見てきましたよ!実写版『がっこうぐらし!』。原作&アニメを知っている身としては不安しか無かったのですが、ロゴが変わっていますし、どんな話なのか滅茶苦茶気になっていたので映画館に突撃しました!
以下、ネタバレ全開の感想ですのでお気をつけを。後、原作のネタバレも多分含んでいるのでそれもご注意を。
ストーリー
話としては原作で言う高校編。アニメで言うなら1期(2期以降はないけど)全話を色々引いたり足したりして纏めているストーリーでした。兎に角、細かい事までやっていたら時間が足らないので色んな事が削る為に設定変更されていました。
- みーくんはモールではなく食堂で生き残っていた
- 太郎丸存在せず(アルノーも勿論いない)
- 「ランダルコーポレーション」関連が少しも出なかった
- めぐねえは地下ではなく保健室で死亡
ざっと列挙するとこんな感じです。みーくんが学校に居ることから外出する必要がなくなり、時間節約になるというのは考えたなぁと思いました。でも、だったら最初っからメンバーでも良くね?とも思いましたが。イマイチ新入部員として入るメリットというか強みが活かされていませんでしたからね、みーくん。
また、ランダルコーポレーションの名前が一切出てこなかったという事で、卒業後、進学一択だったのが少し残念でしたね…。まぁただでさえ時間がない中で続編も(恐らく)作らないのに余計な情報を入れて混乱させるよりかは良いと思いますが。
散々削られた中で追加されたのはゾンビパニックが起こる前の日常と胡桃と先輩関係でした。原作では平和な日常があまり描かれなかったのでこれは良かったと思います。めぐねえが少々キツい性格になっていたのは気になりましたが。
胡桃と先輩関連は実写化するのには必要不可欠だったかな、と思います。高校編ではゾンビ以外女の子"だけ"しか登場しませんから、多分それでは何か色々と不都合があったのでしょう。その為の追加と考えたら悪くないと思います。それが上手く活かされたかと言えば別ですが。
また、めぐねえの死亡場所が地下室から1階の保健室に変更されていました。これは彼女が国語教師から保健室の先生になったというのもありますが、そもそもランダル要素をカットしているのでワザワザ地下室に居なくても良いという訳ですね。
…って書いててふと思い出したのですが、ランダル要素が無くて、巡ヶ丘高校に異様な設備が整っている事の説明がありませんでしたね。作中では誰も突っ込みませんでしたし。うわぁ…とんだ初見殺し…
キャラクターの設定変更
上の進学一択やめぐねえの件もそうですが、アニメで約12時間かけたものを約2時間で纏めなければならないのでキャラクターにも相当な設定変更がされていました。
原作では主役の由紀は今回、脇役に徹していました。幼児退行っぽい言動は健在でしたが、現実に向き合ってからの覚醒行動が無かったのが残念すぎる。いつも蚊帳の外だった由紀が覚醒して皆を救うあの場面が好きなのでカットしたのがなぁ(いちゃもん)
それと、卒業式での白紙答辞がなかったのも残念でたまりません。『がっこうぐらし!』の卒業式と言えば由紀の白紙答辞と「仰げば尊し」でしょ!と強く言いたい。なんであれカットしたの!ねえ !!
そ・れ・に!
「私学校が好き!」のセリフから始まる学校紹介もカットされていました…
もう由紀が主人公というのを構成していた要素全部ブッパしやがって!!!
続いて胡桃。
ロゴ変更から分かる通り今回の主役でした。上に挙げた通り、追加されたシーンはおおよそ彼女絡みの事から優遇されてるなぁと。原作と違う部分と言うと、先輩の事をずっと考えていた事が1番大きい変更ですかね。
まぁ原作等ではあっさり克服してて本当に良いの?と思わなくもないですからコレは良い変更だったと思います。ドジっ娘設定の必要性は特に感じませんでしたが。
続いてりーさん。
他のメンバー(めぐねえ含めて)の中で1番原作との隔たりがなかった気がします。パンフレットを見るに演じた人は原作のファン、そしてりーさん推しだった事が分かります。それならなるほど。あのりーさんの雰囲気が出ているのも納得です。
変更らしい変更はあったかな…?
いつも冷静だけど突発的な事には滅法弱い事は継がれていましたし、せいぜい言うならみーくんとの対立が少なかったくらいです。いや、ほんと1番原作に近かった気がします。
そして、みーくん。
上にある通りモールから食堂に隠れ家が変更になりました。そしてまぁ尖ってる事。
加入時に由紀に不信感を抱く、りーさんと対立する等、原作でもあった事ですが、脱走を試みたり由紀の事を「頭がおかしい」みたいにボロクソに言ったりと凄いキャラ変わっていましたね。また、最初から戦闘員として活躍していた為、シャベル借りる熱い展開はカット。うーん残念。
また、圭の事なんですが、今回、はっきりとゾンビ化そして死亡が確認されましたね。原作では卒業式後にそれらしき人を見たけど確証なしという感じでしたが、今回は胡桃がトドメを刺しました。その後に「あのゾンビは友達だったんです。」的なセリフがなかったのは寂しかったな…。というか、みーくんの過去が語られなかったから圭との関係も曖昧なままですし、「生きていればそれで良いの?」から卒業式での「生きていて良い事あったよ」という感動的発言もカット。
というか、今回圭が出る必要ありましたかね?原作知ってる身としてはお馴染みのキャラですが、あの1シーンだけではゾンビから逃げ、数日間共に過した親友という美味しい設定が生きていないと思います…
今回のみーくんはちょっといつものみーくんとは言い辛かったなぁ…
そして顧問のめぐねえ。
上に書いた通り、原作・アニメでは国語教師でしたが、今回は保健医でした。だからと言って薬について詳しく知っていたりとかいうシーンはなかったのでなんで変えたの?と。
また、学園生活部もりーさんと相談して決めたのではなく、めぐねえの独断で設立していました。
このめぐねえは一体誰なんだ…?
まぁ後、全体的に感じた事として原作とのセリフのニュアンスがなんか違うというか、「めぐねえならこんなセリフは言わない」みたいに思う事が多くありました。呼称も微妙に違いましたし(例:りーさん→みーくん:美紀ちゃん)細かい部分で残念なところが多かったですね…
まとめ
と散々に言いつつ、良くもまぁあの内容を2時間に纏めたなぁと思います。話も破綻していませんし、普通に面白い作品と思います。
ただ、圭を出す必要性だったり昼間のゾンビが全く怖くない件、原作で最大限に(少なくとも自分は)盛り上がったシーンが軒並みカットされてる、各キャラの活かされた訳でもない設定変更等残念なポイントは確実にあります。
更に、上にも書きましたが、ランダル要素、そして原作でキーアイテムだった機密文書が無い為学校に浄水システムやソーラーパネル、大量の食料(めぐねえ曰く何日とは言ってなかったが全校生徒分)がある事に誰も疑問に思う事がなく、それについての説明や議論が全てカットされているので完全初見さんにはちょっと厳しいというか、「学校になんでも揃っているとかご都合主義にも程がある!!」という感想を持たれても仕方ないなと思いました。
製作陣は原作ファンと新規ファンのW獲得を狙っていたようですが、原作ファンには原作の名シーン削除、そして新規ファンにはバックボーンの説明不足と両方に優しく無いのは中途半端ですね…
それでも、普段の実写映画に比べたら断然良かったのであんまり悲観しなくても良い作品だと思いました。これなんとかヒットしてアニメ2期頼むよ…!!
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