦戦が続く日本での走行経験が豊富なロッテラー。ポルシェは馴染みのある2人を擁しているだけに、この戦果はとても嬉しいものでした。ドイツ国歌を聴くと、もはや安心感を覚えますね笑。これからも頑張って欲しいです。

結果的には、この追い抜きが決め手でしたね。2台揃ってモルターラをズバッと抜く様は格好良かったです。モルターラって、昨年の第9戦でウェアラインを下して優勝したドライバーだったんですよね。因果というか何というか。不思議な縁を感じます。

 

他には、古豪復活を匂わせる活躍を魅せたテチータの2台も良いレースをしましたね。ベルニュが4位発進からの3位表彰台。ダコスタが5位スタートからの4位フィニッシュと、素晴らしい戦果を残しました。

ダコスタに関しては、ウェアラインがアタックモードに入る際に追突してしまい、左フロントのフェンダーを破損するアクシデントに見舞われましたが、最終結果には大きな影響がなく一安心しました。

 

ベルニュにとっては久々の表彰台な気がします。良いレースをするも結果が出なかった時期が続いていた気がするので、表彰台獲得は嬉しいですね。

また、元同僚のロッテラーとの絆が今現在でも生きている事が分かってホッコリしました。どつき合っていたイメージのある2人ですが、こういう関係は良いですよね。

 

他には、最終的には5位フィニッシュに終わったものの、レースを盛り上げたモルターラも良い走りをした印象です。最後の電欠祭りで順位を下げましたが、何とかデフリースの前でフィニッシュする事が出来た為、ポイントリーダーの座をキープする事が出来ました。次戦は、この悔しさを晴らして欲しいですね。

 

今回の個人的殊勲賞は以上の5人です。結果的にトップ5のドライバーが該当者になりました笑。まぁ中団以降があまり中継に映らなかったので仕方ないですね。次戦以降も面白いバトルが見られたら良いな、と思います。

 

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その他

 

今回のレースは、前述の通りポルシェ(ウェアライン)が残り1秒でフィニッシュラインを通過した為、昨年のバレンシアのような電欠祭りになりました。その結果、ファイナルラップとそれまでとで大きな順位変動が起こりました。

この電欠祭りで得をしたのは、デフリースや日産勢、デニスといった面々でしょうか。各々レースペースが良くなかった中、棚ぼたでポイントをもぎ取った印象です。まぁどのような経緯であれ、入賞は入賞なんですけどね。デフリースに関しては、前回の電欠祭りで大逆転優勝を果たしていましたし、電費管理というか野生の勘が冴えているのでしょうね。

 

逆に1周追加された事で大損したのが、バンドーン、ディグラッシ、キャシディ辺りですかね。彼らは入賞圏内を走行していただけに、運に見放された結果となりました。持っている速さは抜群だっただけに残念でしたね。彼らならこの取り零しを取り戻せると思いますが、ランキングの事を考えると痛恨なのかもしれません。こればっかりは分からないですね。次戦以降の巻き返しに期待です。

 

最後こそガラガラポン状態になりましたが、前回のレースと今回のレースを持って、シーズンを通して強いチームと弱いチームがハッキリした気がします。まだ気が早い気もしますけどね。

今回のメキシコ戦では、ポルシェ、テチータが絶好調で、ベンチュリやエンビジョン、メルセデスがそれに追従するような感じでした。これで入賞圏内の10台が埋まり、次点でジャガーが入るかな…という戦力図でしたね。開幕2連戦のサウジアラビアでも大方この5,6チームが入賞圏で争っていたので、ぶっちゃけ第8シーズンは、彼ら12台が優勝争いの主役でしょう。昨シーズンまでと違って予選方式が実力主義なものになりましたしね。

逆に、日産やマヒンドラ、ドラゴンやアンドレッティ、NIOは先陣争いから5歩くらい遅れている印象です。今回だって、電欠祭りが開催されなければトップ10フィニッシュはキツかったですしね。大変だと思いますが、何とか彼ら5チームにはもっと戦闘力をつけてもらいたいです。ティクタムやアスキュー、ジョビナッツィ辺りがどのような走りを魅せるか気になりますしね。

 

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まとめ

 

という訳で第3戦の感想でした。「3度目の正直」でウェアラインが、因縁の地メキシコで勝利を飾れて本当に嬉しく思います。ロッテラーも速かったですし、次戦からはポルシェの動向に注目ですね!

また、一時起こった、フラインス、テチータ2人、ベンチュリ2人、バンドーン、ローランド、ジャガー2人という総勢9台による3位争いは見応えが十二分にありましたね。キャシディの走りも良かったですし、次戦がもう既に待ち遠しいです笑

さて、次戦は4月のローマです。Wヘッダーレースですね。昨年はキャシディがPP獲得、レース開始後即スピンを喫した事が強烈に印象に残っていますが、果たして今年はどうなるのでしょうか。楽しみに待ちたいと思います!

 

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